5年間、すごく純粋に音楽ができてた

──ちょっと話が脱輪気味なので、戻しますよ。音楽のことなので、具体的に言葉にできることは少ないかもしれないけど、みなさんの気分はよくわかりました。長い時間おつきあいいただいて、ありがとうございました。さて、改めてKARENの存在は皆さんにとってどういうものでしたか？

木下　まあ、そもそもやろうと思ったのは……、何かART-SCHOOLでは表現できないものが、 このメンバーだったらできるんじゃないかと思って、始めて。

──だいぶ手応えはありました？

木下　僕は結構できたと思ってるんですよね。やっぱりすごい刺激になったし。だからどっちかって言ったら相当いい思い出というか、要は仕事としてKARENをやってたっていう気分ではないから。だから純粋だったですよね。すごく純粋に音楽ができてた。だからそこはすごく、みんなアーティストだったんだなって。いい作品も残せたし。ただ支えてくれたスタッフの人たちとか、ファンの人たちには本当に申し訳ない気持ちがありますけど。でも、感謝の気持ちを 伝えたいですかね、先に。マイペースでやってきたバンドですけど、それでも支持してくれた人たちがいて。ほとんど露出もないのに、普通に売れてたりしてたから。5年間続けるって結構大変なことですよ、やっぱ。しかも純粋に。それができたことだけでも、自分は大きな体験になったなって思いますね。そう思ってます。今後はもちろん、それぞれいろいろ活動していくのをやっぱ応援したいなって思ってますね。僕は以上ですね。

仲俣　僕はKARENを始めて、今までやってきて、 毎回音を出すときに、それぞれのプレイヤーが出してる音とかにさらに反応して、どんどん自分の中にあるものを出してって「こういうものも出せるんだな」とか、新しい発見もできたりしたんで。曲の中でも新しい試みとかもいろいろできたと思うんで、そういう意味で言えば、単純に楽しかった場所ではありますね。本当にそんな感じなんで、終わるときも自然の流れというふうには捉えてるんですけど。本当、理樹くんが言ったように、ずっと来てくれたお客さんとかもいますし。地方のほうにはそんなに行けなかったですけど。CDを聴いてくれたりとか、そういうとこで僕たちを応援してくれた人たちには、これ以上聴かせられなくて申し訳ないなというのは思いますけど。またそれぞれ活動していくとこでも、前向きに、健全に音楽やってるつもりなんで。そこを見てもらえればいいなと思ってますね。

KARENをやって人を近くに感じられるようになったかも

──秋山さんは？

秋山　KARENをやることでしか行けない場所っていうんですかね、イベントだったり、人の輪だったり。知り合う人も、KARENをやってることでしか知り合えない人もいて。そういう意味ですごく大事でした。すごく勉強にもなったし。音楽的なことで言えば、剛と柔みたいな分け方をすれば、完全に柔のほうのアプローチが多かったんですけど。そういうところですごいトライもできたし。いい勉強させてもらいましたね。これからはバンドはちょっとお休みというかちょっと置いといて、いちドラマーとしてセッションワークが主になってくると思うんですけど。そこに立ち返ってというか、そこに戻ってやっていきたいですね。

──戸高さんは？

戸高　いろんな、例えば来日したアーティストのサポートをやったりだとか、たくさん貴重な経験ができたので、確実にその、自分の中の経験値として、KARENというバンドでプレイすることによって学ぶことが非常に多かったですよね。プレイヤーとしていろんな発見もできたし、教えてもらったし。

木下　そうだね。もともとトディーはdownyめっちゃ好きだったもんね？

戸高　そうなんですよ。普通に観に行ってました。

一同　ははははは（笑）。

戸高　だからまた音楽が1つ好きになる、きっかけになったなっていう。やれてよかったなとすごく思います。

──アチコさんは？

アチコ　私はまず本当にKARENのみんなとしか出せない、やれない音楽があったと思っています。あと、KARENだったから歌えたことがあったし。KARENだから感じてもらえたことがあったし。本当にもう、ずーっとそれを感謝しながら5年間続けてきて。だから今は、これからのみんなの活動をすごい応援したいという気持ちと、自分のことは、これからもこれまでどおり、自分の歌を歌っていけたらいいなと思うし。本当にKARENで歌を歌うようになって、いろんな女の子とか、いろんな男の子がすごく近くに感じられるようになったのが、すごく大きくてやっぱり。

──いろんな女の子、男の子って、人のことですか。

アチコ　人。ライブを観に来てくれる人とか、CDを買ってくれる人とか。人がとにかく近く感じられるようになったかもしれないですね。

──昔は遠かったんですか？

アチコ　ははは。やっぱり、もっとなんか遠かったような気がするんですよね。だけど「もっと近くに行くにはどんな歌を歌っていったらいいかな？」とかすごい考えられるようになったし。いただいたものをすごい大事にして、これからも音楽を続けていきたいなと思いますね。私たちは、今年1年マンスリーを企画してるんですけども。さっきも言いましたがあと4回あります。その4回、本当に全力で、お客さんに感謝を込めてやらせていただきますので、ぜひ観に来てほしいです。

木下　あと4回観に来てほしいですね、やっぱり。見届けてほしいっつうか。逆にそんなことしかないですよ、やっぱ解散するぞっていうバンドは。観てほしいなっていうので。

秋山　なんで今のタイミングで発表したかったかというと、KARENはずっとライブ主軸にしてやってきたので。本当、最初の3年はライブしかやってないぐらいの感じだったし。だからできる限り今まで応援してくれたお客さんにライブ観てほしいってことで。それで恩が返せるかどうかわかりませんが、だったら早く発表しようっていうのがあったんですよね、みんな。

一同　うん。

アチコ　だからみんなに観てもらいたいです。最後は笑顔で！