ナタリー PowerPush - knotlamp

苦難の先に広がる地上絵「Geoglyph」は新たな原点

地上絵は夢を捨てずにがんばった人へのご褒美

──アルバムのタイトル「Geoglyph」は地上絵という意味ですが、どういうタイミングで付けたもの?

全部できて曲順も決まって最後に付けたんです。全部が見えたときにこのタイトルだって。

──このタイトルにはどういう気持ちが込められているんでしょう?

ライブ写真

前のメンバーが抜けて正式メンバーが決まるまで、やっぱりかなりキツかったんです。いろんなことに耐えなければいけない苦しい時期だった。いろんな壁にぶつかったし、メンバーもどっかで希望を失ってたしテンションが低くなってしまうこともあったし。メンバー各々、バンドに対しても自分自身に対しても考えて悩んで。その中でちょっとでも希望を持ちたいって過ごしてきて。MAHIROが正式メンバーになって一丸となれたんですけど、本当にそれまでは辛い時間を過ごした。そういう時期を経て今作を作り終えてわかったことは、がんばらないと見えないものがあるんだってこと。自分と闘って乗り越えて、そして初めて見える風景があるんだってこと。そういう素晴らしい風景はがんばらなければ見えないし、がんばれば絶対に見えるんですよね。僕らは乗り越えて、4人でもっと高く飛ぼうって決意して、飛び上がったときに地面を見下ろしたら地上絵が広がっていた。それって普段は足元にあるものかもしれないけど、飛び上がらなければ見えないものですよね。僕らは飛び上がって地上絵を見ることができたし、それはみんなだってできるんだよってことを伝えたかった。それで付けたタイトルです。

──地上絵に描かれていたのはknotlampの足跡かもしれないですよね。飛び上がって見下ろしたら、自分たちはちゃんと足跡を残していたって。

ああ、そうですね。今までの足跡が絵になっていた、形になっていたっていう。あとね、地上絵って空から見ないとわからないですよね。つまり人類が空を飛ぶ夢を捨てなかったから見えたもので、夢を果たしたからこそ気付いたものですよね。だから夢を捨てずにがんばった人へのご褒美のようなものだと思うんです。

──ですね。がんばれば道が開ける可能性は絶対にある。

去年はメンバーが定まらなかったり、作品を作るという以前に考えなければいけないことがあって。まずメンバーが1人でも抜けるってことはバンドにとっては解散と同じぐらい大変なことだし、そこからまた続けていくっていうのはすごくパワーがいることで。でもそれを乗り越えられたっていうのが自信になったんです。MAHIROもすごくがんばってくれて感謝してるし。ホントにね、去年は今の状況が想像できないぐらい目の前に問題がいっぱいで。それを乗り越えられたのはバンドにとって財産ではあるんですけどね。

新しい僕らの新しい原点

ライブ写真

──7曲目の「Eternity」は苦しみを描いた上で前へ進もうとしている歌詞だし、8曲目の「Prometheus」は矛盾や葛藤を描きつつ攻撃的に突き進んでいく歌詞だし。苦しい時期の気持ちが出ているんでしょうか?

出てますね。それだけをテーマにしたわけじゃないけど、「負けない」って気持ちはいつも自分が持っているものなんで、それが出てきたんでしょうね。

──それはKEITさんにとって永遠のテーマのようですしね。

僕は言いたいことは変わらなくて。「前を向いて進んでいこう」ってことだけを言っていきたいわけで。それを表現を変えて出しているんですよね。

──うん。今作、これぞknotlampっていう作品であると同時に、新しいknotlampを作り上げることができた作品ですね。

そうですね。さっきと同じことになりますが、新しい僕らの新しい原点ですね。だから新しいリスナーも入りやすいと思うし、ここからさらに広がっていく、そういうアイデアも散りばめられている作品になったと思います。

──で、やっぱり早く次の作品を作りたいと(笑)。

ですね(笑)。でももちろん、ライブも楽しみですけどね。僕らが作った世界をみんなが共感してくれたらうれしいし。

──あ、それじゃ、共感してもらえるのはうれしいことだけど、共感してもらうことが最初の動機ではないわけで。

そうですね。まず僕らは自分たちがやりたい音楽を全力で作って表現していくことが最初の動機で、だからこそ、それに共感してもらえたらうれしいわけで。やっぱりやりたいことを全力でやることが一番だと思うんです。僕が一番喜びを感じるのは、いい歌ができたときなんです。10代の頃、初めていい歌だと思える曲を作ったときの喜びが、今でも最高の喜びの瞬間として残っていて。それと同じぐらいの喜び、それ以上の喜びを求めて続けている面があって。だって10代の頃はリスナーなんかいなかったし認めてくれる人もいなかった。それでもいい歌が作れたのは自分にとってすごく大きいことで。あのときの喜びは何にも変え難いし忘れちゃいけないと思うんです。僕は自分のメロディに自信があるし、それがあるから多くの人に聴いてほしいんですよ。

ツアー情報

knotlamp「Geoglyph TOUR 2012」

  • 2012年10月18日(木)岡山県 岡山CRAZY MAMA 2nd ROOM
  • 2012年10月19日(金)兵庫県 神戸太陽と虎
  • 2012年10月21日(日)岐阜県 岐阜CLUB ROOTS
  • 2012年10月23日(火)石川県 金沢AZ
  • 2012年10月24日(水)新潟県 新潟GOLDEN PIGS BLACK
  • 2012年10月26日(金)岩手県 盛岡CLUB CHANGE WAVE
  • 2012年10月28日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2012年10月30日(火)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
  • 2012年11月1日(木)群馬県 高崎Club FLEEZ
  • 2012年11月3日(土・祝)千葉県 千葉LOOK
  • 2012年11月4日(日)神奈川県 横浜Baysis
  • 2012年11月6日(火)茨城県 水戸LIGHT HOUSE
  • 2012年11月8日(木)宮城県 仙台MACANA
  • 2012年11月15日(木)広島県 広島Cave-Be
  • 2012年11月17日(土)香川県 高松DIME
  • 2012年11月18日(日)徳島県 徳島club GRINDHOUSE
  • 2012年11月20日(火)滋賀県 滋賀U★STONE
  • 2012年12月5日(水)大阪府 梅田Shangri-La
  • 2012年12月7日(金)愛知県 名古屋池下CLUB UPSET
  • 2012年12月9日(日)東京都 WWW
  • 2012年12月16日(日)福岡県 福岡DRUM SON

ニューアルバム「Geoglyph」2012年9月19日発売 IMPERIAL RECORDS

収録曲
  1. Across my world
  2. Westerlies
  3. 理想飛行船
  4. Back to ZERO
  5. Depression’s Dance
  6. Evil Whisper
  7. Eternity
  8. Prometheus
  9. Live my life
  10. On Your Way Home
  11. Last moment
初回限定盤DVD収録内容
  1. Across my world(Music Video)
  2. Live my life(Music Video)
  3. Across my world(メイキング)
  4. Live my life(メイキング)
  5. 『Geoglyph』メンバースペシャルインタビュー
  6. 「Across my world TOUR 2012」代官山UNITドキュメント
knotlamp / Live my life
knotlamp/Across my world
knotlamp(のっとらんぷ)

2007年にLD&K Recordsより1stミニアルバム「Blind Side」をリリース。数多くのロックフェスやライブイベントに出演し、メロディアスな楽曲と強力なライブパフォーマンスで注目を集める。メロディックパンクシーンを牽引する存在としての期待が高まる中、2010年9月7日に2ndフルアルバム「Dot of the Galaxy」を発表。2011年8月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011」ではWING TENT最終日のトリを務めた。2012年1月にはMAHIRO(G)が正式メンバーとして加入し、6月6日にImperial Records移籍第1弾となるニューシングル「Across my world」(NHKアニメ「銀河へキックオフ!!」テーマソング)を発表した。9月19日には新体制となって初のフルアルバム「Geoglyph」をリリース。