KYONO|KYONO BANDメンバーと共に歌った“夜明け”のライブ

KYONO BANDメンバーが鳴らす音でイメージが広がる

──「YOAKE」を作っているときは、ライブのことは考えていたんですか?

考えてはいたんですけど、100%ライブ用というよりは、自分がやりたい、聴きたい曲という感じです。

──コーラスも全部自分でレコーディングしていると、ライブで再現するのは大変ですよね。

左からDUTTCH(Dr / UZMK)、ミヤ(G / MUCC)、KYONO(THE MAD CAPSULE MARKETS、WAGDUG FUTURISTIC UNITY、!!!KYONO+DJBAKU!!!)、hiromitsu(B / AIR SWELL、deadbites、OXYMORPHONN)。

そうなんですよ。だからKYONO BANDのメンバーは“歌が歌える人”という基準で探しました。ハモリをライブで再現するために。それで声をかけて、参加してくれたのがMUCCのギタリストのミヤくん、UZMKのドラマーのDUTTCH、deadbitesとAIR SWELLのベーシストのhiromitsuです。あとは「YOAKE」のレコーディングにも携わってくれたT.SAKAIさんに、ライブでマニュピレーターをやってもらってます。

──以前に一緒に演奏したことがある人はいます?

全員今回が初めてです。

──そうなんですね。今まで一緒に演奏をしたことがあって、気心の知れた人もいる中でどうしてこのメンバーを選んだんですか?

WAGDUGやT.C.L.のメンバーは、少しイメージが違ったんですよね。ソロに関しては別の方向性でやりたかったので。「YOAKE」は歌に重点を置いたメロディが多いですし。

──実際にKYONO BANDのメンバーと演奏してみて、どうでした?

KYONO

みんななるべく完璧に音源を再現しようとしてくれました。ただ自分としては、音源とまったく同じ音ではなくてもいいと思っていて。hiromitsuだったら、hiromitsuらしい音が出ればいいなと。彼にはコーラスも担当してもらっているんですけど、自分にはない叫び声を出してくれるんです。それがうれしかったりもするので。そういうその人らしい音によって、より曲が広がったり、大きくなったりするんじゃないかなと思います。ギターの音に関しても、少しアレンジされた部分があってもいいし。ライブをやるたびに少しずつ音が違ったりとか、ライブならではの面白さがあったほうが、お客さんも楽しいだろうなって。

──KYONO BANDはライブ用のバンドということですが、このバンドの未来みたいなものは見えてきました?

はい。メンバーが鳴らす音や叫ぶ声で、イメージが広がったりもしたので。そう思うと今後は、やっぱり少しずついろいろな人のカラーが混ざる形になっていくかもしれないですね。

曲の中に少し変な部分が入っているほうが好き

──ソロ名義での初ライブ「YOAKE RELEASE PARTY -The beginning of dawn-」はどうでした?

「YOAKE」の制作に関してはやれることはやったので、ライブでは「YOAKE」に込めた思いをぶちまけてやろうという気持ちで挑みました。あとはお客さんもKYONO BANDメンバーも、みんなが楽しい場所になればいいなという思いはありましたね。同時に全責任を負わなきゃいけない、失敗できないという気持ちもあったので、怖さや不安もあった。でも終わってみると、100%楽しかったです。

──これまで何百回、何千回とライブをされていても緊張はしますか?

そうですね。バンドとはまた違う緊張感があって、それがすごく楽しかったです。この歳になってくると緊張する機会が減るから、緊張することが逆に楽しい。昔よりも緊張を楽しめるようになりましたね。

──ライブDVD「KYONO LIVE -The Beginning of Dawn-」には新曲「DRIVE」と「SAILING THE LIFE」が収められたCDも付属します。

はい。この2曲もT.SAKAIさんに協力してもらい作りました。「DRIVE」は、レコーディング前にライブで披露してたんですよ。その頃はまだ歌詞もできてない状態で、メンバーににデモを聴いてもらってライブでやりました。そのうえで、「DRIVE」のレコーディングでは、hiromitsuにコーラスを入れてもらいました。

──ライブの呼吸がわかったうえで、それをレコーディングにフィードバックしたと。

そうですね。ライブでまた新しいイメージが湧いてきて完成した曲です。

──2曲ともやりたいことがすっきりと伝わってくる感じです。

KYONO

ホントですか。歌中心にしつつ、少し面白い部分も入れたいなと思って作りました。曲のストーリーの中に少し変な部分が入っているほうが好きなので(笑)。

──この2曲を作ったことによってご自身の可能性も広がったかと思いますが、今後の展開は考えていますか?

曲を増やしたい。「YOAKE」は作品としての完成度を考えたアルバムだったので、今度はライブで100%カッコいい曲を並べたアルバムを作りたいですね。

KYONO「KYONO LIVE -The Beginning of Dawn-」
2019年9月18日発売
Music Securities,Inc. / MUFFIN RECORDS.
KYONO「KYONO LIVE -The Beginning of Dawn-」

[DVD+CD] 4320円
VCBM-2014~5

Amazon.co.jp

DVD収録内容
  1. EQUAL SOCIETY KYONO Ver.
  2. DOMINATION
  3. BREED KYONO Ver.
  4. YOAKE KYONO Ver.
  5. FLY!!!
  6. INFLUENCE
  7. SUN IN CLOUD
  8. CREATURES
  9. ONE WORLD
  10. MIRAI x SEKAI -Acoustic Ver.-

[BONUS TRACK]

  • DRIVE (MV Mix)
  • The Making of -The Beginning of Dawn-
CD収録曲
  1. DRIVE
  2. SAILING THE LIFE
KYONO(キョーノ)
KYONO
神奈川県横浜市出身のボーカリストで、1985年に結成、2006年に活動休止したTHE MAD CAPSULE MARKETSのメンバー。2006年にはDJ STARSCREAM(Sid #0 of Slipknot)とのコラボレーション楽曲「HAKAI(Deathtroy)」が、映画「デスノート the Last name」のトリビュートアルバム「The songs for DEATH NOTE the movie ~the Last name TRIBUTE~」に収録された。同年からハードコアバンドT.C.Lのメンバーとして活動を開始し、2007年8月にソロプロジェクトWAGDUG FUTURISTIC UNITYを始動。2012年にはDJ BAKUとのユニット!!!KYONO+DJBAKU!!!を結成した。2016年には宮藤官九郎監督映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」主題歌の作曲を担当。2018年10月には個人名義初のアルバム「YOAKE」を発表し、2019年9月には「YOAKE」のリリース記念ライブ「YOAKE RELEASE PARTY -The beginning of dawn-」東京・WWW X公演の模様を収録したライブDVDを発売した。

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