ナタリー PowerPush - KAREN

5年間の活動に終止符 バンド解散の真相語る

初対面のときの第一印象は「くったりした人」

──で、そんなこんなで今回、解散されるわけですが。

一同  えー(笑)。

戸高 本当にワンクッションだったな。

──でも、今回の楽しげなインタビューでも、ここは避けて通れない道なんで。

木下 わかりました。

──客観的な疑問なんですけれど、KARENのメンバーはそれぞれが、みんなそれぞれいろんな仕事をしている。例えばそれがART-SCHOOLだったり、アチコもアチコで方々でやっていたり。まっちょ(仲俣)も秋山さんもいろんなとこで活躍している中でKARENをやっているわけで。特に解散って言わなくても、誰も気がつかない気もするんですが。「そういえば最近なんにもやってないね」ってフェイドアウトする形もあるだろうと思うし、「やりたくなったときにやろうよ、4年後」みたいな、休止という選択もあると思うんです。でも選んだ言葉は「解散」なんですね。

木下 そうですね。まあ、もともとKARENって最初、俺とトディー(戸高)が「まっちょとセッションしてみようよ」っていう感じで。まっちょはdownyのときから知ってたんで。それでまっちょが「いいドラマーがいる」って言って秋山さん連れてきて。そこで始まったんですよね。当初はもっと、インストバンドみたいな感じだったんですよ。わりと暗いインストみたいなのをやってたんですけど、「なんか女性ボーカルとか入れたら面白いんじゃないか?」っていう話になって。それで秋山さんがアチコちゃん紹介してくれて。それがたぶん2005年の1月とかですよね。

仲俣 3月とかにライブやったもんね?

木下 うん。

秋山 3月?

木下 オールナイトで。

秋山 あれ3月だっけ? LOFTでやったよね。

木下 だから、そうですね、なんかそんな感じで始まったんですよ。

──秋山さんとアチコはどのタイミングで知り合っていたんですか?

秋山 downyやってたときに、on button downと対バンをしたのが、はじめましてのタイミングだったんですけど。それからまあ、あちらこちらで、下北で、ライブ会場とかスタジオとかで会ってはいたんですけど。僕がon button downを観に行ったりしたこともありますね。対バンとかじゃなくて。

──アチコさんが初めてKARENのスタジオに行ったときのことを教えてください。

アチコ はい。

──木下さんとは初対面ですよね。木下さんの印象はどうでした。

アチコ えっと、なんかくたっとした人だなと思った(笑)。くったりして(笑)。

木下 くったりしてました?(笑)

アチコ くったりした人だなと思っていたんですけど。最初、それより前に自分がART-SCHOOLのライブを観に行って。すごいこう……。

木下 あれですね、「DOPING-FUJI-SCHOOL」。

アチコ そうそうそう。秋山さんと観に行って。そのときは木下君がものすごいこう、懐かしい真っ暗さと、生命力を発してて、ライブから。なんかそれが私は 「すごいな」と思って。それで、その日は挨拶しないで、スタジオで初めてきちんと会ったんですけど。そしたらすごいくったりしてる人だなと思って(笑)。

木下 くったりしてるって何回言うねん(笑)。

──戸高さんはアチコさん見てどうでした。

インタビュー風景

戸高 アチコちゃん、ずっとなんかピアノのところに座ってました。

アチコ (笑)。

──リハで?

戸高 延々ずっと座って。

──ちょっと入り込めないなっていう気分だったんですか?

アチコ いや、なんか本当にそんなに、初めて会ったぐらいの感じだったんで。どんな感じなのかな? と思って、最初は見学気分で行ったんですよね。

人間的にKARENのメンバーはみんな大好きだし尊敬してる

──そのあたりの話って2005年の春ですか?

木下 2005年の2月とか1月下旬とか、それぐらいですかね。

──そんなふうにして始まったと。

木下 始まっていって。で、それからライブ活動するようになって。1stを出し、すごい評判も良くて。2ndを出し、それも評判良くて。

──良いこと尽くめですね。

木下 はい。それで「マンスリーやっていくぜ」っていうのを、去年の12月に僕が提案して。「やりましょう」みたいな感じになってたんです。「来年やっていきましょう」みたいな感じで。ただ、そうですね、僕の中で当初作りたかったものとか、KARENのメンバーでイメージしてたものは、スタジオとかで新曲を作っていくうちに結構……これは僕の意見ですけど、僕の中で結構だんだんズレが生じてきてて。そういう危機感がたぶんあったから、マンスリーやって、なんか精力的にやっていきたいなって思ったんですけど。でも結局、そのズレっていうのを、自分の中でなかなか埋められなかったんですね。人間的にKARENのメンバーはみんな大好きだし尊敬してるんで、そういう理由ではなくて。そうだな、そもそも、やっぱ「マンスリーやろうぜ」っていう感じでしたからね。それがなんでこうなったのかな? っていうのは自分でもよくわかんないんですけど。そのやっぱ、ズレみたいなものを、押し殺してやっていくのが、メンバーとかお客さんに失礼だなって、まず思ったんですよね。それでメンバーみんなに「僕はちょっとKARENを脱退したい」って伝えて。「他のギタリストの人が見つかるまで、やります」って言いました。でもまあ、そのうえでみんな話し合って「1人でも抜けたらKARENじゃなくなるから、解散っていう形が美しいんじゃないのか?」っていうのを、みんな言ってくれたっていう感じですかね。これはわりと正直に話してますけど。大丈夫ですかね? こんな感じですよね? ただ、あくまで本当に言っときたいのは、人間的に「こいつムカツク」とかいう、そういう感情は一切ないです。

──実はみんなが木下さんにムカついてるということはないんですか(笑)。

木下 「あの野郎……」つって(笑)。

──「人間的に木下は」みたいな。

木下 ……ええーっ!?

一同 ははははは(笑)。

戸高 それだったら彼を抜きにして、他のメンバー入れてやればいいし。

アチコ そうそうそう。

──はい、すいません、そのとおりですね。失礼しました。

KARENマンスリーライブ「mo-u moku」

KAREN Presents「mo-u moku" vol.7」
2010年9月23日(木)
OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:THE NOVEMBERS
チケット発売中:ぴあ[114-202] / ローソン[79273] / e+ / CLUB Que店頭
KAREN Presents「mo-u moku" vol.8」
2010年10月27日(水)
OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:近日発表
チケット発売中:CLUB Que店頭
チケット9月23日発売:ぴあ[119-136] / ローソン[74378] / e+
KAREN Presents「mo-u moku" vol.9」
2010年11月30日(火)
OPEN18:30 / START19:00
下北沢 CLUB Que
ゲスト:VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
チケット9月23日発売:ぴあ[120-330] / ローソン[79279] / e+ / CLUB Que店頭
KAREN Presents「mo-u moku" vol.10」
2010年12月26日(日)
OPEN17:30 / START18:00
下北沢 CLUB Que
※ワンマンライブ
チケット10月27日発売:CLUB Que店頭
チケット10月30日発売:ぴあ / ローソン / e+
KAREN(かれん)

2005年結成。メンバーはアチコ(Vo)、ART-SCHOOLの木下理樹(G,Vo)・戸高賢史(G)、downyの仲俣和宏(B)・秋山隆彦(Dr)の計5人。都内を中心にライブを重ね、2008年5月に「MAGGOT IN TEARS」、2009年8月に「sunday girl in silence」と2枚のアルバムをリリースしている。