幽世テロルArchitect|初アルバムに込められた3人の覚悟

幽世テロルArchitectが1stフルアルバム「Cultural Mixing」をリリースした。

昨年10月に1stシングル「かごめかごめ / Hybrid TABOO」をリリースし、デビューを果たした幽世テロルArchitect。デビューから半年足らずのタイミングで発表される今作には、水谷和樹(Gauche.)、syvaといったコドモメンタルINC.所属のアーティストに多数の楽曲を提供している作家のほか、MOP of HEADのGeorge(Machine)による書き下ろし曲など計12曲が収められる。音楽ナタリーで3度目のインタビューとなる今回の特集では、それぞれが感じるメンバーの成長、歌詞や曲調などに表れているユニットを取り巻く空気感の変化などを語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦

やっと感情が芽生えた

──1stフルアルバム「Cultural Mixing」が完成したわけですが、皆さんまだ最初のCDをリリースしてから半年経っていないんですよね。

个喆

个喆 はい。

のなめら すごいスピード感なので、あわあわしています。

──デビューからアルバム完成に至るまで、いろんなことがあったと思いますが、皆さんは自分自身の変化を感じていますか?

个喆 私、ツアーを回ってきた中で“感情が増えたな”って思ったんです。

のなめら 个喆はいろんな表情をするようになりました。

个喆 やっと喜怒哀楽が表現できるようになったと言うか。

──なるほど。

のなめら のなは自分の振付とか表現について、細かく考えられるようになりました。「この曲ではこう表現したい」とか、1曲の中でも表現にバリエーションを付けるようにして。

──マロさんは?

ヤマコマロ

ヤマコマロ 私も个喆と一緒で、最初はあんまり感情を出していなかったんです。感情を出していなかったと言うか、感情がなかったと言うか。この半年でいろいろなものに触れて、自分の感情が芽生えた感じがするし、歌い方も最初の頃と今では全然変わったなと思うんですよ。

个喆 マロは最初、ホントに気持ち悪くて……(笑)。

ヤマコマロ えっ!?

个喆 ライブのときの手の動かし方とか、なんか気持ち悪く感じてたんです。でも今は色気がある気持ち悪さがある。

ヤマコマロ 結局気持ち悪いのか(笑)。

のなめら なんだろう、自分の動きの変な部分を生かせるようになってきたんだと思います。

ヤマコマロ 私、昔から「気持ち悪い」って言われることがコンプレックスだったんです。でも今はもうそういうのを気にしなくなって。逆にその気持ち悪さ、違和感を「武器に変えてやる」って思ってます。

昂ぶりすぎた初ワンマン

──皆さんは1月の東京・TSUTAYA O-Crestを皮切りに、現在ワンマンツアー中です。これまでコドモメンタルINC.の先輩アーティストと競演するイベントには数多く出演していましたが、ワンマンライブはこのツアーが初めてですよね。

のなめら

のなめら それが……初ワンマンのときはちょっとテンパっちゃって。

ヤマコマロ 感情が昂ぶりすぎちゃったよね。

个喆 うんうん。

のなめら 私たちだけのために集まってくれたお客さんを前にして、うれしかったんですけど、自分たちが納得できるようないいライブにはできなかった。

ヤマコマロ 曲のテンポと歌がズレてしまったりして、満足のいくライブはできなかったんです。

个喆 焦っちゃったよね。

のなめら うん。

──その後のツアーはどうでしたか?

のなめら 3人でいろんな反省点を出して、次のワンマンライブはだいぶよくなったと思います。

个喆 よくなった。

ヤマコマロ 細かいところでも3人で相談して改善するようにしていて、毎回毎回成長していることを実感しています。初日の東京公演はうまくいかなかったけど、また東京でワンマンをやってリベンジしたいですね。

幽世テロルArchitect「Cultural Mixing」
2018年3月14日発売 / コドモメンタルINC.
幽世テロルArchitect「Cultural Mixing」初回限定盤

[CD]
2000円 / CMI-0035

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収録曲
  1. ユビキリゲンマン
  2. Hide and Seek
  3. 鬼乃狗摩音頭
  4. Therefore?
  5. Hybrid TABOO
  6. いろはにコラージュ
  7. カクリヨ奇想曲
  8. Original Satire
  9. 摩訶不思議ズム
  10. Never
  11. Like a Fake
  12. かごめかごめ
幽世テロルArchitect(カクリヨテロルアーキテクト)
のなめら、个喆、ヤマコマロの3人からなるユニット。2017年7月にのなめらと个喆の2人体制で活動を開始し、所属レーベルプロダクション・コドモメンタルINC.が主催するライブイベント「こどもめんたる~はっぴょうの伍~」で初ライブを行う。同年8月にヤマコマロが加入し、3人体制に。同年10月に1stシングル「かごめかごめ / Hybrid TABOO」を、翌11月には2ndシングル「ユビキリゲンマン」を発表した。2018年1月には初のワンマンツアー「SUBTABOO TOUR」を開催。同年3月に1stフルアルバム「Cultural Mixing」をリリースする。