音楽ナタリー Power Push - コレサワ
上京女子の状況 コレサワの現状
シンガーソングライターのコレサワが12月16日に2ndミニアルバム「女子、ジョーキョー。」をリリースする。
今作はコレサワの初の全国流通盤「君のバンド」以来8カ月ぶりに発表されるCD作品。キャッチ―なリード曲「あたしを彼女にしたいなら」をはじめ、作品には“上京した女子の状況”を歌った5曲が収録された。
このミニアルバムのリリースを記念して音楽ナタリーではコレサワにインタビューを行い、これまでの8カ月の活動から新作に至るまで、今のコレサワの状況について話を聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 小坂茂雄
ちゃんと届いているんだ
──今年の4月に初の全国流通盤「君のバンド」がリリースされて、8カ月が経ちました。9月にライブを拝見したとき、以前に増して女性らしい柔らかな佇まいになったな、と感じたのですが……。
それ、ほかの方何人かにも言われたんです。自分で言うのはすごく恥ずかしいんですけど、「女性らしくなった」って……。
──そう思いました。
わー。なんか恥ずかしいですね!(笑)
──何か変化があったのかな?と感じたので、まずは「君のバンド」をリリースしてから今までの活動を振り返っていただければと思います。8カ月の中で特に印象的だった出来事はありますか?
そうですね。全国流通盤をリリースしたことで、有線やラジオで初めて自分の曲を流してもらえたことがすごく思い出に残っています。たとえば「ラーメン屋さんで『君のバンド』が流れて気になって、今日観に来ました」ってライブに来てくれた人がいたりして、「ちゃんと聴いてくれている人がいるんだ、届いているんだ」って実感することもできたんです。
──そうなんですね。
自分も有線やラジオを聴いて「この曲気になるな」って思うことはあるけど、そこからTwitterのアカウントをフォローしよう、CDを買おう、ライブに行こうといったような行動に移すことはなかったので、ライブに来てくれたっていうことがすごくうれしくて。
──コレサワさんの楽曲のメロディや歌声が耳に残りやすいのかもしれないですね。
そうだったらうれしいです。あとは歌詞にひっかかってくれる方が多いみたいで。歌詞についての反応をもらうことが一番多いです。
──具体的にはどんな感想をもらうんですか?
「君のバンド」だと、「私も今応援してるバンドがあるけど売れてないんです。この曲を聴いて共感したから、コレサワさんのライブに来ました」っていう言葉をもらったり。
──そういった反響の大きさを、コレサワさんご自身はどのように受け止めていますか?
「君のバンド」を出す前までは自分の曲をたくさんの人に届ける術が自分ではわからなかったので、有線やラジオを通してたくさんの人の耳に自分の曲が届くことがとにかくうれしいです。なので、今回の「女子、ジョーキョー。」のレコーディング、すごく楽しかったんですよ! 「君のバンド」のときはただマイクに歌っているだけといった感覚だったんですけど、自分の歌が「届くんだ」ということがわかったので、マイクの向こう側にいる人たちのことを意識して歌うことができたんです。
遠慮はしない
──そうなんですね。ちなみにコレサワさん、メディアに出るときは顔を出さないじゃないですか。初めてコレサワさんのライブに来てくれる人から、素顔について反応をもらうことはありますか?
あはは、もうこれは本当に申し訳ないんですけど……「かわいい」って褒めてくれる人がいらっしゃるので、すごく照れます。「顔がかわいい」っていう意味じゃなくて、ライブで動いてる雰囲気などを含めてそう思っていただけるのかなと受け止めているんだけど、とにかくがっかりさせてなかったらいいなって(笑)。
──最初に「より女性らしくなった」ということをお伝えしたけれど、自分自身で感じているような変化はありますか?
表向きには顔を隠しているから、ライブに来てくれる人は「コレサワってどんな子なんやろう?」っていう期待感があるわけじゃないですか。だから「お肌はきれいにしよう」と思って毎日パックをしてみたり、ライブで体をたくさん動かしてはしゃぎたいからジムに通い出したりだとか……そういう努力をするようになりました。あとは最近余裕ができてきて、自分のやりたいことがなんとなく見えてきたり「恋がしたいな」って思えるようになってきたんです。そういう余裕を持てるようになったのは、変わったところだと思います。
──やりたいことというのは?
曲を作って、いろんな場所に行ってライブをして、おいしいものを食べて(笑)……っていうことですね。あと、「君のバンド」のときよりも自分の音楽活動に責任感を持てるようになったっていう変化もあります。自分がやりたいことに協力してくれるスタッフさんがいるっていう安心があるけれど、それと同時に、自分を支えてくれるスタッフさんがいるからこそ、私ががんばらないといけない。プレッシャーもあるけど、そのプレッシャーが自分を奮い立たせているっていうか。自分がちゃんとすればするほどいいものができるし、言いたいことを言えば言うほどスタッフさんから面白い意見も出てくるから遠慮はしないって決めたし、一緒にやってくれる人たちとの距離も近くなったのかなって気がします。
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収録曲
- あたしを彼女にしたいなら
- トーキョー
- 最終電車
- シティーガール
- シュシュ
「上京女子がゆくバンドツアー」
- 2016年2月7日(日)宮城県 FLYING SONN
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月10日(水)愛知県 名古屋栄TIGHT ROPE
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月11日(木・祝)大阪府 FANJ twice
- <出演者> コレサワ / and more
- 2016年2月12日(金)福岡県 Queblick
- <出演者> コレサワ / and more
「上京女子がゆくバンドツアー」ファイナル
コレサワ ワンマンショー「コレシアター 02」
- 2016年2月18日(木)東京都 WWW
コレサワ
大阪出身の女性シンガーソングライター。日常の風景を独自の視点で切り取ったポップなナンバーを得意としている。2012年に「SUMMER SONIC」の「出れんの!? サマソニ!?」ステージに出演。2014年、ミニアルバム「憂鬱も愛して」をライブ会場限定でリリース。同年11月にはワンマン公演「コレシアター」を東京・Star loungeで実施した。2015年4月に、初の全国流通盤であるミニアルバム「君のバンド」を発表。8月にテレビ東京「廃墟の休日」エンディングテーマに使用された「シュシュ」を配信リリースした。12月には2ndミニアルバム「女子、ジョーキョー。」を発表。2月からは5都市を回るライブツアーを実施する。