ナタリー PowerPush - 杉本恭一

LÄ-PPISCHデビュー25周年目前! ソロ新作「Macka Rocka」リリース

ホテルの外から窓に赤飯を投げつけてた

──そのへんのモヤモヤは、どうやって解消したんですか?

ああ、ひどかったと思いますよ。その頃の俺にかかわった人って、多分全員俺のこと嫌いだと思います(キッパリ)。

──ダハハハハ! そんなに嫌な人間だったんですか!

いつまで経ってもそのときのイメージとか評判で、いまだにそうとらえてる人がいますからね。

──"狂市"を名乗ってただけあって、ホントに狂った感じの。

っていうか嫌なヤツだったんですよ(あっさりと)。もう覚えてないんですけどね、自分では。ほとんどドリフですよ。やってることは。

インタビュー風景

──っていうか、みんなドリフ好きすぎなんですよね、LÄ-PPISCHは(笑)。

好きすぎましたね(笑)。だから反抗方法とか攻撃方法とかもドリフっぽくと、マネージャーに腹が立ったときは、最初は部屋に乗り込んで行って嫌がらせですよ。それは、言葉の暴力だったり体の暴力ではなく、女性マネージャーだったので、彼女の生活品のブラシとかそういうものを使って、チン毛ブラッシングしたりとか。

──あ、そっち系(笑)。

あとは、陰毛という陰毛を部屋に投げ散らかすとか(笑)。そういう俺たち的には「ウンコチンチン」の世界。それで部屋に入れてもらえなくなったら、ホテルの外から窓に赤飯を投げつけるんですよ。

──……は?

なんでかわかんなかったですけど、ずっと赤飯を投げ続けて、最終的にはホテルの入口の鍵穴とドアの隙間を赤飯で埋めた。こういう楽しい話なら覚えてますよ。

──そのせいで恨まれてるわけじゃないんですよね?

それは多分最終的にはウケたと思うんですよ。ただ、どうしてもそういう展開になってくると、メンバーもイライラしてきますしね。だからライブとかは逆に全然楽しかったし。今に比べればなんか安定感のないライブやってたなっていう気がしますけど。気分で上がり下がりのあるライブを。

FISHBONEの登場でオッケー的なムードに

──最初の大舞台は日比谷野音のインディーズ・フェスティバル(1986年9月)でADICTSとかと共演したときですか?

ああ。自分のイメージだとFISHBONEの渋公(1986年7月)かな。なんかあのインディーズ・フェスのときは、ちょっと自信がもう芽生え始めてましたから。もちろんうれしかったですけど。

──FISHBONEの存在はデカいですよね。

そうですね。口を揃えて音楽ライターやメーカーに「何をやりたいかわからない」って必ずどこでも言われてたのが、彼らの登場によって急に同義語的に言えるもんだから、急にそれでオッケー的なムードは出ましたからね。

──ミクスチャーロック的な概念がまったくない頃ですから、非常にわかりづらかったと思いますよ。

わかりづらかった! だって当時、だいたいデビュー前に対バンになってたのがじゃがたらとかMUTE BEATとかで。

──そこまで黒くないよって話ですよね(笑)。

そう(笑)。宝島には「東京クラブシーン」って中にLÄ-PPISCHが出てたんですよ。

──「クラブでやったっけ?」って。

「俺、そんな洒落てねえなあ」って。

──クラブっていったってロンドンナイトですもんね。

インタビュー風景

ホントそうなんですよ。

──まあ、難しい時代だったと思うんですよ。ビートパンク的なシーンにも入ろうと思えば入れるし。

うん、まだそっちのほうが全然しっくりきてたんですけどね。

──ボクは当時「オールナイトフジ」が好きだったんで、LÄ-PPISCHが出るたびにひどいことやってるなと思ってましたね。

ひどかったですね……。あんなこと、今テレビでやったら大変でしょうね。

──ネットで「放送事故」って言われるレベルのことばかりやってたじゃないですか。

MAGUMI、オールナイターズの乳揉みながら歌ってましたからね。

──アウトですよ!

アウトです(笑)。きくち(伸)さんでしたっけ? フジテレビの。多分あの人は俺たちを面白がってたんでしょうね。やたら出てましたもん。

──やたら出てはいるけども、MC部分のひどさったらなかったですよね(笑)。基本しゃべらない、しゃべっても適当なことしか言わない、オールナイターズの席とかに勝手に座る、ウロつく、田代まさしをイジるとか。

ひどかったですね。でも、多分我々の中では、あれで一生懸命なんですよ。

──あれは盛り上げようとした結果なんですか?

いや、まだロックミュージシャンに憧れてるぐらいの時期だったんですよ。海外ロックミュージシャンの伝説とかが、非常にまぶしいくらいの歳で。THE WHOがテレビショーに出たら話も聞かずに脱ぎだして、しまいには靴下を食っちゃったとか。

──そのまんまやってましたよね(笑)。

そのとおり! そういうものを見たりするとなんか、カッコいい!俺もやる!とかって思ってたレベルなんですよ。

ニューアルバム「Macka Rocka」 / 2011年10月26日発売 / 2300円(税込) / iLHWA RECORDS / ILH-001

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収録曲
  1. Birth
  2. Fantasia
  3. RED MONKEY
  4. ENCORE
  5. Piece of Cake!
  6. キャロラインベッキー
  7. KY? O....... IC! H I
  8. オー・ソレ・ミオ
  9. moon
  10. Antique Radio
杉本恭一 & The Dominators
「Tail Peace Tour 2011」
  • 2011年12月3日(土)愛知県 名古屋ell. SIZE
    OPEN 18:00 / START 18:30
  • 2011年12月4日(日)大阪 梅田Shangri-La
    OPEN 18:00 / START 18:30
  • 2011年12月17日(土)東京都 原宿アストロホール
    OPEN 18:00 / START 18:30
杉本恭一(すぎもときょういち)

1964年熊本県出身。1984年にLÄ-PPISCHを結成し、1987年にメジャーデビュー。1996年には初のソロアルバム「ピクチャーミュージック」をリリースし、自らが率いるバンド、analersでも精力的な活動を行う。2003年にLÄ-PPISCHが活動を休止した後はソロを中心にリリースやライブを続け、2011年10月に6枚目となるソロアルバム「Macka Rocka」を発表した。現在は上田健司とのユニット、穴場でも活躍中。