INUWASI「SiX」インタビュー|休むことなく突き進む6人、夏に感じた変化と結果を出すことへの決意

犬と鷲のハイブリッドラプターを標榜する6人組アイドルグループ・INUWASIが4thミニアルバム「SiX」をリリースした。

精力的なライブ活動を展開すると同時に、短いスパンで次々に作品をリリースし、勢いを加速し続けているINUWASI。数量限定のリリースとなった新作ミニアルバムは、6月より3カ月連続でリリースされた配信シングルを含む計6曲入りで、持ち前のハードな音楽性を生かしつつ、ポップなエレクトロサウンドが盛り込まれている。音楽ナタリーではメンバー6人にインタビューし、この夏に感じた変化や新曲の聴きどころ、10月23日に東京・WWW Xで行われるワンマンライブ「INUWASI Tokyo Oneman Tour "I"」への思いを聞いた。

取材・文 / 西澤裕郎(SW)撮影 / 飛鳥井里奈

「TIF」メインステージ争奪戦で深まった絆

──前回の取材から約1年が経ちましたが、メンバー6人の関係性などに変化を感じることはありますか?

カリヲリ 今年は「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)に出演したり、その中で「メインステージ争奪LIVE」にも参加したりして、一段とメンバーの仲が深まったと思います。メンバーとファンの方の絆も夏を越えてより強くなったと感じています。

──「TIF」への出演はグループにとって大きな出来事だった?

はのんまゆ 去年は出れなくて悔しい思いをしたんですけど、今年やっと初出演できて、しかもかなり早めにオファーしていただいたんです。すごくうれしかったですし、「メインステージ争奪LIVE」を通して一致団結できた夏でした。

INUWASI

INUWASI

──「メインステージ争奪LIVE」はメインステージへの出演権を賭けた企画ですよね。

すずめ はい。メインステージであるZeppのステージへの出演を目指して、「TIF」に初出演する8組のアイドルがお客さんの投票をもとに競い合うんです。

はのんまゆ 注目されているグループさんがたくさん参加していたので「大丈夫かな……」と思っていたんですけど、予選ライブは1位で突破することができました。

ライカ 決勝戦は「TIF」の初日に行われて、残念ながらそこで敗れてしまったんですけど、ここで落ち込んでちゃ何も始まらないし、来年は自分たちの力でメインステージに立てるようめちゃめちゃがんばろうという熱い気持ちになって。応援してくれているファンの方みんなと一緒に、絶対にメインステージに行きたいという思いが大きくなりました。

がるむ 決勝戦では負けてしまうことがわかるにつれて涙が出てきちゃって。勝たなきゃ意味がないと思っていたので悔しかったです。その悔しさが態度に出すぎちゃっていたことも反省したし、まだまだ実力不足だなと思いました。

がるむ

がるむ

──グループ内の絆が深まったとのことですが、普段6人でどのようにコミュニケーションを取っているんですか?

はのんまゆ どちらかというとあまりプライベートの部分までは干渉しないようにしています。それがちょうどいい距離感で、チームとして仲がいいという関係性になっているのかなと思います。

カリヲリ みんな思いやりの塊だよね。

すずめ INUWASIのみんなはすごく優しくて、考えていることをその場面や相手に合わせた伝え方で伝えてくれるんです。私は前のグループにいたとき、思ったことをバシッと口に出して言うことが多かったんですけど、INUWASIでは周りの思いやりに助けられて、ここまで活動を続けてこれています。

すずめ

すずめ

INUWASIの名前が広まったと実感できる

──イヴさんはミニアルバムのリリースが発表されたとき、「今年の夏は自分の中で今まで過ごした夏よりも1番楽しかった」とコメントしていましたが、今年の夏、特に印象深かったことはなんでした?

イヴ 繰り返しになっちゃうんですけど、やっぱり「TIF」ですね。「メインステージ争奪LIVE」は決勝戦で負けてしまいましたが、たくさんの人に見てもらえる機会で。この夏は新曲もたくさん出して、レコーディングや振り入れは大変だったけど、本当に思い入れのある夏になりました。

イヴ

イヴ

すずめ 今イヴが話してくれたみたいに、「TIF」を通してINUWASIをいろんな方に知ってもらえたことが大きくて。私は個人で「ソロTIF」という企画にも挑戦したんですけど、メンバーが隣で応援してくれて、ファンの方たちが温かく見守ってくれたから挑戦できたんです。私にとっても大きな変化があった夏でした。

カリヲリ ほかにも「@JAM EXPO」など、大きな夏フェスに出演させていただいて、この夏でINUWASIの名前が広まったと実感できる日々でした。あと、今年の夏に定期ライブが始まったことも大きいですね。私たちが主催なので、競演者のほかのグループさんに負けるわけにはいかないという気持ちがより一層強くなるんです。

──確かに、INUWASIの名前を普段から見かける機会が増えたと思います。

ライカ いろいろな人に見てもらえる機会が増えたことで、INUWASIについてSNSで発信してくださる方や、ライブに足を運んでくださる方が多くなったのかなって。

はのんまゆ INUWASIのライブを観たいとSNSで言ってくれる方が増えました。しかも、有名なグループの方々とINUWASIの名前を並べてツイートしている人もいて、状況がすごく変わってきていることを感じられてうれしいです。

はのんまゆ

はのんまゆ

すずめ あと、6月から3カ月連続でシングルを配信した影響もあると思います。新曲を聴いてINUWASIのファンになったと言われることが多くなりました。

INUWASIが大きく変わったきっかけ

──少し遡りますが、今年5月には東京・Spotify O-WESTで「2ndOneman Live “狗鷲”」が開催されました。現在YouTubeでライブ映像をフル尺で観れるようになっていますが、120分という長尺のライブ、振り返ってみてどのようなワンマンでしたか?

ライカ ワンマンライブはこの日のために予定を空けてくれた方、INUWASIの曲が好きで来てくれてた方だけの空間だから、過去のワンマンよりもさらにパワーアップして成長した姿を見せようという気持ちで挑みました。本番に向けてたくさん準備したものの、当日になると緊張しちゃって……。自分の思いをうまく言葉で伝えられなくて後悔したところもあったんですけど、新曲を2曲披露したとき、お客さんが何も言わずにすぐにノッてくれて、すごくいいファンの方たちを持ったなと強く思いました。

──赤い紐で装飾されたステージもカッコよかったですよね。

がるむ 今のアーティスト写真もメンバーの上から赤い紐がぶら下がっているんですけど、2ndワンマンではそのアー写を意識して赤い紐をいろんなところに装飾していただいて、すごく素敵な空間になりました。休みなしでぶっ続けで踊ったのでライブの記憶はあまりないんですけど、友達に連れてこられた新規の方が私たちのパフォーマンスを観てファンになり、それから毎回ライブに来てくれるようになったんです。ファンの方の人生に影響を与えているんだなと実感したライブでした。

イヴ INUWASI史上最大のキャパだったんですけど、たくさんの方がフロアにいて。INUWASIに興味を持って会場に足を運んでくれた方がこんなにいるんだと思うとうれしかったですし、特典会では「すごくよかったよ」「人生で忘れられない1日になった」と伝えてくださる方もいて、人の記憶に残るライブができたことに喜びを感じました。

──新作ミニアルバムのお話を聞く前に、3月にリリースされた前作「天秤」について簡単に振り返らせてください。先ほど配信シングルを聴いてファンになった人がいるという話が出ましたが、「天秤」のときはどうでした?

カリヲリ 「天秤」をリリースしてからINUWASIが大きく変わったと思っていて。このミニアルバムの楽曲のうち、「Planetes」と「Altair」は今ライブで毎回のように披露しているんです。このアルバムがなかったらライブを作りあげることできないと感じるくらい、盛り上がり方が段違いなんですよ。

カリヲリ

カリヲリ

──ほかのメンバーも、「天秤」はINUWASIのライブがより盛り上がるきっかけになったと思いますか?

はのんまゆ めちゃめちゃ思いますね。「ストリングスウォーズ」という「バズリズム02」で披露した曲も入っていますし、全体的に今のINUWASIを表しているミニアルバムだと思います。INUWASIに大きく変化をもたらしてくれた作品であり、自分自身にとっても思い出深い大切な1枚です。

すずめ 「Altair」は、NEO JAPONISMの辰巳さやかさんが振付を手がけてくださったんです。さやかさんはその後、INUWASIのほかの曲も振り付けてくださってるんですけど、ライブで一緒に踊ってくれるファンの方が増えた気がします。

ライカ さやかさんに付けていただいた振りは、本格的なダンスが多く取り入れられていて。カッコよくて締まりのあるパフォーマンスができていると思います。私、さやかさんが作る振付が大好きなんですよ。

ライカ

ライカ

はのんまゆ おしゃれだよね!

イヴ なんというか、どれも「さやかさん!」って感じの振付なんですよ(笑)。ファンの方も、パフォーマンスを観ただけでさやかさんが手がけた振付だと雰囲気でわかるみたいで。