Keishi Tanaka|“今出せてよかった”Kan Sanoとの共作が完成して+ミュージックラバーが選曲する「Image Tracks」

Keishi Tanakaがニューシングル「The Smoke Is You」をリリースした。この曲のプロデュースを手がけたのは、Charaや向井太一、七尾旅人らの作品に携わってきたマルチプレイヤー兼ソングライターのKan Sano。艶やかでソウルフルなサウンドを得意とするKan Sanoならではの、ハウスやディスコの要素を取り入れたダンサブルなポップミュージックに仕上がっている。

これまでも多くのコラボレーションから代表曲を作り出してきたKeishiだが、今回なぜKan Sanoを共同制作者に迎えたのか? そして“Smoke”というフレーズに込めた思いとは? 「今のタイミングでこの曲を出せてよかった」と語るその真意について言及してもらった。またシングルのリリースを記念して、Kan Sano、松田“CHABE”岳二(LEARNERS、Neil and Iraiza)、Keito Taguchi(LUCKY TAPES)、ライター田中亮太が、「The Smoke Is You」から連想したSpotifyプレイリストも掲載。インタビューと併せて楽しんでほしい。

取材・文 / 田中亮太 撮影 / 山川哲矢

Kan Sanoとの共作に至るまで

──Keishiさんの前作「BREATH」のリリースに合わせてMiKiKiで実施したKan Sanoさんとの対談が今回の共作シングルにつながったそうで。自分が司会をしたものだったので、こうして実を結んだことがうれしいです。

Keishi Tanaka、Kan Sanoによるレコーディング時の様子。

そうなんですよ。おかげさまで(笑)。

──あの対談のあと、2人は親睦を深めていたんでしょうか?

いや、正直あのときに連絡先を交換したわけでもなかったので、それから何かをしたってわけではないんです。ただ疎遠になった感覚もなく、一緒にやってみたいという気持ちは続いていました。「BREATH」のツアー中にKan Sanoくんのライブ映像などを観ていましたし。

──Kan Sanoさんのライブ映像を観てみての感想は?

思ってたよりライブの人なんだなと。彼はライブが面白いですよね。ステージ上でどう音楽を表現するかにけっこうこだわっているというか、そのことへのこだわりがありそうだと思った。シンパシーを感じたし、それが大きかったかもしれないです。なんとなくスタジオ派なイメージがあったんですよ。実際に共作してみてからも思ったんですけど、ギャップや意外性に魅力のある人です。

──Keishiさんから見たKan Sanoさんの音作りの特徴は?

すごく引き算がうまい。僕は音を入れてしまいがちなので、作っているときに一生懸命に引き算をしているんですよ。Kan Sanoくんはもっとナチュラルに引き算ができるというか、意識せずとも隙間を楽しんでいる音楽家だと思う。

Keishi Tanaka、Kan Sanoによるレコーディング時の様子。

作曲を任せる決心した理由

──「The Smoke Is You」の制作はどのように始まったのでしょうか?

Kan Sanoくんにお願いしようとは、もう去年の夏くらいに決めてました。ただ、実際にことが動き出したのは年末でしたね。最初はスタッフに連絡をしてもらって、まずはタイミング的にやれるのか、やれないのかを確認しました。忙しそうでしたけど、「やりたい」とは言ってくれたんです。で、自分たち自身で連絡を取り始めたときに一度会おうかとなり、打ち合わせしてって感じでした。

Keishi Tanaka、Kan Sanoによるレコーディング時の様子。

──作曲をほかの人にお願いするのはKeishiさんのソロキャリアの中では初めてのことですよね? 大きな決断だったのではと思うんですが。

人に曲を書いてもらう決心が付いたのはKan Sanoくんの存在が大きいです。やっぱり人に頼むって、なかなかできなかったんです。頼んどいて、そこからアレンジを一緒に詰めていくようなやり方だとあんまり意味がないかなとも思っていて。それだと結局自分のところに引っ張っちゃうだろうし、頼むんだったらもう思い切って投げたかったんですよね。そこまでやってみたい男に出会えた(笑)。それがデカいかも。

──以前Keishiさんにインタビューしたとき、 1つ前の作品からの反動が毎回制作のモチベーションになっているとお話しされていましたが、今回も「BREATH」からの反動はあったのでしょうか?

「BREATH」からというより、ミュージシャンとしてのキャリアを通じての流れですね。飽きやすいってのもあるし、自分自身でこれからの作曲を楽しむためにやっているようなところもある。常に新しいことをやるのは、音楽を続けるためでもあって。刺激を手に入れる、手を伸ばして取りに行く感じなんですよね。