何に対してブサイクか

──「4人でCD出そうよ」と言われたとき、率直にどう思いましたか？

千賀　いや、うれしかったよね。名前を聞くまでは。

宮田　めっちゃうれしかった。

二階堂　うん、普通にうれしかったですね。

──歌詞には「僕たち四人で大丈夫なのか？」というフレーズもありますが。

宮田　それも思いましたよ。ドッキリなんじゃないかとも思いましたし。けどやっぱりうれしいっていうのが一番でした。

千賀　前の3人はCDは出してないからね。

二階堂　疑う前にうれしさが勝っちゃったね、俺は。

──そんなところに「舞祭組」というユニット名も言い渡され、さらに衝撃を受けたと思います。まず「キスマイBUSAIKU!?」という番組自体、インターネットで「キスマイ」と検索すると第2ワードに「ブサイク」と出てくることを皮肉に取り、それを覆すために命名されたタイトルなわけですが、今でもブサイクと言われるのはやはり嫌ですよね？

宮田　もちろんブサイクは嫌ですよ。でも……。

横尾　何に対してブサイクかですよね。中身がブサイクなのか、見た目がブサイクなのか。それはたぶん見る人が決めることであって。あの番組は、7人全員どこかしらにブサイクな部分がある、そこを直していこうっていう企画だと思うんです。まあ、（グループ名が舞祭組になったのは）3人より俺ら4人のほうがそのブサイクさが多かったっていうことだと思いますね。

宮田　うん（笑）。

千賀　なんか、番組を1年ちょっとぐらいやってて、ブサイクっていう言葉に慣れてきちゃったところはあるんですよね……。なじんできたというか。

横尾　うん。聞き慣れちゃいましたね。

二階堂　毎日聞いてるもん、ブサイクって。まあ、これでいじめ問題は減るだろうな。

──え？

二階堂　ブサイクっていう言葉のイメージが変わりましたよね。

千賀　例えばこの曲をちっちゃい子たちがマネしてくれるとして、カッコいい子よりブサイクな子がやったらヒーローになれるようなね。そういう活躍の仕方をしてくれたらいいなあ。

中居さんが僕たちの気持ちを書いてくれた

──「棚からぼたもち」を初めて聴いたときの印象はいかがでしたか？

横尾　初めて聴かせてもらったとき、中居さんと一緒だったんですよ。みんなで打ち合わせしているときに、中居さんが「できたからとりあえず聴いて」と言って、僕らがどう思ったか感想を聞いてからテーマ的なことをお話されたんです。僕は一発目を聴いたときは「なんて歌詞だ」って思いましたけど。

千賀　俺はその場に対して緊張しすぎて、一発目はあんまりなんかこう……。

二階堂　「すごいですね」しか言えなかった（笑）。

宮田　あはは（笑）。俺も。

千賀　でも中居さんがすごく僕たちの気持ちを読み取って書いてくれたので、すげえなと思いましたね。だって僕たちとバラエティとかで数回共演しただけなのに、4人ともみんながみんな共感した歌詞だったんで。

二階堂　なんでこの歌詞書けたんだろうって。

千賀　そう。どういうところで僕たちのことを見てたんだろうって思いました。

横尾　中居さんは「100％、いや、それ以上完璧に俺は作ったからあとはおまえら次第だ」っていう一言をくれて。僕らは全部受け入れてやるしかないですよね。

千賀　なんかこの曲の歌詞って、ネガティブな部分とポジティブな部分の割合がすごくバランスよく出ていて。僕たち、前の3人に対しては確かにこう思ってるし、自分でも悲観的な部分があるけど、「でも俺らいないとおまえら輝けない」っていうハングリー精神みたいなものも心のどこかにあったりするんです。そういうのがなんでわかるんだろうって不思議な感じでしたね。

横尾　僕たち4人の心も言ってると思いますし、違う世界にも同じような気持ちを持ってる人がたぶんたくさんいて、それを考えた中居さんはすごいなって思いました。やっぱりいろんなところに目をやらないとできないことだし、みんなが共感できるような曲になった気がします。

──この曲をパフォーマンスする上でのポイントはありますか？

宮田　一生懸命全力で!!っていう一言ですね（笑）。

横尾　1曲歌ったら本当に倒れるぐらいの力でやることですね。

二階堂　うん。手抜いたらすぐわかるんで、とにかく全力でやることが一番のポイントかなと思います。

千賀　なんでも、全力でやることに難しさを感じることも多いと思うんですよ。そういうときはこの曲とか僕たち4人を見て全力っぷりが伝わってくれたらいいなと思いますね。

原点に戻れって言われてる感じ

──ジャニーズのアイドルといえば、一般的にキラキラしていてカッコよくてかわいくて笑顔で……というイメージがありますが、スーツを着てがむしゃらに歌い踊る舞祭組は斬新な存在ですよね。自分たちは、カッコいいアイドルの枠内にいなくてもいい？

千賀　でも、カッコいいアイドルでいたいからこういう歌詞ができた気はします。新しい道を切り拓けたっていう部分では、僕たちが第一人者になれたらすごいことだし、時代は変わりつつあるので、その中でジャニーズの新しいプロジェクトを僕たちがやれたっていうことはどこかで誇りに思っています。

二階堂　新たなジャンルだよね。

横尾　例えばSMAPさんからバラエティもやるようになったように、たぶんジャニーズのアイドルって特有のものがあって、新しいことをたくさんやってきたと思うんですけど、その中でまた一歩違うところに行けたのが舞祭組かなって思ってるんです。で、僕はこれを一生懸命やることによって、世間がカッコいいって言ってくれたらいいなと思います。「この4人、名前は『舞祭組』だけど、見た目はカッコいいよ」「やってることはカッコいいよ」って言われたら、それもアイドルだと思います。バラエティで、メイクしてふざけるのも一生懸命やれば“カッコいい”になると思いますし。

──所属タレントである横尾さん自身も「ジャニーズのアイドルは特有のものがある」と感じているんですね。

横尾　なんかほかの事務所のアイドルさんとは違うのかなって僕は思ってます。だからなんでもやるべきなんだろうなって。そしてその中でもすごいことをやってるんだろうなっていう気持ちはあります。

──宮田さんも、このプロジェクトには新鮮さを感じていますか？

宮田　すごい新しいなと思いますね。グループ名が舞祭組っていうのがまず新しいですし、ジャニーズのパフォーマンスってけっこうカッコよかったりかわいかったりするのに、ただただ必死！っていうところが面白味でもあるし。なんか、一生懸命やってる人を見て嫌な気持ちする人ってたぶんいないと思うので、もうひたすら全力でやろうっていう感じですね。

横尾　なんか原点に戻れって言われてる感じですよね。

──「一生懸命やる」という原点に。

横尾　小学生のときとか事務所に入ったときって目の前のことを一生懸命やってたけど、時間が経って慣れてしまって初心を忘れてないかっていう。「ちゃんと昔を思い出してごらんよ」みたいな感じだと思います。

──実際に、今はそれぞれファンもたくさんいて、Kis-My-Ft2としてドーム会場を埋める存在ですからね。

二階堂　でも一生懸命やらないと生き残れないっていう。あはは（笑）。

宮田　来年いなくなっちゃうかもしれないから（笑）。

千賀　意外に崖っぷちで生きてるんです。