ライトに真剣に、できそうだったらやる

──ここのところのLAMAの動きを見ていると、意外と……と言っては失礼ですが、ちゃんとバンドとして活動しているという印象ですね。

牛尾　そうなんですよ……。

──もちろん本気のプロジェクトではあるんだけど、ここまでバンドとしてコンスタントに、パーマネントな感じで動くものになるとは、ちょっと意外でした。

ナカコー　……（フルカワを指して）彼女に怒られますよ（笑）。

フルカワミキ（Vo, B）　あはははは！（笑）

──「何言ってるのよ！」って。

フルカワ　「何言ってるのかしら……」なんて（笑）。

──それは失礼しました。

フルカワ　確かに、1枚で終わるんじゃないかとか、次あるんですかってさんざん訊かれたけど。もちろんやりたくなればどんどんやるし、ただそのタームが短くなるか長くなるかは、その時々によって変わるだろうけど、でもちゃんとバンドとしてやっていくつもりでしたよ、うん。

──バンドの在り方そのものも、例えば10年前とは随分変わってきてるじゃないですか。もっとゆるやかになってきてる。それも幸いしたのかなと。

フルカワ　うん、だと思います。

──昔はバンドっていうとがっちり固まってて、そこに縛られちゃうみたいな。

フルカワ　そうですね。死ぬまで人生を共にするみたいな（笑）。でも今は全然そんなことないし、多方面でやりながらいろんな刺激を受けて、アウトプットの先も自分で判断できる。そういう、もっと軽くライトに楽しもうというのはあると思う。ライトに真剣に、というか。できそうだったらやる、ぐらいのスタンスですね。

新鮮なままずっと続いてる状態

──特にライブ活動をコンスタントにやることがバンドにもたらしたものは大きいかと思うんですが。

ナカコー　……まあ全部が影響しますよね。LAMAってどういうものなのか常に考えてるし。ライブもそうだし、制作もそうだし、こうして取材受けてても。そこから音楽性も人となりもわかってくる。

──以前お話をお訊きしたときは、LAMAとはこういうものだという決まりごとがあるわけじゃなく、各人の志向やキャラが交わるところに結果としてLAMAの音楽がある、という言い方をされてましたね。そのときはまだお互いのことを深く知ろうとする段階だったこともあると思うんですが、そういうバンドのスタンスみたいなものは変わってきましたか。

ナカコー　うーん、そのスタンスのまま、今もいて。今も深くは知っているけど、もっと深く知ったらもっと面白いじゃない、と今でも思うし。だから新鮮なままずっと続いてる状態、かな。

──田渕さんはいかがですか。ほかにバンドをいっぱいやられてますが、LAMAはほかにないユニークなスタンスのバンドですよね。そういうあり方には慣れてきました？

田渕ひさ子（G）　そうですねえ……ライブで一緒に演奏することで、理解が深まった気がします。こういう感じなんだっていうのをつかんだっていうか。

──レコーディングだけでは気付かなかったことがあったということですか。

田渕　レコーディングして、これライブではどうするのかな、というのが結構あったんですよ。それでやってみたら、ああライブではこうなるんだと。で、2nd作って、また振り出しなんですけど。これライブでどうするんだろうって（笑）。

──なるほど。じゃあ今回はナカコーさんと牛尾さんが作ったループにあわせて皆さんで演奏して、それをエディットしたもの、と考えていいんですか。

ナカコー　うーん、最初はループを作って、そのループだけで仮の、ある程度の構成を作って。それに本決めではないけど、メロディを2人（ナカコーとフルカワ）で考えて、ある程度こんな感じの曲になるかも、というスケッチ状態の構成を田渕さんに聴いてもらって。で、田渕さんがそれにギターを乗せて、それを4人で聴いて、この音がいるとかいらないとか、そういう細かい作業になっていく。基本となったやり方はそれで、1曲だけセッションした音源をバラバラにしてループ状態にして、またその上にもう1回4人でああだこうだいいながら音を重ねていく、というやり方をしました。