ナタリー PowerPush - KAREN
5年間の活動に終止符 バンド解散の真相語る
読者の皆様へ
「オフィシャルサイトで発表された通り、KARENは解散することになりました。解散にあたっては、オフィシャルサイトにコメントを発表していますが、短いコメントでは表現しにくい、気持ちや思いを、今まで応援してくれた人たちにきちんと伝えたいということで、ナタリーPower Pushでインタビューを行うことになりました。
できるだけフランクに話したいというメンバーの希望から、今回の聞き手はあえて長いつきあいのレーベルスタッフが選ばれました。メンバーの発言も雰囲気を含めて忠実に再現したつもりです。通常のインタビューよりも口調がラフすぎる、距離感が近すぎると受け取られる方もいらっしゃるとは思いますが、メンバーの意図でもありますのでご容赦ください」
取材・文/遠藤幸一(代沢レコード) インタビュー撮影/中西求
自然にどんどん曲ができていく不思議なバンド
──本日はよろしくお願いいたします。えーと、どこから質問すればいいのか迷いますが、まずは結成したのは何年でしたっけ?
木下理樹(G,Vo) 結成は2005年の2月ぐらいです。
──2008年に1stアルバム「MAGGOT IN TEARS」が出て、去年2ndの「sunday girl in silence」が出て。その間ライブはずいぶん精力的に行っていましたよね。通算で5年間の活動ということになりますが、KARENの5年はどんな5年でした?
木下 結構、まあ、楽しんでやってましたよね、基本的に。そうじゃないとやっぱバンドなんてやんないと思うから。そこはみんなそうだと思うんですけどね。
──念のため、違うことを思ってるメンバーもいらっしゃるかもしれないんで、皆さんにお尋ねします。
仲俣和宏(B) 楽しんでやってました、はい。同じですけど(笑)。
一同 (笑)
──秋山さんは?
秋山隆彦(Dr) はい。すごく自由にやらせてもらってたんで。快適でしたね。
──戸高さんは?
戸高賢史(G) KARENはマイペースな感じで、なんかこう、スタジオに入ると自然と曲ができていくみたいな。すごく不思議なバンドでした。楽しんでたっていう感じですね。
──アチコさんは?
アチコ(Vo) すごく面白い組み合わせのバンドに誘ってもらって、私が最後に入ったんですけど。みんなやっぱり才能があって、実力があるから、スタジオに入ってセッションすると、どんどんどんどん曲ができて。それにすごく自由に歌わせてもらって。すごく楽しい5年間でした。
アルバムの反応が良かったのが単純にうれしかった
──なるほど。もう少しタメたほうがいいですか?
木下 何をですか?
──そんなKARENの解散の話なのですが……。
木下 ああ! いや、ちょっと会話の展開が早いです。
秋山 そこはやっぱタメがあったほうがいいですかね。
──じゃあもうちょい寄り道しましょうか。
木下 はい。もうちょっとだけ寄り道してもらっていいですかね?(笑)
──了解しました。ではもう少し、バンドの歩みについて聞かせてください。アルバムを2枚出したわけですが、それぞれの手応えみたいなのはどうでした? ライブも相当な本数やりましたよね?
木下 そうですね。僕らはなんか変なメジャーバンドよりも、要は、単純に枚数とかだけだと、本当──変なメジャーバンドって言うとあれですけど、普通に売れてたと思うんですよね。1stも2ndも枚数ほとんど変わらずに。僕はそこは本当にすごいなって思うし。とにかく聴いてくれた人、支えてくれた人に感謝してますね、やっぱり。やってこれたのはたぶん、その人たちのパワーがあったおかげだと思うから。それが僕の意見ですけど。
──なるほど。まっちょさんはどうでした?
仲俣 1stアルバム出したときに、結成してから3年ぐらい経ってたんですよね。みんながどう思うか気になってたんですけど、まあ反応は良かったんで。それは単純にうれしかった。次の2ndも、聴いてくれた人、待っててくれた人がいるから出せたっていうのもあるし。で、2枚目も一応、反応は良かったんで。うれしかったですね。
やるからにはやっぱりコンスタントな活動がしたかった
──そして最近ライブ増えてますよね?
秋山 精力的ですよね。最近っていうのは、この1年ぐらいの感じなんですけど。
──特に今回はマンスリーライブが発表されたり。気合入ってんなあ、みたいな印象なんですが。
木下 僕から提案したんですよ、実のところ。
──なるほど。
木下 「マンスリーやっていこうぜ」みたいな。
──「ガンガンやっていこうぜ」っていうことですか? それ。
木下 イコールです。イコールだったですね。でも解散しちゃうんですけど。はい。
──戸高さんはKARENの活動について手応えはいかがですか?
戸高 やっぱり作品を作って、いろんなバンドマンさんたちからイベントで誘ってもらったりとかして。たくさんリアクションもらって。なかなかありそうでない感じのバンドだったんだなと思って。改めて、そういう作品が作れて、すごい良かったなとは思ってます。
──通常のパーマネントにやってるバンドと比べても、コンスタントにリリースしているし。ライブもコンスタントにやっていて、活動全体が精力的だなっていう印象がありますよね。アチコさんはどうですか?
アチコ そうですね。やっぱりやるからには、ちゃんとコンスタントな活動をしたかったし。1枚目を出して、すごい反応が、自分が思ってもいない反応が返ってきたりとかして。そういう、たくさんの人が応援してくれたり、たくさんの人に言葉をもらったりとか、元気をもらったりとかして。自分が今までやってた活動より、たくさんの人がかかわっていたから、今までになかった、自分の中から出ているんじゃないような力が湧いてきてた感じがずっとしてました。
──なるほど。シャーマンっぽいところもありますよね。
アチコ (笑)。
──それはよく言われますか?
アチコ そうですね。「ぼんやりしてる」とは言われますけどね。
──ぼんやりとシャーマンは違うと思います。
アチコ ははははは(笑)。
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チケット9月23日発売:ぴあ[120-330] / ローソン[79279] / e+ / CLUB Que店頭 - KAREN Presents「mo-u moku" vol.10」
- 2010年12月26日(日)
OPEN17:30 / START18:00
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チケット10月30日発売:ぴあ / ローソン / e+
KAREN(かれん)
2005年結成。メンバーはアチコ(Vo)、ART-SCHOOLの木下理樹(G,Vo)・戸高賢史(G)、downyの仲俣和宏(B)・秋山隆彦(Dr)の計5人。都内を中心にライブを重ね、2008年5月に「MAGGOT IN TEARS」、2009年8月に「sunday girl in silence」と2枚のアルバムをリリースしている。