音楽ナタリー Power Push - コレサワ
上京女子の状況 コレサワの現状
自分の中の「王道J-POP」
──3曲目の「最終電車」についても教えてください。
この曲は「普段消極的な女子でも、思いが募りすぎたら大変なことになるんだぞ」っていうことを考えて作りました。あと私「君のバンド」を発表したときに、すごく「サブカル」って言葉で評価されたんです。そのこと自体は嫌じゃないんですけど、自分自身は王道のJ-POPを聴いて育ってきたからなんだか意外で。だから、この曲は自分の中の「王道J-POP」をイメージして作った曲です。みんなが聴きやすい曲になったらいいなって。
──すごくストーリー性のある歌詞ですが、こういったお話はどういうときに思い付くんですか?
これは本当に電車の中で思い付きましたね。友達とご飯を食べた日、バイバイして終電に乗ったらすごくさびしい気持ちになったんです。もっとしゃべりたかったし、一緒にいたかったなって。そこから「これがもし自分の大好きな人だったら、もっと切ないしもっとロマンチックだな」って考えて。そんな妄想からできた曲です。
──普段の生活の中でヒントを見付けるんですね。
はい。そういうときに思い付いた曲のほうが「いい曲だね」って言ってもらえることが多いんですよ。だから、お仕事が忙しくてもなるべく友達と遊んだりするようにしようって意識していますね。
──ちなみにコレサワさんはメロディと歌詞、どちらが先にできるんですか?
サビの歌詞とメロディが同時にできることが多いです。楽曲全体で言うと、できるメロディの量に歌詞が追いつかなくて苦戦します(笑)。メロディは作るのが好きだし悩まずにできるんですけど、歌詞は「聞き流されないためにはどんなことを書けばいいのかな」ってすごく考えちゃうから。
大好きな音楽と一緒に人生を旅してる
──「シティーガール」は働く女子の気持ちを歌った歌ですね。
これはOLさんになった気持ちで書きました。曲を作ったのが、友達が大学を卒業して就職し始めた時期だったんです。私は高校1年生の頃からバイトをたくさんしてきたし、働くっていうことを少しはわかっているつもりだけど、OLさんにはOLさんなりの悩みがあるんだろうなって考えて。
──「なにがしたくてこの街きたの?」っていう歌詞は、作品全体を通してのメッセージとしても受け取れますね。
そうかもしれません。
──そして、最後の5曲目はテレビ東京「廃墟の休日」のエンディングテーマとして使用されていた「シュシュ」。この曲は「廃墟の休日」のために制作したんですか?
はい。「書き下ろしてください」ってオファーをもらいました。書き下ろし、ずっとやってみたかったんです。すごくうれしかったですね。
──書き下ろしに挑戦してみて、いかがでしたか?
コンセプトがもらえるってすごくいいなって思いました。作品の舞台になる廃墟の写真も見せていただいて、その写真がきれいだったから頭の中でコンセプトが鮮明にイメージできたし。自分でいちから考えるんじゃなくて、こういうふうにテーマをもらうとすごくやりやすいんだなって。指示があるのに、逆に自由に制作できた感覚です。
──もらったコンセプトはどのようなものだったんですか?
「廃墟の休日」は、カメラだけを持って廃墟に出かけるという番組だったので、「大事なものをひとつだけ持って出かける」っていうコンセプトがありました。あと、歌詞は抽象的に、というか……「ふわっとさせるようなイメージで書いてください」って言われて。私、いつも詳しい状況を書いてしまうんで「ふわっとさせるにはどうしたらいいんだろう」って悩んだんですけど、リスナーの方が想像を巡らせてくれるような“隙間”を作る作業は楽しかったです。
──「シュシュ」というタイトルは、どういったところから出てきたのでしょう。
曲を考えているときに「私はカメラじゃなくて、大好きな音楽と一緒に人生を旅してるな」って、ふと思ったんです。でも、音楽が好きすぎるあまり依存して、悩んだりつらくなったりはしたくない。ずっと一緒に生きていきたいから、「お気に入り」くらいの距離感で音楽と関わっていたいなって考えて。そこから「お気に入り」っていう単語をほかの言い方で表現できないか探していたときに、フランス語でお気に入りのことを「シュシュ」って言うことがわかったんです。「シュシュってなんかいいな、かわいいな」と思って、タイトルに決めました。
──テレビで楽曲が流れて、何か反響はありましたか?
やっぱり親が喜んでいましたね! あとずっと応援してくれているお客さんが「やっとコレちゃんの曲がテレビで聴ける」って言ってくれて。私のことを応援してくれる人たちが、ほかの人に自慢できるものができたっていうことがうれしかったです。
──では、機会があったらタイアップには今後も挑戦したい?
したいですね! 書き下ろしは、自分を試されている感じがしてすごい好きです(笑)。「絶対にいいものを作ってやろう」って思えるから、またやりたいです。
全部がリード曲
──「女子、ジョーキョー。」はどんな作品になったと思いますか?
今回は全部がリード曲だっていうようなイメージで作ることができたと思います。前作の「君のバンド」はリード曲の「君のバンド」だけ聴いてくれたらいいやっていう思いをどこかに持っていたんですけど、作品の隅々まで自信を持てる1枚ができたことがうれしいですね。
──では最後に、今後の活動についての思いを聞かせてください。
この作品を受け入れてもらえるかっていうことがまだ不安なので、まずはみなさんにしっかりと作品を届けられるようにがんばってお薦めしたいです。あと、2月のワンマンライブを成功させないと前に進めないと思っているので、そのライブを成功させたいですね。
──ちなみに、メディアでの顔出しについては考えていますか?
そのうちやりたいんですけど、具体的なことは全然考えていないです。いつか面白い見せ方をしたいんですけど、それまでの時間が長ければ長いほど楽しくなるかなって(笑)。まだまだ早いんじゃないかなって思ってます。
収録曲
- あたしを彼女にしたいなら
- トーキョー
- 最終電車
- シティーガール
- シュシュ
「上京女子がゆくバンドツアー」
- 2016年2月7日(日)宮城県 FLYING SONN
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月10日(水)愛知県 名古屋栄TIGHT ROPE
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月11日(木・祝)大阪府 FANJ twice
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月12日(金)福岡県 Queblick
- <出演者> コレサワ / and more
「上京女子がゆくバンドツアー」ファイナル
コレサワ ワンマンショー「コレシアター 02」
- 2016年2月18日(木)東京都 WWW
コレサワ
大阪出身の女性シンガーソングライター。日常の風景を独自の視点で切り取ったポップなナンバーを得意としている。2012年に「SUMMER SONIC」の「出れんの!? サマソニ!?」ステージに出演。2014年、ミニアルバム「憂鬱も愛して」をライブ会場限定でリリース。同年11月にはワンマン公演「コレシアター」を東京・Star loungeで実施した。2015年4月に、初の全国流通盤であるミニアルバム「君のバンド」を発表。8月にテレビ東京「廃墟の休日」エンディングテーマに使用された「シュシュ」を配信リリースした。12月には2ndミニアルバム「女子、ジョーキョー。」を発表。2月からは5都市を回るライブツアーを実施する。