音楽ナタリー Power Push - 金子ノブアキ × 綾野剛

痛みと苦しみを共有する2人

金子ノブアキがニューアルバム「Fauve」を5月11日にリリースした。

このアルバムはRIZEのドラマーや俳優などさまざまな顔を持つ金子の3枚目のソロアルバム。音楽ナタリーではこのアルバムの魅力を探るべく、金子と10年以上の付き合いになるという俳優・綾野剛との対談をお届けする。感性が近いという2人に、好きな音楽の話から人生観までたっぷりと語り合ってもらった。

取材・文 / 荒金良介 撮影 / 廣瀬順二

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出会いは10年以上前

綾野剛 まずは、アルバム発売おめでとう!

金子ノブアキ ありがとうございます。

──お二人はいつ頃知り合ったんですか?

金子 10数年前になるのかな。

左から金子ノブアキ、綾野剛。

綾野 お互い20歳か21歳ぐらいだった気がする。先にあっくんの弟のKenKenと知り合って。当時、彼は13、14歳ぐらいだったかな。KenKenとは何歳離れてるの?

金子 5歳離れてる。

綾野 じゃあ、やっぱりそれくらいだね。もちろんRIZEの金子ノブアキとしてあっくんの存在は知ってたんだけど、KenKenと出会って、顔を合わせるうちにどんどん仲よくなった感じですね。

金子 夜、代官山のAIRあたりでよく会ってたよね。

綾野 そうそう。あっくんは子供の頃から役者をやってたよね?

金子 うん。

綾野 俺は当時、何者でもなかったから恐れ多い感じはありましたね。だけど、とてもフランクに接してくれて。この人は昔からずっと変わらないんですよ。怒らない、イライラしない、ずっとにこやかにしてる。もちろん考え方は変わってるんだろうけど、根っこは変わらない。安心感を与えてくれる存在ですね。あと、奥さんともね……俺が引き合わせたみたいになってるよね。

──そうなんですか?

綾野 あっくんと一緒にごはんを食べてるときに、「あっくんがしゃべりたいと言ってるから、しゃべってくれる?」って言って彼女を連れてきて。

金子ノブアキ

金子 剛くんから恐ろしい精度のセンタリングが上がってきて、あとは流し込むだけみたいな(笑)。

──綾野さんは金子さんのキューピッドなんですね。

金子 はははは(笑)。

──綾野さんがRIZEのライブを初めて観たのは?

綾野 具体的には覚えてないんだけど、かなり前だと思いますね。

金子 KenKenが入ってすぐくらいじゃなかったかな。ライブのあと飲みに行ってね。

綾野 ライブ、最高でしたね。ベースとバスドラが合いすぎてるんですよ。ベーシストのKenKenとドラマーのあっくんの音が、遺伝子レベルで合ってるから。

金子 レコーディングではむしろちょっとズラさないと、聴こえなくなるんですよ。

──まさに一糸乱れぬ血縁のグルーヴですね。

綾野 あっくんは30代のドラマーで1、2位を争うドラマーだと思います。

デスメタル好きの綾野

──金子さんから見た綾野さんはどんな方ですか?

金子 基本的に剛くんは人を癒すし、人に気を遣うし、人をつなげるのが好きで。初めて会ったときからずっとこのままですね。知り合ってから少し間が空いて、映画「クローズ ZERO II」の撮影で再会したんですよ。俺にとってはひさしぶりの撮影現場だったんですけど、知ってる人がいたから助かったな。「新宿スワン」撮影中は座長として周りに気を配って、現場の流れを作る。ワンテイクごとに撮影が終わったら、すぐに役者たちに声をかけるみたいな。ウチの奥さんに声をかけたときと同じ感じですよ(笑)。

綾野 ははははは(笑)。

──綾野さんは以前バンドも組んでいたんですよね。どのようなバンドをやっていたんですか?

綾野 いろんなバンドをやっていました。始めはすごくわかりやすく言うと、Slipknotみたいなバンドですね。僕、ヘヴィメタルやデスメタルが大好きで。

──そうなんですね。

綾野剛

綾野 L'Arc-en-Ciel、LUNA SEA、THE YELLOW MONKEYあたりから始まり。当時Green Day、The Offspring、NoFXとかのメロコアバンドが流行っていたんですけど、なぜか僕はNirvanaやマリリン・マンソンにハマッてしまって。hideさんがやってたZilchに出会い、東京に出てからSlipknotに出会って、そこから加速するようにデスメタル系のDying Fetus、Dimmu Borgirを聴くようになりました。

──まさか綾野さんの口からDying FetusやDimmu Borgirの名前が出てくるとは思いませんでした。

綾野 ははは(笑)。どんどんゴリゴリなほうへいきました。そこからなぜか空間系音楽にハマって。downyやROVOとか。My Bloody Valentineみたいな音楽はなんていうの?

金子 シューゲイザー。

綾野 うん。そこからシューゲイザーを聴くようになりました。でもSigur Rós、スティーヴ・ライヒ、Radioheadなんかも好きだし、あ、あとMuseもすごく好きで。マシュー・ベラミーのギターは素晴らしい。Museは世界で一番うまいスリーピースバンドなんじゃないかな。結局バンドならなんでも聴きます。音楽で唯一あまり聴かないのはヒップホップぐらいですね。自分のバンドではボーカルを担当してたこともあるんですが、インストバンドもやったし、なんでもやってましたね。

金子 テレビ番組(NHK BSプレミアムの「裸にしたい男『綾野剛』」)で剛くんが演奏している姿を初めて観たんだけど、すげえよかった! 地元で昔のバンドメンバーと演奏するっていう内容だったんですけど、野原にアンプを並べて……カッコよかったな。

綾野 ありがとう。

金子 剛くんは普段からバンドマンっぽいところがあるんですよ。飲んでるときに「デモテープ聴いてよ」って聞かせてくれたり。

綾野 あっくんは優しいから「カッコいいじゃん!」って言ってくれるしね(笑)。こないだは趣味でFear, and Loathing in Las Vegas、その前にはTK from 凛として時雨のライブに行きました。こんな感じだからいまだに役者よりもバンドつながりの友人のほうが多いかもしれない。

金子ノブアキ ニューアルバム「Fauve」 / 2016年5月11日発売 / 2700円 / VAP / VPCC-81874
金子ノブアキ ニューアルバム「Fauve」
収録曲
  1. awakening
  2. Take me home
  3. Tremors
  4. Garage affair
  5. Firebird
  6. blanca
  7. Lobo(Album ver.)
  8. Icecold
  9. Girl(Have we met??)
  10. dawn
  11. The Sun(Album ver.)
  12. fauve

金子ノブアキ Tour 2016 "Fauve"

2016年6月2日(木)
石川県 金沢市民芸術村 パフォーミングスクエア
2016年6月3日(金)
福岡県 イムズホール
2016年6月13日(月)
大阪府 umeda AKASO
2016年6月14日(火)
愛知県 愛知県芸術劇場 小ホール
2016年6月16日(木)
東京都 EX THEATER ROPPONGI ゲスト:enra
金子ノブアキ(カネコノブアキ)
金子ノブアキ

幼馴染みのJESSEと共にRIZEを結成し、2000年いデビュー。その随一のドラムセンスが高い評価を受け、2002年に史上最年少で「リズム&ドラム・マガジン」の表紙、2005年にはパールドラムのバナー広告をチャド・スミス(RHCP)、ジョーイ(Slipknot)に並び日本人で初めて飾る。2009年にはRIZEと並行してソロプロジェクトも始動させ、同年7月に1stアルバム「オルカ」、2014年2月に2ndアルバム「Historia」を発表した。2015年にはギタリストにPABLO(Pay money To my Pain)を迎え、初ソロライブを実施。音楽、映像、照明を駆使し総合芸術として表現するライブは高い評価を受ける。また同年10月に清川あさみ作の絵本「シートン動物記 狼王ロボ」 にインスパイアされ制作をした楽曲「LOBO」 を配信リリース、2016年5月には3rdアルバム「Fauve」を発売した。また俳優としてもテレビドラマやCM、映画などでも活躍。2016年6月25日より東京・ユーロスペースより全国順次ロードショーされる映画「スリリングな日常」に出演する。

綾野剛(アヤノゴウ)

1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。2003年に俳優デビューし数々の映画やテレビドラマに出演する。2013年に「横道世之介」と「夏の終り」で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2014年公開の「白ゆき姫殺人事件」「そこのみにて光輝く」で第88回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞に輝いた。2016年6月25日に白石和彌監督作「日本で一番悪い奴ら」、9月17日に李相日監督作「怒り」、秋に「闇金ウシジマくん Part3」「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」の公開を控えている。また6月末に開催される「第15回ニューヨーク・アジア映画祭」にてライジング・スター賞を授賞する。

ヘアメイク(綾野剛) / 井村曜子(éclat)
スタイリスト(綾野剛) / 澤田石 和寛(SEPT)
衣装協力(綾野剛):Etro
スーツ ¥250,000 / シャツ ¥53,000
(エトロジャパン 03-3406-2655) ※価格は税抜き