バンドメンバーの岡山健二さんから薦めてもらって、最近はレコードを集めるのにハマっています。岡山さんはジャズ育ちの人で、最初にプレーヤーと一緒に30枚くらいレコードを貸してくれたんです。ジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」は、マイルス・デイヴィスつながりで買いました。ボブ・ディランの名盤「The Freewheelin'」はずっとサブスクでは聴いていたんですけど、レコードは持っていなかったので最近手に入れて。ビル・エヴァンスは、ジャズピアノの有名な奏者です。ここに持ってこれなかったお気に入りのレコードもあって、それはクインシー・ジョーンズが「無人島に持っていきたいレコードランキング」ベスト3に入れていたマイルス・デイヴィスの「MILES AHEAD」。岡山さんが一度私に誕生日プレゼントにくれたのに「すごくよかったから聴いてみてください」って岡山さんに一度貸したらもう返ってきません(笑)。唯一ジャズじゃないPeach Pitはインナージャーニーのカモシタサラちゃんが教えてくれたバンドで、2人で「ミッフィー展」に行った帰りにレコード屋さんに行って、おすすめしてくれました。
私のルーツには椎名林檎さんやMaroon 5がいるんですけど、実は坂道グループの大ファンです。中でも櫻坂46は、欅坂46のデビュータイミングで知ってからずっとファンクラブにも入っています。欅坂の歌詞の世界観は自分の作品と少し近いものがあって、すぐにハマりました。欅坂の派生グループだったけやき坂46は日向坂46になりましたが、こちらもファンクラブに入っています。もう卒業されてしまいましたが、平手友梨奈さんは同い年で表現力が素晴らしいアーティストだなと尊敬しています。アイドルじゃなくて、バンドだとindigo la Endがずっと好きなんです。川谷絵音さんのプロジェクトの中でも特に曲の構成がカッチリしていて素敵だなと思っていて。曲と譜割りが綿密に作られていて、曲作りの面ですごく勉強させてもらっています。
本を読みだしたのは、楽曲制作のインプットのためでした。三浦しをんさんは一番好きな作家さんで、三浦さんの作品をもとに作った楽曲もいくつかあります。今日は「きみはポラリス」と「天国旅行」を持ってきました。「ポラリス」を初めて読んだのは、高校を卒業する少し前だったんですが、自分の心と一番近い気持ちが綴られていると感じて、自分の“透明な気持ち”に気付けた作品です。「天国旅行」は“遺言”が綴られた作品なんですけど、この作品を読んで、人の心は痛みを感じているとき、寂しい気持ちのときにやっと見えるんだと思いました。
村上春樹さんの「1Q84」は、バンドメンバーから借りているものです。もうすぐ読み終わります。堅い文章の中で生々しい表現をされる方で、高校生のときに読んだ「海辺のカフカ」も好きです。当時は難しくてわからなかったところもあったのでもう一度読み返したいですね。今日は持ってきませんでしたが、朝井リョウさんの作品も好きでよく読みます。
この大仏の本は、たまたま入った古本屋さんで買いました。高校の選択授業の美術で大仏の勉強をしていたんですが、当時一緒に学んでいた女性の友達……友達という関係でもない、関係が曖昧な人がいて、その子が大学で大仏について学んでいるんです。一緒に大仏を観に旅行に行く約束をしているんですが、この状況でまだ実現していなくて、いつか行くときのために知識を付けておこうと思ってこの本を買って。大仏たちの身長やそれぞれの大仏にどういう願いが込められたものなのかとかが載っています。
大仏っていろんな形がありますけど、手の形とか胴体のくびれとか、視線とか、すべての造形に意味があるんです。物事を深く調べることが好きで、宗教みたいな心に近いものを調べることが特に好き。気になると隅々まで調べてしまうタチなんです。
このテンポドロップは、私が音楽を始めるきっかけをくれた高校の美術の先生からいただいたものです。今でも先生とは連絡を取り合っていて、高校を卒業する前に上京するという話をしたら「引っ越す前に一緒にお茶でもしよう」って誘ってくれて、お茶をしたときに上京しても寂しくないようにとテンポドロップをくれたんです。先生のおうちにも同じものがあるそうです。テンポドロップは、お水の中に結晶ができて、その量や出方で明日の天気がわかるものです。ほとんど結晶が見えない状態だと翌日は晴れ、結晶がたくさんあるときの翌日は雨になります。7割くらい当たるんですけど、友達は全然信じてくれません。
先生からは私の似顔絵もいただいたんです。初めて似顔絵というものを描いてもらったんですけど、すごく似ててびっくり。家で大切に保管しています。
カメラは趣味です。今日はよく持ち歩いているミノルタのコンパクトカメラとペンタックスの一眼レフを持ってきました。フィルムカメラはメルカリで中古をいくつか買って、その中でこの2つが特に気に入っています。友達やバンドメンバーをよく撮って、現像に出して、「こんな写真が撮れていたよ」とその人たちに共有する瞬間が大好きです。
学生の頃「写ルンです」が流行っていたんですけど、写真を撮るならちゃんとしたカメラがいいと思って自発的に買ってフィルムカメラを始めました。今では友達も私に影響されてフィルムカメラで写真を撮っていますね。学生の頃は、スマホで写真を撮ることもプリクラを撮ることもあまりなかったです。自分の姿を記録することに執着がなくて、それよりも友達とずっとしゃべっているのが好きでした。今はカメラを持って出かけることで意識的に写真を撮るようになって、たくさん思い出を形に残せています。
「MISS DIOR」は高校生の頃から使っている香水です。私は匂いに敏感で、例えば新宿とか渋谷とかに行くといろんな匂いがしすぎて頭の中が鬱々としちゃう。だから香水も苦手だったんですけど、「MISS DIOR」はすごく好きで、まとっていると落ち着きます。いつもの香りがあると、レコーディングやライブ前の緊張したときに活躍するんです。この香りは私をいつも通りの自分にしてくれる大切なもので、人と話すときにも歌うときにも必需品です。
特に洋画が好きで、一番好きなのは「愛を読むひと」。ロマンスではあるんですけど、愛だけじゃ解決できないストーリーで、映像もきれいで気に入っています。最近映画館で観たのは「君は永遠にそいつらより若い」です。大学生の日常を描いた作品で、いろいろあるけどそれでも明日は来るし、ずっと続いていくという話。原作小説を読んでいたんですけど、映画では小説では見えない人の表情がはっきり見えて、小説とはまた違うよさがありました。ほかに挙げるなら、今年観たものだと「アメリカン・ユートピア」は最高でした。去年観た中だと「星の子」は心に残っていますね。あと映画じゃないんですけど、高校2年生の頃から毎日アニメの「あたしンち」を観ているんです。セリフも覚えちゃいました。ボーッとしながら観るのが好き。悲しいことがあったときもハイになっちゃうときも「あたしンち」を観ると平常心を保てます。
私は甘いものが大好きで、ご褒美の前借りじゃないですけど、曲を作る前に「私、がんばれー!」って思いながら食べたりします。喫茶店はお友達とも行くし、これから仲よくなりたい人を連れて行くこともあります。「おいしいね」って話が広がるじゃないですか。おしゃべりが大好きで、関取花ちゃんとお茶をしたときは3時間くらい喫茶店で話したのに話足りなくて、外でも話して、結局もう1軒喫茶店をはしごしました(笑)。
バンドメンバーとは一緒に過ごす時間も長いので、いろんなことを話します。私は学生の頃から古着が好きで、サイズが全然合わないのに買ったものをメンバーにプレゼントすることもあります。逆にメンバーが着ているTシャツがかわいくて「いつくれるんですか?」っておねだりして譲ってもらったこともあります(笑)。みんな洋服が好きで、最近も「冬になったら何を買う?」って連絡を取り合いました。歳が離れているので、お父さんが何人もいるような感じなんです。知らない音楽を教えてくれますし、私の曲のことも深く理解してアドバイスをくれることもあります。バンドメンバーからはいい影響をもらったり、いじられたりしながら日々ワイワイやっていますね。
ツアー情報
- Karin. 1st tour "solitude time to end"
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- 2021年11月14日(日)愛知県 ell.FITS ALL
- 2021年11月20日(土)東京都 LIQUIDROOM(※6月12日分の振替公演)
- 2021年11月27日(土)大阪府 Shangri-La
- 2021年11月28日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- Karin.(カリン)
- 2001年5月30日生まれ、茨城県出身のシンガーソングライター。2018年に初めて楽曲を作り、地元のライブハウスで歌い始める。初ライブから満1年後の2019年6月8日にデビューを発表し、8月に1stアルバム「アイデンティティクライシス」をリリースした。2021年3月に3rdアルバム「solitude ability」、5月に配信ミニアルバム「solitude minority」をリリースした。「solitude ability」をもとに主演・伊藤万理華、脚本および監督・枝優花というタッグで制作されたショートフィルムは、Webでの公開に加え、劇場でもかけられ話題を集めた。10月には体験談投稿サイト「純猥談」とコラボしたシングル「二人なら - ep」を配信リリース。11月にはワンマンツアー「Karin. 1st tour "solitude time to end"」を行う。