ナタリー PowerPush - KAREN
5年間の活動に終止符 バンド解散の真相語る
妥協して続けていくバンドじゃないな、って思ってたので
──木下さんが感じていたそのズレみたいなものを、もう少しわかりやすく言うとしたら、どんな感じでしょうか。
木下 なんなんでしょうねえ。僕は結構……やり尽くしたかなって、KARENで、って感じが。新曲を作っていく過程でときどき僕がこういう方向性でやりたいなとか、そういう方向性ではもうないなっていうのは、やっぱりどっか感じてたんですけど。うーん、そうだなあ……そういうのって、なかなか、こうこうこうだからっていうふうにはちょっと、説明しづらいんですよね。
──説明するのが難しいのはわかるけど、他のメンバーは「うん、そっか」って納得したわけですよね?
木下 うーん、なんなんだろうなあ……。要は、僕がいてもいなくても、KARENの表現として、成立してるなって思ったときがあって。新曲を作っていく過程で。だから僕が脱退しようと思ったときは、解散っていうのが全然想像がつかなかったんですよ。みんながそういう選択肢になるっていうのは。だから、そうだなあ……、要はその、ズレを面白がっていけてた時期は長くて。それが新鮮でした。でも、ズレはズレなんですよ。僕が当初組もうと思って、みんなを誘ってきてやってきたものとは、ちょっと違う形になっていってるなっていうのは思ってて。そこでは僕もすごい悩んで。悩みに悩んでましたけど。やっぱり……、うん……そうですね、本当そうとしか言えないんですよね。あとその気持ちのまま、ステージに立って、お客さんからお金を取ってっていうのが、これ本当にきれいごとじゃなく、自分の中でちょっと許せないなって思ったんですよ。要は、妥協して続けていくものじゃないなと、KARENっていうバンドはっていうふうに思ったんで。
──そういう意味では純粋さで成立しているバンドですよね?
木下 そうですね。
──仕事として見ていないし、好きだからやってる。嫌だったらやってない。そういった潔いアマチュリズムで成り立ってるとこがありましたよね。
木下 そうですね。でもそこでやっぱ、そこのズレが自分の中で結構「これはもう無理だ」と思うぐらいにきちゃったんで。「脱退したい」っていうのは言いましたね。
凍結っていうのもありだなと思ってたんですけど
──メンバーの皆さんで解散という結論に達したときにアチコさんはどう感じられました?
アチコ すごく抽象的な言い方になっちゃうんですけど、私は音楽をしたり、歌を歌うっていうこと、みんなとやるっていうことが、血みたいな、血液とか肉とか、なんかそういう感覚なんですよね。だからみんなで集まってお話してるときも、その間にすごく血が通ってるし。すごく肉体的に感じるように理解していったっていうか。なんて言っていいかわかんないけど(笑)。やっぱりもう、最初からすごくシンプルに考えてて。みんなが自由に活動する1人ひとりのアーティストとして集まって、自然に曲ができていって。その中で自由に演奏して、歌を歌うっていうことはもう、誇りに感じてたので。だから集まって話をしたときに、なんかそういうことも一部分として、自然に受け入れたというか。「KARENが解散するときが来たんだな」っていう感じがあったっていうか。
──KARENにとっては、自由とか、自然とかっていうことは1つのキーワードなんですね、きっと。
アチコ そうですね、うん。
木下 凍結っていうのもありだなと思ってたんですけどね。「KAREN凍結」みたいな。
──凍結いいですね。
アチコ ははは(笑)。
一同 (笑)。
木下 凍結ありだなと思ったんですけど。いつか解凍するっていう。冬眠でもいいですけど。
──マンスリーライブが凍結カウントダウンに変わっていくんですね。
木下 「凍結まであと半年」みたいな。
仲俣 「12月に完全凍結」みたいな(笑)。
──面白いですね。
アチコ 私も凍結はすごくいいなって言ってたんですけどね。
──皆さんの気配では、多数決では3対2。
アチコ そうですね。
──凍結が1票負けましたね。
アチコ ははははは(笑)。そうですね。それはともかくマンスリーライブはあと4回あるんで、そこはぜひともがんばりたいです。
──「私の命は4つある」みたいなことですか。
木下 なんすか? それ(笑)。
──昔、北斗晶が引退するときに、あと4試合で引退っていうときに「私の命は4つある」って。
秋山 思い出しました、それ。
木下 あと大槻ケンヂさんが「ロックバンドの解散と、プロレスラーの引退は信じるな」って言ってますよ。
仲俣 あはははは。信じるな(笑)。
──「と言ってます」って面白いですね。
木下 だから本当に、ひょっこりまたやるかもわかんないし、ね?
アチコ うん。
──KARENの同窓会っていうのがあったらいいですね。
木下 そうですね。ひょっこり半年後ぐらいにやるかもしんないし。
仲俣 早い(笑)。
木下 そのときはまた、ナタリーさんにPower Pushしてもらって。
一同 (笑)。
──それないんじゃないすか。
一同 ははははは(笑)。
秋山 あとライブもマンスリーの他に誘われるかもしんないし。プロレスの話で言うと、猪木の引退が決まってから、試合がどんどん増えて「これカウントダウンじゃなくて、カウントアップだよ」って猪木が言ったっていう。
一同 (笑)。
木下 それはそれでなんか、美しい話ですね。
一同 ははは(笑)。
──いい話ですね。
木下 いい話。
- KAREN Presents「mo-u moku" vol.7」
- 2010年9月23日(木)
OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:THE NOVEMBERS
チケット発売中:ぴあ[114-202] / ローソン[79273] / e+ / CLUB Que店頭 - KAREN Presents「mo-u moku" vol.8」
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OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:近日発表
チケット発売中:CLUB Que店頭
チケット9月23日発売:ぴあ[119-136] / ローソン[74378] / e+ - KAREN Presents「mo-u moku" vol.9」
- 2010年11月30日(火)
OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
チケット9月23日発売:ぴあ[120-330] / ローソン[79279] / e+ / CLUB Que店頭 - KAREN Presents「mo-u moku" vol.10」
- 2010年12月26日(日)
OPEN17:30 / START18:00
下北沢 CLUB Que
※ワンマンライブ
チケット10月27日発売:CLUB Que店頭
チケット10月30日発売:ぴあ / ローソン / e+
KAREN(かれん)
2005年結成。メンバーはアチコ(Vo)、ART-SCHOOLの木下理樹(G,Vo)・戸高賢史(G)、downyの仲俣和宏(B)・秋山隆彦(Dr)の計5人。都内を中心にライブを重ね、2008年5月に「MAGGOT IN TEARS」、2009年8月に「sunday girl in silence」と2枚のアルバムをリリースしている。