ナタリー PowerPush - knotlamp
新体制で心機一転 4人で次のステージへ
knotlampのニューシングル「Across my world」が完成した。本作はサポートメンバーとして参加していたギターのMAHIROが正式メンバーとなってから初の作品であり、レーベル移籍第1弾、そしてタイトルチューンはNHK総合のアニメ「銀河へキックオフ!!」のオープニングテーマでもある。メンバーが揃った喜びのせいだろうか、勢いに満ちたknotlampらしいものになっている、と思いきや最後の曲ではこれまでにない新境地も見せているのだから、次への期待も高まるシングルだ。メロディックパンクバンドという印象があるかもしれないが、今作にはより広い世界を見据える彼らの姿が確かにある。
KEIT(Vo, G)とAKIHIKO(Dr)に、待望の新作について話を訊いた。
取材・文 / 遠藤妙子
「あなたの人生を、もっと拘束させてください」
──本作は、サポートメンバーだったギターのMAHIROさんが正式メンバーとなってから初の作品ですね。
KEIT(Vo, G) そうです。MAHIROは1年ぐらい前からライブにサポートとして参加していたんですが、音源での参加は今作が初で。前作「Bridges We've Dreamed」はギターを全部僕が弾いて3人でレコーディングしたんですが、MAHIROが正式メンバーになったので今作は4人で制作しました。
──サポートメンバーから正式メンバーになったのは自然な感じ?
KEIT サポートの頃から正式メンバーになるだろうと思ってたんで自然ではあるんですが、でも正式メンバーになってやっぱり変わりましたね。気持ち的に変わった。なんかね、結婚と似てるんですよ(笑)。ずっと恋愛関係ではあったけど改めて正式に夫婦になった感じ。紙1枚の重さみたいなものをすごく感じました(笑)。
──けじめというか。あ、けじめって言うとちょっと変か(笑)。
AKIHIKO(Dr) できちゃった婚みたいですね(笑)。
KEIT でも確かにけじめみたいな感じはありました。やっぱりちゃんとプロポーズしようと(笑)。前作のツアーを終えた頃、プロポーズしたんですよ(笑)。
AKIHIKO 肩書きが変わったからって関わり方が変化したってことはないんですが、なんか違うんですよ、重みが。
KEIT MAHIROも正式メンバーになるのがどういうことか、わかって返事をしたと思いますから。
──ズバリ、正式メンバーになるってことは、どういうことなんでしょう?
KEIT 「あなたの人生を、もっと拘束させてください」って(笑)。
──ああ、なるほど。つまり正式メンバーって、例えばツアーのことだけを考えるんじゃなく、人生や未来も見据えて共にやっていこうってことで。
KEIT そうです。今までも「サポートだからこれ以上は関われない」ということはなかったんですが、やっぱりどこまでknotlampに関われるか、knotlampをどう考えてるかって、意思確認のような話し合いをして。そしたらMAHIROから「もっと上を見ていきたい、一緒にやっていきたい」って答えが返ってきて。
AKIHIKO それこそ結婚ですよね。だから今までと変わらないんですが、改めて言葉にして確認したのはすごく良かった。
曲作りのやり方は今までと変わらない
──音楽的な面で合致したのはどういうところでしょうか。
KEIT 僕の曲をすごく好きだと言ってくれて。僕の曲を惹き立てる役がしたいって。やっぱり曲が好きだと言ってくれたのはデカイですね。
──MAHIROさんはキャラクターとしてどういうタイプ?
KEIT 天然ですね(笑)。
AKIHIKO もちろん熱いところもあるし。柔軟なところもあるんですよ。
KEIT 学ぼうって意志がすごくあるんですよね。だからどんどん吸収して。
──今作を聴いてもギターの絡みとか面白いし、KEITさんは楽になった気がする。いや、楽って言うとなんですけど(笑)。
KEIT いやホント楽ですよ。気持ち的にも楽だし。
──そこでね、KEITさんって完璧主義のようにも感じるんですが……。
KEIT あ、そうですね。完璧主義というと偉そうだけど、そういう面は強いと思います。
──そのへんで、ご自分の性質とどうバランスをとったのかな?って。
KEIT だからこそ自分のことに集中できるというか。MAHIROに任せるとこはドンと任せられますから、自分が集中すべきとこに集中できるようになりましたね。で、そういう空気感は今作にも反映されていると思います。僕が曲の原型を作るという曲作りのやり方は今までと変わらないんですよ。ただ細かく指示を出すんではなく、任せるとこは任せて。MAHIROのギターはクオリティ高いから任せられますしね。僕には考えつかないギターを弾くし。
──それはどういう?
KEIT やたらライトハンドする(笑)。
──ハードロック好きなんだ。
KEIT そうですね。ハードロックやハードコアを通ってきた人なんで。でも正直、この4人で作った最初の作品なんで、理想どおりってことではないんですけど。理想はずっと先にあるものだし。今は各々が持っているものをすり合わせて、knotlampの価値観を見つけていく段階で。それは繰り返し繰り返しずっとやっていくことで。それがまた楽しいんですよね。
収録曲
- Across my world
- Unbeaten path
- Back to Zero
- 時の行方 -meets classic-
「Across my world」PV
knotlamp
「Across my world TOUR 2012」
- 2012年7月3日(火)
- 大阪府 梅田Shangri-La
OPEN 18:30 / START 19:00
ゲスト:B-DASH / FATPROP - 2012年7月5日(木)
- 愛知県 名古屋池下CLUB UPSET
OPEN 18:30 / START 19:00
ゲストあり - 2012年7月6日(金)
- 東京都 代官山UNIT
OPEN 18:30 / START 19:00
ゲストあり
料金:前売 2800円 / 当日 3300円(全公演共通・ドリンク代別) 発売中
knotlamp(のっとらんぷ)
2007年にLD&K Recordsより1stミニアルバム「Blind Side」をリリース。数多くのロックフェスやライブイベントに出演し、メロディアスな楽曲と強力なライブパフォーマンスで注目を集める。メロディックパンクシーンを牽引する存在としての期待が高まる中、2010年9月7日に2ndフルアルバム「Dot of the Galaxy」を発表。2011年8月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011」ではWING TENT最終日のトリを務めた。2012年1月にはMAHIRO(G)が正式メンバーとして加入し、6月6日にImperial Records移籍第1弾となるニューシングル「Across my world」をリリース。