AKBの中で5本の指に入るくらいネガティブ

──AKBのカラオケ大会で演歌を歌って優勝してから、どういう経緯を経て本格的に演歌をやってみようと思うようになったんですか？

優勝したのをきっかけにいろんな方の声を聞いて、もっと歌ってみようって思うようになって今の事務所に移籍しました。やっぱりカラオケ大会で評価してもらえたのがうれしかったし。あと、もし演歌を歌えたらAKBの中で私だけの武器にもなるなって。もちろん武器にしたいっていうことを優先して歌ってるわけではないんですけど、ちゃんと歌えるようになったら自分の個性にもなるだろうなと思ったので。

──そこからデビューに向けて準備期間に入るわけですが、それと前後して渡り廊下走り隊7のメンバーにもなりました。渡り廊下に加入することが決まったときはどうでした？

すごくうれしかったですよ。最初はラジオ番組のためだけのユニットとして活動していたんですけど、正直私が渡り廊下のビジュアルレベルを下げてしまうんじゃないかと思っていて。

──えっ、そんなことはないでしょう？（笑）

いやいや、笑いごとじゃなくて本当に。加入できてうれしい反面、ずっとそこを心配してたんです。渡り廊下のファンの皆さんからも受け入れてもらえるかなって心配でしたし。私、AKBの中で5本の指に入るくらいネガティブだと思いますよ。

──子供の頃の話を聞く限りでは、そこまでネガティブとは思えないんですが。

本当です、これは。私は嘘はつかないんだ。

──なんで急にそこまでネガティブになっちゃったんですか？

AKBに入って、かわいい子はたくさんいるんだっていう現実を目の当たりにしてしまったんでしょうね。私は本当にアイドルになろうと思ってなかったから自分のことをかわいいとは全く思ってなかったですし。だけどアイドルである以上、かわいくなくちゃダメなんだと思ったら余計に卑屈になってしまって。

──なるほど。

みんな歌もうまいしダンスも上手だし。でもダンスとか歌とかは続けていけばみんなうまくなりますよね。そうなると「あ、結局顔なんだな」みたいな感じになって（笑）。ホント、ずっとネガティブでしたね。

自信がないとか言ってないでがんばらないと

──演歌歌手としてのソロデビューが決まったときのことは覚えてますか？

はい。今の事務所に移籍してから「いつかは演歌歌手をやらせてもらえるのかな？」って心の中で思ってはいたんですけど、実際に聞いたときは……やっぱりソロ歌手としてCDを出すことが夢だったので、素直にうれしかったです。

──で、昨年の2月1日にシングル「無人駅」でデビューするわけですが、この1年間イベントで各地を回ったりいろんな活動をしてきましたよね。各地で迎えてくれる人たちというのは、AKBの握手会とはまた違った感じなんですか？

いつも来てくださるファンの方もいるんですけど、その行った土地行った土地で演歌のカバー曲を歌ってると地元のおじいちゃんおばあちゃんが観に来てくれて。ちっちゃい子もAKBが好きって言って来てくれたし、年代はすごく幅広いですね。

──イベントやテレビ番組では大御所の演歌歌手の方とも一緒になるわけですが、それもすごい経験ですよね。

いまだに緊張しますね。でも皆さんめちゃくちゃ優しくしてくれるんですよ。

──そういった方々との競演に対してプレッシャーは感じない？

プレッシャーというよりもなんというか……ステージで一緒に歌わせていただいたり、歌ってるところを観させていただいたりすると、同じステージに立たせてもらってるんだからもっとがんばらなきゃって思うようになりましたね。

──そんな中、AKBとしても昨年の総選挙では33位という結果を残し、ネクストガールズのセンターを務めました。

これは本当に運が良かったと思う。だって順位が1つ上でも下でもセンターではなかったですし。今まで総選挙で順位をいただいたことがなかったのでホント、ファンの皆様に感謝です。あの私、ソロデビューと総選挙の結果がネガティブガール卒業の2大きっかけなんです。デビューしたときはまだそこまで自信がなかったんですけど、総選挙でファンの皆さんがCDを1枚1枚買ってがんばって票を入れてくださったことが……演歌の歌唱キャンペーンで特にCD1枚買っていただけることの重みを実感することができたんです。そう考えたらファンの皆さんの存在がすごくありがたいなって思えて、だったら自信がないとか言ってないでがんばらないとって考えるようになりました。