ナタリー PowerPush - 片平里菜

メジャーデビューを前に明かす「これまで」と「これから」

弾き語りとバンドそれぞれのよさがある

──昨年7月には「NANO-MUGEN FES.2012」にも出演しました。片平さんの出番は2番目で午前中だったにもかかわらず、大勢のお客さんが集まってました。

Charaさんのすぐあとだったんですけど、お客さんがどんどん外に出て行く前に歌えてよかったです。

──ああ、フェスが始まってから時間が経ってしまうと疲れて外に出ちゃったりしますし。

ですよね。本当によかった。うんうん(笑)。

──バンド編成でのライブはあのときが初めて?

片平里菜(2012年11月、福島・猪苗代湖周辺で行われたアーティスト写真撮影の様子)

高校の文化祭で1曲だけバンドでやったことあるんですけど、「NANO-MUGEN FES.」がほぼ初めてに等しいです。しかも横浜アリーナも初めてでいろいろ不安がありながらのステージだったので、歌っていて楽しいっていうよりは「やっと終わった……」みたいな気持ちのほうが強かったかもしれない。

──ましてやデビュー前でしたし。

そうですよね。いつかはああいう大きな会場でも楽しんでライブができるぐらいの余裕を持てたらいいなって思います。

──しかもバンドメンバーにはASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋さん、喜多建介さんが参加していて、大変なことになってましたし(笑)。

普通にステージに出てきて。

──観てた人は「え?」って思ったはずです。

最初はお客さん、気付いてなかったかもしれないし。サプライズですよね。1曲目で私1人が弾き語りをして、2曲目からバンドメンバーがひょこって入ってきて。で、曲が始まったらステージ両脇のスクリーンに山田さんや喜多さんがアップで映されて、そこでみんな気付いて「わー!」ってなってましたよね。貴重な経験でした。もうないかもしれないけど。

──いやいやいや(笑)。でも、これまではずっと1人で弾き語りで活動してきたところ、そうそうたる面々と一緒に演奏する経験をしたわけですが、いかがでしたか?

よくいろんな人から「バンドでやったほうが心強いし楽しいよ」って言われるんですけど、ずっと弾き語りで続けてきたから逆に合わせることに慣れてなくて。それであのときはちょっと緊張してたかもしれないですね。

──1人だと自分のペースで進められるし。

そうなんですよ。1小節ズレても、自分1人だったら別になんとかなるんで。難しいですね。

──また今後もバンド編成でライブをしてみたい?

やりたいです。やっぱり楽しかったですもん。バンドしたいですよ。

──ソロアーティストだったら弾き語りとバンド、両方とも自由にやれると思うので、自分のペースでやっていけるといいですよね。

はい。弾き語りとバンド、それぞれのよさがあるから、どっちもできるようになりたいですね。

ライブ1本からいろんな人につながっていく

──今年の1月16日には「始まりに」のデジタル配信がスタートしました。

はい。ちょうど去年の3月にお披露目して、毎日のようにずっと歌ってきた大切な曲です。

──配信が始まってから、周りの反響って耳にしてますか?

片平里菜(2012年11月、福島・猪苗代湖周辺で行われたアーティスト写真撮影の様子)

ちょくちょく。Twitterのリプライはたくさんあったんですけど、私の携帯には……そんなに(笑)。仲のいい友達はあんまり反応してくれなかったです(笑)。

──そうだったんですね(笑)。この曲は配信に先駆けて、昨年6月に発売されたコンピレーションアルバム「ASIAN KUNG-FU GENERATION presents『NANO-MUGEN COMPILATION 2012』」にも収録されていましたね。

「始まりに」に関しては「NANO-MUGEN」のコンピもそうですし、(ソニーWALKMAN)「Play You. Label」の件もあって、そこからいろんな人に広まっていったのかなという気もしています。

──そういう意味では、2012年はいい感じに種を蒔くことができた1年だったんじゃないでしょうか。

そうなんですよね、本当に。「NANO-MUGEN FES.」やコンピで私のことを知って、ライブに来てくれるお客さんもいるし。最近はライブ1本にしても、そこからいろんな人につながっていくことも増えてますし、面白いですね。うん。

メジャーデビューしてもブレずにやっていきたい

──そしていよいよメジャーデビューも決定しました。今後こういうアーティストになっていきたいっていうイメージはありますか?

最近周りの環境が確実に変わってきたので、自分自身ブレなきゃいいかなと思っていて。今までは小さいライブハウスで歌っていたのに、急に大きな会場で歌ったりフェスに出演したりすることも増えて。メジャーデビューするとすべてが当たり前のことなんでしょうけど、なんか怖いですよね。

片平里菜(2012年11月、福島・猪苗代湖周辺で行われたアーティスト写真撮影の様子)

──怖い?

はい。歌もピッチを外さないのも当たり前、ギターが上手で曲もよくてかわいくて。そういうことが当たり前な世界だと思ったら、なんかもう……怖いです。だけどそこで自分を見失わず、ブレずにやっていきたいなって。

──でもそれってすごく大事なことですよね。

ですよね。あとはそのときそのときで自分が納得できる作品を作って、自然体の自分を出していけたらいいなと思います。

デジタルシングル「始まりに」 / 250円(税込)/ 閃光レーベル
デジタルシングル「始まりに」
収録曲
  1. 始まりに

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片平里菜 (かたひらりな)

1992年5月12日生まれ、福島出身・在住のシンガーソングライター。2011年9月、「閃光ライオット2011」で1万組の中から審査員特別賞を受賞する。翌2012年にはソニーWALKMAN「Play You. Label」第1弾アーティストに抜擢され、山田貴洋(ASIAN KUNG-FU GENERATION)プロデュースのもと楽曲制作。7月にはメジャーデビュー前にもかかわらず「NANO-MUGEN FES.2012」に出演し、大きな話題を集めた。2013年1月にアジカン山田プロデュースによる楽曲「始まりに」を配信リリース。東北地区全6局でパワープレイに選出され、新人としては異例のレコチョクデイリーチャート2位獲得した。今年ポニーキャニオンからのメジャーデビューを控えている。