KAMIJO|無限の可能性提示するフランス革命時代のIfストーリー

KAMIJOがニューシングル「mademoiselle」を9月27日にリリースする。

彼が自身の誕生日である7月19日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで開催したワンマンライブ「Epic Rock Orchestra」でも披露したシングルの表題曲はバイオリン、ピアノを中心としたシックなサウンドとジャズ、ロック、クラシックの要素を融合させたアレンジが印象的なナンバー。フランス語で“お嬢様”を意味する「mademoiselle」と言うタイトルには、“人間同士の交流から生まれる無限の可能性”と言うメッセージが込められているという。今回のインタビューでは「mademoiselle」の制作過程を中心に10月9日に東京・東京キネマ倶楽部で行われる室内楽ライブ「Epic Rock Orchestra -Chamber Music Ensemble-」などについても語ってもらった。

取材・文 / 森朋之

出会いには“無限の可能性”がある

──ニューシングル「mademoiselle」は、KAMIJOさんの誕生日に行われたライブ「Epic Rock Orchestra」でも披露されていましたが(参照:KAMIJO、誕生日Zeppワンマンで新曲「mademoiselle」披露)、制作はいつ頃から行われたのですか?

コンセプト自体は昨年の段階で決まっていました。最初はもっと音数が多かったんですが、最終的にはバイオリン、ピアノ、ギター、ベース、ドラムだけで構成することにしました。そこに至るまでにはかなり時間がかかっていますね。

──シングルのコンセプトはどういうものだったんでしょう?

“無限の可能性”です。「mademoiselle」と言うのは男性がまだ一歩距離を置いた女性に語りかけるときに使う言葉です。僕は、人と人とが出会った瞬間、そこには“無限の可能性”があると思うんですよ。それは男女の関係であっても、仕事の関係であっても。これは前作「カストラート」から続いているテーマでもあって、未知の世界に向かって飛び出していくときの不安と、同時に抱くワクワクした気持ちを歌いたかったんですよね。

──このタイミングで“無限の可能性”をテーマにしたのは、どんな理由があったんですか?

僕は2015年にキャリア20周年を迎えました。そして今年はVersaillesの結成10周年。けっこう長い期間歌ってきたなと思っているんですね。自分自身の中でマイナーチェンジを繰り返しながら、常に喜びを感じて歌い続けてきたので、こういうポジティブな姿勢をカタチにしたいというのが1つの理由です。あとは自分の可能性を高める方法を自ら確かめることによって、さらにその幅を広げられるんじゃないかと思ったんですよね。

アレンジで楽曲が日本からパリに飛んでいった

──20年にわたって独自の美意識を貫きながら活動しているKAMIJOさんですが、歌うことに対するモチベーションは変化していますか?

音楽を始めた当初は、すごく大きな場所で歌うことを想像していたし、まさに無限の可能性を感じていたんです。活動を続けていく中で現実の壁にぶつかることもありましたが、自信を持って歌を届けるということをずっと続けてきました。それをあきらめたら終わりですからね。結論から言うと、無限の可能性を得るためにはまだやっていないことにチャレンジするしかないんですよ。そうすることで新しい可能性を手にすることができるので。

──実際、「mademoiselle」のサウンドメイクにおいても新しいトライをしていますからね。

そうですね。この曲のポイントはジャジーなコード進行だと思います。最初はもっとシンプルな楽曲だったんですが、「このメロディを生かして、まったく違う世界観にしたい」と思って、ジャズのテイストを取り入れて。さらにバイオリンとピアノを加えることによって、この形にたどり着きました。

──バイオリンのアレンジもKAMIJOさんが手がけているんですか?

メインとなるフレーズは自分で作っていて、曲中のアレンジに関しては先日のワンマンライブにも参加してくれたクラッシャー木村さんにお任せしています。ピアノもライブのメンバーである佐山こうたくんが弾いています。こだわりとしてバイオリンの音色を少し歪ませているんですよ。そうやってクラシックな楽器の音色にデジタル処理を加えることでスタイリッシュになったし、ギターとの兼ね合いもよくなって。SHUSEさんのベースもいいんですよね。音数が少ないからこそ彼のベースが生きると思ったのですが、想像以上に素晴らしい演奏をしてくれました。最初はフォークとか歌謡曲のような雰囲気だったのですが、アレンジによって楽曲が日本からパリに飛んでいったんじゃないかなって。

──“フランス革命の時期のパリ”はKAMIJOさんの音楽に欠かせない要素ですからね。

KAMIJO

はい。この楽曲には表の顔と裏の顔があって。表の顔は先ほどご説明した“無限の可能性”の話なのですが、裏の顔としてフランス革命の時期の出来事をもとにした“Ifストーリー”も詰まっているんです。それはソロ活動を通して描き続けている物語なんですけどね。具体的にどこまでお話するかは悩むところですが……例えばこの曲の英語詞の部分では“僕を見上げる姫君になりたいかい?”と歌っているんです。いろんなことを知り尽くした男性が無邪気な女性に話しかけているわけですが、そこには“禁じられた情事に飛び込んでおいで”という危険な香りも漂っている。さわやかなパリの風だけでは、KAMIJOの音楽は成立しないんですよね。あと「二人しか知らないあの日が 逆さまに飾られている」と言う部分は「ダ・ヴィンチ・コード」にも通じる物語が含まれています。もちろんストレートに楽曲を受け取ってもらってもけっこうですが、いろんな角度から読み解くこともできるゲームのような要素もあるので、探ってみると楽しいと思いますよ。

──さまざまな要素を含んだ楽曲なんですね。音数が少ないぶん、ボーカルの表現もさらに重要になっています。

そう、ニュアンスを出すのはかなり大変でした。ドキドキした感じが必要なのに「ガラス越しに映る影が少しだけ笑った気がした」と歌ってるとなぜか楽しくなってきちゃって(笑)。

「カストラート」と通ずる「証言」

──2曲目の「証言」はどんなテーマで制作されたんですか?

「証言」は「mademoiselle」の裏の顔を紐解く1曲です。タイトル通り、ある人物に対するさまざまな証言をテーマにしているのですが、その人物とは4000年以上生きていると言われるサン・ジェルマン伯爵のことなんです。18世紀中頃からフランスの社交界で活躍し、1980年代には日本にも来ていたと言われる実に興味深い人物なんですよ。前作「カストラート」は伯爵自身の視線から物語を描いたのですが、「証言」は彼の目撃情報を集めたという感じですね。

──「mademoiselle」とは対照的なロックテイストを押し出したサウンドも印象的でした。

「証言」はストリングスやシンセを使わず、ギター、ベース、ドラムが中心になっています。加えたのはクワイアだけですね。シンプルでありながらも時空を超えるような楽曲にしたかったので、自分の音作りの根本の部分を見つめ直して。楽曲作りを始めたばかりの頃はギター、ベース、ドラムまでしか作り込めなかったし、そこでいろいろなことを試していたんです。この曲はそれをさらに突き詰めたという感じかもしれないです。特にこだわったのはギターのパートで、ギタリストのMekuくんと何度もやりとりしながら音色なども慎重に作っていきました。「人の愛 何が実態なのか?」と言う歌詞を音にするためには、このサウンドが必要だったんですよね。

KAMIJO「mademoiselle」
2017年9月27日発売 / Sherow Artist Society
KAMIJO「mademoiselle」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+DVD]
2700円 / SASCD-083

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KAMIJO「mademoiselle」初回限定盤B

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1944円 / SASCD-084

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KAMIJO「mademoiselle」通常盤

通常盤 [CD]
1620円 / SASCD-085

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初回限定盤A・B CD収録曲
  1. mademoiselle
  2. 証言
  3. Heroes -First Layer-
通常盤 CD収録曲
  1. mademoiselle
  2. 証言
  3. 憂いの花が綴る愛
  4. Heroes -Third Layer-
  5. mademoiselle(Instrumental)
  6. 証言(Instrumental)
  7. 憂いの花が綴る愛(Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
  1. 「カストラート」Music Clip
  2. 「mademoiselle」Music Clip
初回限定盤B DVD収録内容
  • 貴重な制作現場やコンサートの舞台裏の映像と共にKAMIJO自身を紐解く約40分の特別映像

公演情報

KAMIJO「Epic Rock Orchestra -Chamber Music Ensemble-」~高貴なる室内楽の調べ~

2017年10月9日(月・祝)東京都 東京キネマ倶楽部
OPEN 14:15 / START 15:00

KAMIJO「Epic Rock Orchestra -Halloween Rock Party-」~怪物達のロックハロウィーン~

2017年10月9日(月・祝)東京都 東京キネマ倶楽部
OPEN 18:15 / START 19:00

KAMIJO TOUR 2018
  • 2018年3月24日(土)東京都 鹿鳴館
  • 2018年3月30日(金)京都府 KYOTO MUSE
  • 2018年4月1日(日)大阪府 OSAKA MUSE
  • 2018年4月8日(日)神奈川県 新横浜 NEW SIDE BEACH!!
  • 2018年4月14日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2018年4月21日(土)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2018年4月29日(日・祝)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2018年4月30日(月・祝)岡山県 IMAGE
  • 2018年5月3日(木・祝)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2018年5月4日(金・祝)福岡県 DRUM SON
  • 2018年5月12日(土)愛知県 ell.FITS ALL
  • 2018年5月13日(日)静岡県 Sunash
  • 2018年5月19日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2018年5月26日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2018年5月27日(日)石川県 vanvanV4
  • 2018年6月2日(土)北海道 DUCE
  • 2018年6月3日(日)北海道 DUCE
  • 2018年6月10日(日)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2018年6月16日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
-TOUR 2018 FINAL-
  • 2018年7月15日(日)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
KAMIJO(カミジョウ)
KAMIJO
1995年からヴィジュアル系ロックバンドLAREINEのボーカリストとして活動し、1999年にSME Recordsよりデビュー。その後2007年春にVersaillesを結成し、2009年にワーナーミュージック・ジャパンよりデビューした。Versaillesはデビュー作となるシングル「ASCENDEAD MASTER」でオリコン週間ランキング8位を記録し、2012年12月に活動休止。KAMIJOは在籍したバンドでほぼすべての作詞と大半の作曲を手がけており、劇伴制作でも才能を発揮している。2013年8月にシングル「Louis ~艶血のラヴィアンローズ~」でソロデビュー。2014年3月にはワーナーミュージック・ジャパンからソロメジャーデビュー作品「Symphony Of The Vampire」をリリースし、同年9月に1stフルアルバム「Heart」を発表した。活動20周年を迎える2015年はワールドツアーの開催に加え、オールタイムベストアルバム、リバイバルベストアルバムの発売と一層精力的に活動を行った。2015年末にVersaillesの活動再開を発表し、現在はバンドと並行してソロ活動を行っている。2017年は5月にシングル「カストラート」をリリースし、7月にワンマンライブ「Epic Rock Orchestra」を実施。9月にシングル「mademoiselle」をリリースする。2018年3月より自身最大規模のツアーを開催することも決定している。