辻村豪文
辻村豪文「辻村兄弟が振り返る、キセルの25年」プレイリスト
- 春 / 2ndアルバム「近未来」収録(2002年)
- 春の背中 / ベストアルバム「Kicell's Best 2008-2019」(2019年)
- ねの字 / 1stアルバム「夢」(2001年)
- 覚めないの / 7thアルバム「明るい幻」(2014年)
- 二度も死ねない / 8thアルバム「The Blue Hour」(2017年)
- サマーサン / 5thアルバム「magic hour」(2008年)
- サマタイム / 4thアルバム「旅」(2005年)
- 海ねこと定食屋 / ベストアルバム「タワー」(2005年)
- 青空に / 2ndシングル「雪の降る頃」(2002年)
- 化石生活 / 6thシングル「方舟」(2003年)
- 窓辺 / 5thアルバム「magic hour」
- 山をくだる / 8thアルバム「The Blue Hour」
- エノラゲイ / ベストアルバム「Kicell's Best 2008-2019」
- 夜間飛行(落下ダブバージョン) / 1stアルバム「夢」
- 鮪に鰯 / EP「寝言の時間」(2022年)
- たまにはね / 7thアルバム「明るい幻」
- うしろから来る / 8thアルバム「The Blue Hour」
- 時をはなれて / 7thアルバム「明るい幻」
- 町医者 / 3rdアルバム「窓に地球」(2004年)
- 百年カレンダー / 2ndアルバム「近未来」
- 庭の木 / 4thアルバム「旅」
- ひとつだけ変えた / 8thアルバム「The Blue Hour」
- ベガ / 2ndアルバム「近未来」
- 寝言の時間 / EP「寝言の時間」
- 縁歌 / 配信シングル「縁歌」(2024年)
プレイリストの選曲理由、25年の活動を振り返って
新しいアルバム「観天望気」のなんとなくの雰囲気と、季節柄で選曲しました。
あと特にサブスクだと埋もれてゆきそうなので、個人的に振り返って拙いながらも面白いなぁと思ったものを優先的に選びました。なのでB面臭かなり強めですが、楽しんで頂けたら幸いです。
制作はそれぞれの曲ごとに流れよく作れたものもあれば、大変やったなぁというのもあるのですが、改めて聴き返すとどの曲にも録音したスタジオ(自宅含む)での匂いや景色、その頃の自分や演奏者の人となりが再生される感じがあって、なんだかとても贅沢なことをさせて貰ってるなと思った次第です。ファンタジー系と思われがちかもですが、意外と実際の出来事や実在のものから曲が出来ることの方が多いみたいです。録音時のエピソードとしては、プレイリストにもある「夜間飛行」で構成のまとまり切らなかった自分たちの演奏を、エンジニアのうっちーさんが鋏を片手に「ちょっと待ってて。」とスタジオの部屋にしばらく籠って、テープをチョキチョキと切り貼りして編集したものを聴かせて貰った時の衝撃は忘れ難いです。覗き見てはいけないような雰囲気も相まって一種の超能力かと今も思ってます。
自分にとってキセルの25年はよくやれたなぁに尽きますが、どう思い返しても縁やタイミングに恵まれ過ぎていて、名が体を表すように無賃乗車でここまで来てしまった感も否み切れない今日この頃です。四半世紀の間に思いもしなかった世の中的に大きな出来事が幾つもあり、収拾のつかない方へどんどん加速していってるように感じる昨今ながら、手製の切符で弟と乗り合いで、行けるとこまでは行ってみようという魂胆でいます。
思い出せないくらい変わったものも多々ありそうですが、変わらない大事なものの方がきっと多いと思うので。
今後のキセルについて、読者へのメッセージ
おかげさまで新しいアルバムが完成しました。4月2日リリースです。
手前味噌ながら面白いアルバムだと思っています。こんなのもある、いるで楽しんでもらえたら本望です。アナログも出る予定です。
今後ともなにとぞよろしくお願いします。
辻村友晴
辻村友晴「辻村兄弟が振り返る、キセルの25年」プレイリスト
- 火の鳥 / 1stアルバム「夢」(2001年)
- 口笛 / 1stシングル「ピクニック」(2001年)
- 笑い声 / 4thシングル「ギンヤンマ」(2002年)
- おに / 2ndアルバム「近未来」収録(2002年)
- 柔らかな丘 / 3rdアルバム「窓に地球」(2004年)
- 海ねこと定食屋 / 3rdアルバム「窓に地球」
- 町医者 / 3rdアルバム「窓に地球」
- 花の人々 / 3rdアルバム「窓に地球」
- ペラ子の唄 / 7thシングル「旅と君」(2004年)
- チャーリー / 4thアルバム「旅」(2005年)
- 庭の木 / 4thアルバム「旅」
- イギリス海岸 / 編集盤「SUKIMA MUSICS」(2011年)
- マジック アワー / 5thアルバム「magic hour」(2008年)
- 眠る人 / 5thアルバム「magic hour」
- 緑の日 / 5thアルバム「magic hour」
- 月の庭 / 編集盤「SUKIMA MUSICS」(2011年)
- とおい友達 / 6thアルバム「凪」(2010年)
- ひみつ / 6thアルバム「凪」
- 見上げる亀 / 6thアルバム「凪」
- 星のない夜に / 6thアルバム「凪」
- はなむけ / 6thアルバム「凪」
- 花に変わる / 7thアルバム「明るい幻」(2014年)
- 絵の中で / 7thアルバム「明るい幻」
- 一回お休み / 8thアルバム「The Blue Hour」(2017年)
- きざす / 8thアルバム「The Blue Hour」
※12曲目「イギリス海岸」、16曲目「月の庭」は各サブスクリプションサービスでの配信なし。
プレイリストの選曲理由、25年の活動を振り返って
選曲は僕が歌っている曲や作ったインスト曲、兄弟共作の曲を時系列に集めてみました。
「これ共作やったっけ?」と忘れてた曲や久しぶりで新鮮だった曲、作曲していた当時の部屋の風景なんかも思い出し、なかなか感慨深い選曲となりました。共作はそのまんまの表現ですがお互いの特徴が混ざっているので、キセル濃度高めの曲々かも知れません。因みに「口笛」「柔らかな丘」「花の人々」「とおい友達」「きざす」がそうで、2人同時に歌っている曲も多かったりします。同時ヴォーカルはレコーディング時マイク1本で2人同時に録音する事が多く、音も良い感じに混ざりますが、見た目がヤバイです。久しぶりに聴いて新鮮だったのは「眠る人」。メインテーマの拍子が面白かったのと、そのテーマの作曲中にギターの弦が切れてしまい、切れた足りない和音でこの音階やメロディが出来たことを思い出しました。
足りない事で思いつくアイデアは面白く、そういえばキセルはずっとその足りない感じを大事にしているなぁと、結成25周年が過ぎこれからもまだまだ色んな足りないを楽しんで、工夫して音を作っていきたいと、切れた弦を思い出して改めて思いました。
今後のキセルについて、読者へのメッセージ
今回の選曲は渋めの曲や変わった曲が多く、キセルの濃い部分も結構あるなと思うので(兄さんがどう思うかはわかりませんが)、最新作「観天望気」と合わせてぜひ聴いてみて下さい。今後のキセルに関しては、しばらくは7年ぶりの新しいアルバムを出来るだけ沢山の人に聴いて貰えるよう頑張るのが第一ですが、とにかく楽しむをモットーに、あと兄弟ゲンカは控えめに、これからも良い曲を作っていきたいと思います。
キセル 9th New Album「観天望気」を何卒よろしくお願いします。
公演情報
Kicell New Album「観天望気」Release Tour
- 2025年4月12日(土)岡山県 城下公会堂
- 2025年4月13日(日)福岡県 ROOMS
- 2025年4月19日(土)愛知県 Tokuzo
- 2025年4月20日(日)大阪府 Shangri-La
- 2025年5月24日(土)秋田県 御成座
- 2025年5月30日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- 2025年6月15日(日)京都府 磔磔
プロフィール
キセル
京都府出身の辻村豪文(Vo, G)と辻村友晴(Vo, B, Musical saw)による兄弟ユニット。1999年に結成し、カセットMTR、リズムボックス、サンプラー、ミュージカルソウなどを使用した浮遊感のある音楽性で注目される。2001年にアルバム「夢」でメジャーデビュー。2005年に発売したベストアルバム「タワー」には選曲者として村上隆、佐野史郎、しりあがり寿、細野晴臣、YUKIらが参加し話題に。2006年にカクバリズムに移籍。2008年に「magic hour」、2010年に「凪」、2014年に「明るい幻」、2017年に「The Blue Hour」といったオリジナルアルバムを発表。2019年には2枚組ベストアルバム「Kicell's Best 2008-2019」をリリースした。結成25周年を迎えた2024年は「春隣」「ぐるりと回ってまた始めから」という2本のツアーを開催し、年末にはシングル「縁歌」を発表。2025年4月に約7年ぶりとなるフルアルバム「観天望気」をリリースした。
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