信頼してる人だからこそ、いろんなものをお願いできる

──ニューシングル「参拝！御朱印girl☆」には、「オニギリック・リヴァイヴァー」や「上々上湯」と、食べ物がテーマになった曲も収録されていますが、おニ人は食べ物の趣味も似てたりしますか？

黒宮　似てる。何か食べに行っても、2人共同じものを頼みがちです。

──別のものを頼んでシェアしたりしない？

金子　れいはシェアさせてくれないから。

黒宮　私は理江に何でも決めてもらうんですよね。食べ物もそうだけど、洋服とか飲み物とかも。

──それはなぜ？

黒宮　理江が食べてたり持ってたりするものは、みんな輝いて見えるんですよね。持ち物だったらみんな素敵に見えるし、食べてると美味しそうに見えて、うらやましくなっちゃう。だから「それを解決するには……そうだ！ 理江に決めてもらえばいいんだ！」って（笑）。

──誰のものでも「隣の芝生は青く見える」という感じでもなく……。

黒宮　理江のだけなんです。好き過ぎるんです、理江のことが……なんで引いてるの（笑）？

金子　引いてないよ。かわいいなって（笑）。でも、好きな人にはわがままって言えるじゃないですか。そういうのが素直に出るのが、れいなんですよね。悪い意味のわがままじゃなくて、信頼してる人だからこそ、いろんなものをお願いできるんじゃないかなって。

黒宮　「お願いし過ぎ」ってことを遠回しに言ってる？（笑）

金子　違う違う。恋人のわがままなら聞いてあげるでしょ、ってこと。

──何を食べにいくことが多いですか？

黒宮　アジア系の料理が多いですね。パクチーが好きなんで。

金子　（小声で）ここは、（「オニギリック・リヴァイヴァー」にかけて）おにぎりって言ったほうがいいよ。

黒宮　そうだ！ おにぎりとか！ お饅頭とか！

──空気読み過ぎでしょ（笑）。

金子　そうじゃないとまたナタリーに呼んでもらえないから！

黒宮　空気読めますよアピールしなきゃ！

──あははは（笑）。一緒にディズニーランドに行ったことをInstagramにも上げられていましたね（参照：LADYBABY official (@ladybaby_jp) | Instagram）。

金子　お仕事も含めていつも一緒にいるんですけど、ディズニーに行くのは3年越しで実現しましたね。

──それはスケジュールの問題で？

金子　いや、私の寝坊とかです。

黒宮　朝から行こうって言ってても、理江は夕方ぐらいに起きるんですよ。だから「今日はなしだね」っていうのが3年続いて（笑）。

──金子さんは「ミスiD」の最終面接で8時間遅刻したという伝説の持ち主ですからね。

金子　直らないんですよね。ダメだなとは思ってるんですけど。

──今日のインタビューも大丈夫かしらと思ってたんですが、オンタイムで逆に驚きました。

金子　ギリギリ大丈夫でした。

黒宮　金子、ギリギリなんで基本。

金子　ギリギリで生きてますよ！（笑）

楽曲を通して知らないことを知れる

──話は変わって、2人体制でのニューシングル「参拝！御朱印girl☆」について教えて下さい。

黒宮　LADYBABYの曲は「日本の文化」を歌っているんですが、「参拝！御朱印girl☆」では「盆暮れ正月クリスマス」みたいな、いろんな宗教の行事を取り入れることのできる、日本人特有のボーダーレスな宗教観も歌ってます。

金子　LADYBABYの曲はシンプルに聞こえて意味深だったりするんですが、今回は特にそういう部分が強いかと思います。私たちも知らないことを楽曲を通して知れるし、これをきっかけに御朱印をいただいてみようかなって。

黒宮　この曲を聴けば参拝の仕方がわかります。明治神宮とかで流してほしい（笑）。

金子　盛り上がれるキャッチーな振りも楽しみにしてほしいですね。

──「上々上湯」の「スープの冷めない距離感で仲良くしよう」というリリックは、お二人の関係性を感じますね。

金子　いい歌詞だなって思いました（笑）。

黒宮　上湯っていう中華料理が歌詞に入ってくる部分も、いろんなものを取り込んで日本風にできちゃうことの表れなのかなって。内容的にも“気持ち”というものが強く表現されている曲なんですが、文化や言葉が違っても、思いで伝わるときってあるじゃないですか。そういうメッセージも伝わってくれるとうれしいですね。「オニギリック・リヴァイヴァー」はハチャメチャですよね。こんなにポップに、ずっとおにぎりのことを歌えるのはLADYBABYだけですよ（笑）。

──今回のジャケットやアーティスト写真では、以前よりもクールさや、大人っぽい感じが出ていますね。

黒宮　（前のほうが）清純派だったってこと？

──はい。今のほうが“強い”印象を受けました。約1年前にリリースされた「ニッポン饅頭」のミュージックビデオはもう少しかわいらしい感じだったので、余計にそう感じたのかも。

黒宮　あのときはスタッフさん1人、カメラマンさん1人だったんですよ。メンバーのほうが多いぐらいで（笑）。だからメイクをちゃんとやってる暇もなくて。

金子　2人共ほぼすっぴんだもんね（笑）。メイクは私たちが変化していく中で、今の自分たちに合った形になったんだと思います。前よりも私たち自身が濃くなったってことだとも思う。自分たちの自信やモチベーションがメイクにつながってるし、つなげている感じもありますね。

黒宮　衣装はリニューアル感というか、汚れてない感を出そうかなって。

金子　今までは、日本のよさとか“Kawaii”感じを強調した衣装が多かったんですけど、新生LADYBABYとしては、これからどう変化していくのかは誰にもわからないんで、その意味でも真っ白な、これからどんな色になるのかを想像させる純白の衣装になってます。

──今回のシングルも含め、LADYBABYの楽曲は「日本文化」やオリジナルジャンルである「Kawaii-Death」が基本的なコンセプトになってますが、「こういう曲を歌ってみたい」というようなイメージはありますか？

金子　ジャンル的に「○○系がやりたい」っていうのはないんですけど、自分たちの発信した音楽を聴いてくれた人たちの人生に、何か少しでも影響を与えられるような音楽を届けたいなって思いますね。

──そう思うのは今までの自分の経験によるもの？

金子　そうですね。れいもそうだと思うけど、私の人生にはずっと音楽が隣にあるんですよ。励まされる曲も、一緒に落ちるような曲も、楽しい曲も聴いてきたし、何かがあったときには音楽を聴くし、何もないときにも音楽を聴いて。だから、私たちの音楽もそうやって受け取られたらうれしいですね。

──黒宮さんはいかがですか？

黒宮　れいは10代なんで、同年代が共感できたり、10代のリアルみたいなものを歌いたい。うちらが言いたいことが、聴いてくれた全員に共感してもらえるとは思わないけど、少しでも共感してくれる人がいるような曲を歌いたい。言い方は難しいんですけど、「わかられたくないけど、わかってほしい」気持ちってあるじゃないですか。そういう感情を伝えるリアルな歌を歌ってみたい。