音楽ナタリー PowerPush - 外務省 presents 僕らが世界にできること

スチャダラパーが考える国際協力

いろんな国のことを知ると、自分が学ぶべきところも見えてくる

──これまで海外に行って、実際に国際協力が必要とされていそうな状況を目の当たりにしたことってありますか?

ANI 昔、ネパールに行ったときに、貧しいエリアはやっぱりすげえ貧乏で、びっくりしました。カトマンズでも道が舗装されてない、野良犬がうろうろしてるようなとこがあるし。軽い気持ちで遊びに行ったんだけど、けっこうショックな体験だった。それまでは海外旅行っていっても都市にしか行ってなかったんだなって。

Bose とはいえ、そういう場所でもお金持ちはやっぱりお金持ちでね。ギャップもすごいんだよね。

SHINCO iPhone持ってる人もいたりしてね。意外と携帯は普及してるし。

ANI

ANI カトマンズはヒマラヤに行くための玄関口みたいな場所だし、ほかの国からも人が来るから、ちょっと日本語しゃべれる奴もいるんですよ。ガイドして金をだまし取るような(笑)。で、そいつといろいろ話してたんだけど、軽い気持ちで「そんなに話せるなら日本に来たらいいじゃん」って言ったら「渡航費が高過ぎてそんな簡単に行けねえんだよ!」って言われて。まあそうだよなって思いましたよ。

──ODAはほとんど海外で行われているから日本にいたままだと成果がわかりづらいし、かといってもし海外旅行をしたとしても、結局観光地に行くことがほとんどだろうから貧困などの問題はリアルなものとして見えてこないかもしれませんね。だからこそ今回の番組やイベントを企画して、多くの人に現状を知ってもらう機会を作るのはいいことだなと思いました。

SHINCO そうね。テレビっぽい面白さで、わかりやすくね。

Bose いろんな国のことをちゃんと知ると、自分たちが学ぶべきところも見えてくるよね。

ANI 日本で暮らしてると普通だと思ってたことだけど、よく考えたらそれ絶対普通じゃない、みたいなことがわかったりする。ほかの国の違う風習に触れるのはいいことですよ。

Bose 僕がタイに行ったとき、マンガ家のタムくん(ウィスット・ポンニミット)のうちに遊びに行かせてもらったんですよ。バンコクで遊んでるぶんには知りえないけど、現地の人の目線で見ると全然違うんです。「こっち側は貧乏な地帯」「このへんから先に入ると危ない」みたいなのがあって。

ANI バンコクは大阪より都会だって言われてますからね(笑)。

Bose あそこは貧富の差がすごくて、お金持ちの人はずーっとお金持ちで、道端に立ってるおじさんは何代前の先祖も道端に立ってたみたいなことらしくて。日本はまだそこまでわかりやすくはないけど、もしかして遠くない未来なのかな、みたいな感じがあったんだよね。

──これは他人事じゃない、っていう。

Bose それはすごいあるよね。「日本も人んちのこと言ってる場合なのかな?」みたいな(笑)。

ANI もちろん開発途上国への協力もしつつ考えるべきだけど、ホント国内は国内で大変だもんね。だから「ODAはバラまきすぎなんじゃないか?」みたいなことを言われちゃったりするわけで。

国際協力ちょっといい話クイズ 第3問

バングラデシュ市民の足となって活躍するバスには、日本の国際協力によってあるものが導入されています。日本ではおなじみの、その“あるもの”とは?

※正解は特集ページの最後に記しています。

「スチャダラパーみたいな人」を見逃す世界になってほしい

──今回の一連の企画は「僕らが世界にできること」っていうタイトルになってますけど、今自分たちが世界にできることってなんなんでしょうね。

Bose 僕らは20数年間、なんだかんだでダラダラとこういうことを続けてこれたんですけど、歳をとるにつれてわかったのは、同じようにこういう感じでやってる人って意外と世界中にいるってこと。「スチャダラパーみたいな人っているんだな」って。

ANI あー、わかる(笑)。

Bose 別に音楽に限ったことじゃないんですよ。なんて言ったらいいかな……。国際協力とかと全然関係ない話になっちゃうんだけど、例えば和食屋にごはんを食べに行ったときに「うわ、このミョウガの切り方、ホントちゃんとしてんなー!」ってビックリしたことがあったんです。たいして高くもない店なのに、すっげえ細くちゃんと切れてて、食べやすくて。こういう仕事をする人とは気が合いそうだなーって思ってたら、最後にお勘定するときに板さんが「ずっと曲聴いてましたよ」って言ってくれて(笑)。ミョウガの切り方で「僕の感じと似てる」ってピンときたのはすげえなと思ったけど(笑)、日本の話に限らずけっこう世界でもそういうことあるんですよ。

ANI そんな人は数パーセントだけどね(笑)。

Bose そうそう。少ない少ない(笑)。

SHINCO まあね。マイノリティかもしれないけど、そういう人に会うことあるね。

Bose 何が言いたいかっていうと、「スチャダラパーみたいな人」の考え方とか、生き方もあるんだっていうのを、世界中のみんなにわかってほしい(笑)。なるべく働かないように最小限の力でがんばってるような、そういう人をなんとか見逃してくださいよ、みたいな。世界中がそういう世の中であってほしい(笑)。

スチャダラパー

ANI そういう人だけの国が1個くらいあってもいいかもね。

SHINCO そんなことになったら戦争とかなくなるぜ。

Bose 誰も争わないからね(笑)。普通の感覚で考えたらさ、他人からぶんどってまで自分の取り分を増やしたい人って、ホントはすごい少ないと思うんです。

SHINCO 「ほどほどでいい」って人がほとんどなはずなんだよね。

Bose 腹いっぱいごはんを食べたいって思うことは誰でもあるけど、食いきれないほどたくさん欲しい人ってのは、あんまりいないはずで。

ANI 別に支配したいわけでもないしね。ただまあ、実際は宗教が違うからとか、紛争の原因はいろいろあるんだと思うけど。お互い正しいことをしてるつもりだからどっちも引かない、みたいな。それで1000年くらいもめてたりするから、すぐ今日明日でどうにかなる話でもないし。

Bose でもそれも結局、お互いの思いをうまく翻訳できてないってだけな気がするんだよね。根本的にはみんな言ってること一緒なはずなんだから。ほかの国のことを理解し合うことで少しずつ解決につながるんじゃないかな。

国際協力ちょっといい話クイズ 第4問

現在、世界には紛争などで故郷からの避難を余儀なくされている人は何人いるでしょうか?

※正解は特集ページの最後に記しています。

国際協力ちょっといい話クイズ 答え

1. 13カ国
2. 米。「マウントフジ・ライス」という名前でコシヒカリが栽培されている。
3. ICカード
4. 4500万人以上

ニコニコ生放送 / TOKYO MX「僕らが世界にできること」
ニコニコ生放送 / TOKYO MX「僕らが世界にできること」収録の様子。

2014年10月3日(金) 19:00~20:00(終了)

出演者

司会:堀潤 / 高橋真麻
スチャダラパー / 中孝介 / ケラケラ / ROOT FIVE / Yun*chi / 澤部祐(ハライチ) / たかまつなな / 小島瑠璃子 / 春香クリスティーン / TEMPURA KIDZ

内容

「国際協力60周年」を記念して、日本の外務省が初めて企画した情報バラエティ番組。出演者が国際協力に関する「ちょっといい話」を自分の言葉でわかりやすく説明した。またTEMPURA KIDZ、たかまつななが開発途上国に訪問し、自分ができる国際協力に挑戦した。

ライブイベント「『僕らが世界にできること』音楽篇 音楽でも国際協力(ODA)生ライブ」
「『僕らが世界にできること』音楽篇」

2014年10月17日(金)東京都 ニコファーレ(終了)

出演者

スチャダラパー / 中孝介 / 住岡梨奈 / chay / Yun*chi / TEMPURA KIDZ / 堀潤 / ROOT FIVE(koma'n、蛇足、みーちゃん) / 春香クリスティーン / たかまつなな / 城内実(外務副大臣) / 荒木要(外務省国際協力局政策課企画官)

内容

「僕らが世界にできること」の番組中で出演者たちが「音楽で国際協力を盛り上げるイベントをやろう」と提案したことから開催されたイベント。番組に出演した面々のほか、企画に賛同したchay、住岡梨奈がライブを繰り広げた。会場の様子はニコニコ生放送で生中継され、視聴者数は番組終了までに10万を突破した。

国際協力のことがどこよりもわかりやすく学べるコンテンツが充実。世界一わかりやすく国際協力を伝えるサイト「#Earth Action Studio Japan」
クドっち

今、国際協力の中で活躍している人々や、現在行われている国際協力のイベントを分かりやすい コンテンツで毎日伝えています。また、EARTH ACTION STUDIO JAPAN女性キャスターによるニュース動画も同時にアップしています。

スチャダラパー
スチャダラパー

1988年にBose、ANI、SHINCOによって結成されたヒップホップチーム。1990年にアルバム「スチャダラ大作戦」でメジャーデビューし、1994年に発表した小沢健二とのコラボシングル「今夜はブギー・バック」が大ヒットを記録する。デビュー20周年を迎えた2010年にはベストアルバム「THE BEST OF スチャダラパー 1990~2010」をリリース。日本のヒップホップシーンを牽引する存在として、多くのアーティストからリスペクトされている。