ナタリー PowerPush - カノジョは嘘を愛しすぎてる
MUSH&Co.×青木琴美「カノ嘘」談義
青木琴美が「月刊Cheese!」で連載中の人気マンガ「カノジョは嘘を愛しすぎてる」が実写映画化。主人公の天才サウンドクリエイター・小笠原秋役を佐藤健が演じ、相手役の“天性の歌声を持つ”女子高生・小枝理子役は約5000人のオーディションから選ばれた新人・大原櫻子が演じる。この冬、すべての「カノ嘘」ファンの期待に応えられるであろう音楽×恋愛ムービーに仕上がっている。
今回ナタリーでは原作者の青木と、映画の中で理子の所属バンド・MUSH&Co.のメンバーを演じた3人の座談会を企画。青木から見たMUSH&Co.の印象や、3人から青木への質問コーナーなど、大いに盛り上がった「カノ嘘」談義をお届けする。
取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 福本和洋
ガチのイケメンがきたなと(笑)
──まず青木さんに伺いたいのですが、MUSH&Co.を演じた3人の印象はいかがですか?
青木琴美 もうホントかわいいですよね(笑)。フレッシュだしバランスも絶妙で、もう1つの作中バンドCRUDE PLAYと対照的な雰囲気もすごくいいなと思います。1人ずつの印象でいうと、理子は……。
大原櫻子 めちゃくちゃ緊張する!(笑)
青木 そんなそんな(笑)。櫻子ちゃんはオーディションのときから2回ほど観てて。私は審査に参加してませんが、オーディションの現場を取材したいとお願いし、見学に行った日がまさに櫻子ちゃんの審査のときで、私も見てすぐに「この子だな」って思いました。歌ったときのゾワってくる感じが、ほかの子と全然違ったので。
大原 (恐縮しつつ)ありがとうございます! 理子の声って、当たり前ですがマンガだと聞こえてこないじゃないですか? だからどう歌えばいいのかすごく迷ったんですけど、(マンガの)歌のシーンを見てたら「大好きな歌を届けたい」っていう気持ちを表現できたらいいのかなって。すごく緊張しましたが、一生懸命歌いました。
青木 あと私の記憶が確かならば、櫻子ちゃんの歌審査だけ予定時間をオーバーしてたんですよ。それに審査員の方々が気付いてなくて、終わってから「あ、こんなに時間経ってたんだ」みたいなことを言ってて。
大原 初耳です(笑)。そんなことがあったんですね。
──ギタリストのユウちゃん(君嶋祐一)を演じた吉沢さんと、ドラマーのソーちゃん(山崎蒼太)を演じた森永さんについてはどうですか?
青木 ユウちゃんはマンガでは雰囲気イケメンだったんですけど、ガチのイケメンがきたなと(笑)。イケメン好きの読者さんは喜んでくれるだろうなと思いました。でも映画の中の吉沢さんを見ると、これは褒め言葉なんですが、すごく残念なイケメンになってて(笑)。ちょっとヘタレなのに意地っ張りなところや理子に対して素直になれない不器用さを、表情をうまく崩しながら演じてらっしゃって、「すごいな。やっぱり俳優さんだ」って思いました。
吉沢亮 ありがとうございます。確かに“残念感”みたいなものは撮影でも意識してました。あと僕は原作や台本を読んだときに、登場人物の中で一番テンションが高い役かなと思ったんです。だから全体的にクールでスタイリッシュな「カノ嘘」の中で、MUSH&Co.のシーンはほかより2つくらいトーンが上がる感じになればいいなって。それが先生に伝わったんだなと思うとうれしいです。
青木 で、ソーちゃんは癒し系ですよね。私、映像化のキャスティングに基本口を出さないんですけど、ソーちゃんだけはちょっとこだわりがあって。理子が何か困ったり傷付いたりするとソーちゃんを頼る……ってシーンが原作にもあるんですが、そのときの理子が女子から見てイヤな子に映ってほしくないなって。(理子を)受け止める男の子の雰囲気はすごく大事だなって思っていたので、森永さんはバッチリでしたね。
森永悠希 あー、よかったです!(笑)
青木 だから全然太ってない(※原作のソーちゃんはふっくらしている)とか気にしないでくださいね(笑)。
森永 今の一言でホントに安心しました! 僕、青木先生にイメージと違うって思われてないかすごく不安だったんですよ(笑)。
極寒のライブシーンは大変だった
──青木さんは何度か撮影現場にも足を運ばれたそうですね。
青木 はい。原作がまだ連載中なので、勉強のためにライブシーンは絶対観ておきたいと思ってたんですが、それも含めて計6回行きました。でも皆さんに気を遣わせてしまうので、なるべく視界に入らないよう観させていただきました(笑)。
──キャスト、スタッフ含め熱量がすごく高い現場だったそうですが、それは感じましたか?
青木 そうですね。皆さんすごく楽しんで作ってるのがわかったし、スタッフがキャストのことを「私たちの自慢の子たち」みたいな感じで見てるのが伝わってきて。キャスト同士も仲がよくて、和気あいあいとしつつもちゃんとピリリと締まるところもあって、そこが素晴らしいなと思いました。
大原 先生が今言ってくださったライブシーンは、特にMUSH&Co.のお披露目のシーンがすごく大変で。1500人のエキストラの方に集まっていただいたんですが、極寒の雨の中、たまの晴れ間を見ながらの撮影だったんです。手がかじかむと演奏ができないから、裏ではお湯を張ったバケツに手を入れて温めたりして……。
吉沢 お客さんを寒い中待たせて申し訳ない気持ちもあったんですけど、皆さんすごく温かい声援で盛り上がってくれて。助けられた感が大きかったです。
森永 でも3人とも本当に緊張してて。立ち会ってくれた亀田(誠治)さんが「大丈夫だから楽しんで」って言葉をかけてくれたんですが、それでもまだドキドキして(笑)。でも吉沢さんが言ったように、お客さんがすごく盛り上がってくれたので僕たちも楽しかったです。
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」
映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』冬フェス2013
2013年12月8日(日)東京都 渋谷各所
- MUSH&Co. ニューシングル「明日も」 / 2013年12月4日発売 / Victor Entertainment / HEARST RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1260円 / VIZL-618
- 期間限定スペシャルプライス盤 [CD] / 525円 / VICL-36862
CD収録曲
- 明日も
- 明日も(INSTRUMENTAL)
初回限定盤DVD収録内容
- 明日も(MUSIC VIDEO)
- CRUDE PLAY ニューシングル「サヨナラの準備は、もうできていた」 / 2013年11月27日発売 / Victor Entertainment / HEARST RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1260円 / VIZL-617
- 期間限定スペシャルプライス盤 [CD] / 525円 / VICL-36861
CD収録曲
- サヨナラの準備は、もうできていた
- サヨナラの準備は、もうできていた(INSTRUMENTAL)
初回限定盤DVD収録内容
- サヨナラの準備は、もうできていた(MUSIC VIDEO)
- V.A. 「映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』~MUSIC BOX~」 / 2013年12月18日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD+DVD]
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3150円 / VIZL-623
- 通常盤 [CD] / 2625円 / VICL-64099
CD収録曲
- INSECTICIDE / CRUDE PLAY
- 明日も / MUSH&Co.
- サヨナラの準備は、もうできていた / CRUDE PLAY
- 卒業 / CRUDE PLAY
- うたうたいのうた / ハッポ☆スチロールズ
- 明日も(アコースティック ver.)/ 小枝理子&篠原心也
- 祈り / 茉莉
- 卒業(アコースティック ver.)/ 小枝理子&小笠原秋
- ちっぽけな愛のうた / 小枝理子&小笠原秋
<ボーナストラック>
- 春姉ちゃんを幸せにしなかったらぶっ飛ばすの歌 / 小笠原秋
初回限定盤DVD収録内容
- 「INSECTICIDE」ミュージックビデオ
- 「明日も」ミュージックビデオ(デビューライブ ver.)
MUSH&Co.(まっしゅあんどこー)
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場する3人組バンド。小枝理子(Vo)を大原櫻子、君嶋祐一(G)を吉沢亮、山崎蒼太(Dr)を森永悠希が演じる。バンド名は、劇中に登場する音楽プロデューサー・高樹総一郎が、理子が所属するバンドをメジャーデビューさせる際に、彼女の髪型(マッシュルームカット)にちなんで付けた。2013年12月4日には、劇中から飛び出し現実世界でもデビューシングル「明日も」をリリース。
青木琴美(あおきことみ)
愛媛県出身のマンガ家。1998年に「少女コミック」11月増刊号にてデビューを飾る。代表作に「僕は妹に恋をする」「僕の初恋をキミに捧ぐ」があり、いずれも実写映画化されている。現在「月刊Cheese!」にて「カノジョは嘘を愛しすぎてる」を連載中。同作も佐藤健主演による実写映画が、2013年12月14日に全国公開される。