横山健(Ken Yokoyama)×難波章浩(NAMBA69)|Hi-STANDARDのその先へ

ko-hey加入以降のNAMBA69

──一方NAMBA69の新曲は、どういう流れの上にある楽曲ですか?

難波 ko-hey(G, Cho / 2016年6月にNAMBA69に加入)が入ってからのこともあるし、バンド全体で「自分たちらしさは何なの?」っていうのを追求しているときで。やっぱり俺もハイスタ以降の自分を見つめてる時期はあったんですよ。NAMBA69がスリーピースの時代は、やっぱり俺が作ればどうしてもああいう曲になっちゃうわけで。でもko-heyが入ったことによって楽曲の幅が広くなってきた。その幅の1つとしてハードコアやメタルの要素が入ったことがあるんです。今の日本で、メロディックな感じでヘビーに持っていってるバンドってあまりいないなと思って。そこに行けるんだったら、オリジナリティになるかもなと。それが「HEROES」(2017年4月発売)でけっこうできて、その次の「DREAMIN'」(2018年1月発売)でまあまあいい感じになってきた。で、今回どうするか、すげえ考えたんですよ。言ってみたら今作では、今までのNAMBA69のリスナー以外に、ハイスタを好きな人、PIZZA OF DEATH、Ken Bandを好きな人といった新しい人たちが俺らの音楽を聴くわけですよ。その数はすごく多くて。

横山 僕の感想は、ko-heyが入ったことによって、いろんなことがNAMBA69の中で変わったなって。今回はすごく整合性を求めて直球で来たなって思いました。誤解を恐れずに言うと、その辺のジャリが鳴らしている“メロコア”とは全然違いますね。これは僕が聴くからかもしれないけれど、いろんな要素を感じられるんですよ。難ちゃんがどういうものを好きなのかも知ってるし、どういう道を通ってきたかも知ってるし、大体やりたいことも僕はわかるし。NAMBA69でやるべきことがちゃんと曲で表れてて、Ken Bandにない、“ナウさ”をちゃんと持ってるんだと思いましたね。

難波 Ken Bandは発想の面白さとかアレンジとかもそうですけど、やっぱりギターがすごくて。そこがちゃんとバンドに取り入れられてて、みんなで一緒に行こうとしている感じが、ハンパないなと思った。でも比べたときに、やっぱり俺も負けたくないじゃないですか。そういう意味で言うと、今回はやっと並べたなと思いますね。もうちょっと前だったら、完全にやられてましたね。いや、今回めちゃ気合い入れましたもん、実は(笑)。だって、こんなチャンスないですから。

横山 だからね、自分たちで作っておきながら、めちゃめちゃ興味深い音源ですよ。同じバンドをやってる人間が別のバンドをやるとこうなる。それが単純に面白い。僕はリスナーにどう受け止めてもらってもかまわないんですよ。やっぱりハイスタじゃなきゃダメだなっていう人も一定数絶対にいるだろうし。でもそんな人のことを考えてビビってたら、こんな音源作らないし。どう受け止められてもいいんです。ただ聴いてみたら絶対に面白いと思うんですよ。どっちかがハイスタっぽいってことがまるでないから。

ハイスタに勝ちたい

──ハイスタで「THE GIFT」を出して、ツアーをやって、それを経て、逆に自分たちのバンドをやる意義をより強く意識するようになりましたか?

横山健

横山 意識はあります。音楽性には関係ないですけど。去年1年間、まあ苦しい時期もあったけど、曲を作って、ツアーの準備して、ハイスタが想像した以上に楽しかったんです。自分であんな素晴らしいことができたんだって思えちゃうぐらい、この辛口評価の男が「こりゃスゲエわ」って思ったんです。だから自分で「世界一のロックンロールバンド」って言っちゃうんです。だってハイスタでステージに立てば、「誰でも来い!」ですもん。

難波 俺はあまり言わなかったんですけど、客観的にあとで映像を観たら、ハンパなかったんですよ。「ハイスタってこれなんだ!?」ってけっこう食らっちゃって。一番ヤバかったのはツアーファイナルのさいたまスーパーアリーナのときで(参照:Hi-STANDARD、奇跡のツアーファイナルで「これからも生き続ける」宣言)。俺、調子が悪くて申し訳なかったんですけど、健くんがあのライブ、めちゃよかったってずっと言ってたの。俺は怖くて映像とか観れなかったんですよ。でも編集のときに観たら、後半のギターを弾きまくってる健くんがすごすぎちゃって。ちょっと神がかっちゃってたんです。

横山 難ちゃんがあの日調子悪いのはわかってたし。歌ってる本人は気にするんですよ、ピッチとかを。でも僕は何も気にならなかったですね。だってマイクの前から身体が逃げてなかったから。出ないところは「出ないです」って感じで歌ってたんですよ。それが異様に美しくて。

難波 まあ逃げられなかったですね。

横山 僕、あのライブ観て「声出てなかったね」とか「ボーカルがどうだね」なんて言うヤツがいたら、いつでもきれいに歌えるような、別なバンド聴けばいいでしょって思いますね。で、なんの話でしたっけ?(笑)

──そういうツアーを経て、今の意識にはどう反映しているのかという(笑)。

横山 そうだ。それぐらい手応えのあるツアーをハイスタでやって。そのあとでKen Bandの存在意義がないと、周りも、自分も「じゃあハイスタでいいじゃん」ってことになっちゃうと思ったんです。だって、ハイスタって本当に1つのことに対して3人で向かうんですよ。別の角度から、ツネ(恒岡章[Dr])も難ちゃんも僕も、それぞれの視点でそれぞれ話し合って。1つのことを成し遂げることにすごく一生懸命になるんですよ。で、Ken Bandっていうのは、僕が中心でやってるから、正直ほかの3人って僕の動きを待っちゃうんですよ。だから「俺、それじゃ嫌だ」っていうミーティングを夜中のファミレスでしたんです(笑)。そういった意味では、ハイスタの経験がKen Bandにすごく反映されてるし、これからも反映され続けると思いますね。だって僕、ハイスタに勝ちたいですから。Ken Bandをやってる以上。ハイスタのときはハイスタが世界一でいたいし、Ken BandをやるんだったらKen Bandが世界一でいたいんですよ。

難波章浩

難波 Hi-STANDARDは2000年に活動休止していて、結成から2000年までの期間よりも、今はもうKen Bandの活動歴のほうが長いですからね。そういう意味ではやっぱりNAMBA69とは違う部分があるんでしょうね。NAMBA69は駆け上がりの上がっていく段階と言うか。カマせばいいわけだから。守るものもないし(笑)。

──でも健さんもNAMBA69がヤバいと思ったから声をかけたわけですよね。

横山 もちろんですよ。僕もずっと見てきてるけど、ぶっちゃけて話すと、TYÜNK、ULTRA BRAiNを経て、難波章浩-AKIHIRO NAMBA-名義でバンドを始めて、三ちゃん(SAMBU)とK5をサポートに迎えてた頃、スリーピースのNAMBA69に変わって……そこにko-heyが入って、と全部の時代を見てきてますけど、今が一番いいんですよ。僕は情けじゃ声かけないですもん。

「俺、これやるけど、かぶってないよね?」

──3曲中1曲はカバーという縛りはあったんですか?

横山 縛りは僕が考えましたね。面白いんじゃないかなと思って。

難波 お互いがどのカバーをやるのかは、マスタリングのときまでわからなかったんですよ。

──マスタリングのときにお互いの曲を初めて聴いたんですね。

横山 何回か難ちゃんに連絡しようかと思いましたもん。「俺、これやるけど、アーティストかぶってないよね?」みたいな(笑)。申し合わせしておいたほうがいいのかな?とも思ったけど、結局しなかったね。

難波 今回、レコーディングエンジニアがハイスタの「THE GIFT」を録ってくれた人で。Ken Bandが先にレコーディングが終わって、そのすぐあとに俺らがレコーディングだったんですよ。それで俺らがたまに聞くわけ、「Ken Band、どんな感じですか?」って(笑)。でも彼は絶対に口を割らない。口が固い男だった!(笑)

横山 熱い!(笑)

Ken Yokoyama / NAMBA69「Ken Yokoyama VS NAMBA69」
2018年6月6日発売 / PIZZA OF DEATH RECORDS
Ken Yokoyama / NAMBA69「Ken Yokoyama VS NAMBA69」通常盤

[CD]
1944円 / PZCA-83

Amazon.co.jp

収録曲
  1. Support Your Local / Ken Yokoyama
  2. Malibu Beach Nightmare / Ken Yokoyama
  3. Come On, Let's Do The Pogo / Ken Yokoyama
  4. LIVE LIFE / NAMBA69
  5. PROMISES / NAMBA69
  6. SONG 2 / NAMBA69

公演情報

Ken Yokoyama VS NAMBA69 Tour
  • 2018年6月22日(金)宮城県 Rensa
  • 2018年6月24日(日)新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2018年7月4日(水)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2018年7月5日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2018年7月10日(火)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2018年7月12日(木)大阪府 なんばHatch
  • 2018年7月13日(金)愛知県 DIAMOND HALL
Ken Yokoyama(ケンヨコヤマ)
Ken Yokoyama
1969年10月1日生まれ。Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリスト。2004年にソロアーティストとしての活動を開始し、Ken Yokoyama名義によるアルバム「The Cost Of My Freedom」をリリースした。Ken Bandとしてライブ活動を開始してからも、2005年の2ndアルバム「Nothin' But Sausage」をはじめ定期的に作品を発表。2008年1月に初の東京・日本武道館公演を実施したほか、2010年10月には「DEAD AT BAY AREA」と題したアリーナライブを神戸と幕張で実施した。2011年にはHi-STANDARDのライブ活動再開や「AIR JAM 2011」開催など、ソロ以外の活動も続々展開。2012年11月に5thアルバム「Best Wishes」をリリースした。2013年11月にはドキュメンタリー映画「横山健 -疾風勁草(しっぷうけいそう)編-」が全国60館の劇場にて公開され、2014年9月に「Stop The World」を収めたCDが付属したDVD「横山健 -疾風勁草編-」を発売した。2015年7月には8年4カ月ぶりとなるシングル「I Won't Turn Off My Radio」をリリースし、テレビ朝日系「ミュージックステーション」に初出演。大きな話題を呼んだ。9月にニューアルバム「Sentimental Trash」を発表し、同月より年をまたいだ全国ツアー「Sentimental Trash Tour」を開催した。2018年6月にNAMBA69とのスプリットアルバム「Ken Yokoyama VS NAMBA69」をリリース。
NAMBA69(ナンバシックスティーナイン)
NAMBA69
2010年3月からソロ名義で活動を行ってきた難波章浩(Vo, B / Hi-STANDARD)が2013年3月にK5(G)、SAMBU(Dr)と結成したパンクバンド。2014年6月にデビューシングル「MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!」、同年12月に1stアルバム「21st CENTURY DREAMS」をリリースした。2016年6月にko-hey(G, Cho / ex. ARTEMA)が加入し、4人体制に。2016年に株式会社ジャパンミュージックシステムと共同で新レーベル「POP SPEED RECORDS」を設立し、2017年4月にミニアルバム「HEROES」を発表した。2018年6月にKen Yokoyamaとのスプリットアルバム「Ken Yokoyama VS NAMBA69」をリリース。