ちょっと難しい
アナログ盤の構造
小林 LPの収録時間は片面約25分と言いましたけど、クラシックなんかで30分くらい収録してしまう場合があるんです。ただアナログ盤って録音時間が長くなると、音を小さくせざるを得なくて。ここでは、そんなアナログ盤の構造を説明しますね。
脇田 お願いします。
小林 アナログ盤の盤面には溝がありますよね。音はこの溝に収録されているんです。その溝を針がなぞって音を拾っていく。
レコードの溝。
脇田 この溝って1本なんですか? あとレコードが回ると針がだんだん内側に行くのは、針がずれている?
小林 溝は最初から最後までが1本の溝がつながっています。だから針がずれているわけじゃないんですね。なんとなくわかりますか?
脇田 ……はあ。ちなみに、針でレコードは傷付かないんですか?
小林 あまりガーガーやっちゃうと傷付きますね。だから針を乗せるときは優しくが基本なんです。で、DJたちがこうスクラッチを……。
脇田 ああ、やってますね。
小林 あれは同じところでガリガリやっているので、溝がどんどん削られていってしまいます……話を本題に戻しますね。そういうわけで、作品が長いとそれだけ溝も長くなります。ただレコード自体のサイズが決まっているので、製造側は「決められたスペースにいかに溝を掘るか」という調整が大事で。溝って“音の波形”なんですけど、音の波形って大きい音だと幅が大きくなって、小さい音だと幅が狭くなるんです。イメージできますか?
脇田 ……んん。
脇田もなり
小林 少し難しいですよね(笑)。要は小さい音だと溝の幅が狭くなるので、そのぶん盤面のスペースをたくさん使える、つまり長い時間録音できるというわけなんです。
脇田 ああ、なるほど。
小林 逆に1、2曲くらいの曲数しかなくて短いのに、あえて12inch盤でリリースする人もいて。この場合は、なるべく大きな音で収録したいからという理由なんですね。
スタッフ 前のグループで出していたのがまさにそれだね。
脇田 確かにちょっと音が大きかったかも。あと、低音がすごかったような気がします。へえ、そういうのがあるんですね。
脇田もなり
組み合わせが楽しい
聴くために必要なもの
小林 アナログレコードを聴くにあたって、必要なものがいくつかあるんです。まずはレコードを乗せるプレーヤーですね。あとはフォノイコライザー、アンプ、スピーカーという物が必要です。ここでは1つひとつの説明は省きますが、オーディオ好きの人たちはこういった機器や、レコード針の組み合わせを変えることで起こる音の変化を楽しんでいるんです。
脇田 イヤフォンを変えるみたいな感じ?
小林 物によって音質が違うという点では一緒ですね。アナログ盤って聴くために必要なものは多いけれど、それらを組み合わせながら自分の好きな音を探していけるっていう点も魅力なんです。
脇田もなり
脇田 そういう楽しみ方もあるんですね。
小林 ただ最初は知識がないので、例えばプレーヤーだけを買ってしまって「音が鳴らない」と思ってしまうよく人がいて。脇田さんが持っているプレーヤーはフォノイコライザー、アンプ、スピーカーが一体型になっているタイプなので、これ1つですぐにレコードが聴けますよ。最初はこういったタイプがオススメですね。
脇田が使用しているION AUDIO Archive LPはプレーヤー、フォノイコライザー、アンプ、スピーカーが一体型になったモデル。外部出力も装備している。
脇田 そうだったんだ。
小林 ちょっとずつわかってくると面白く感じてきて、「別々にそろえようかな」「針を変えてみようかな」って興味が広がるかもしれません。
脇田 そうですね。ちなみにこの私のプレーヤーはわりと新しいものじゃないですか。昔のプレーヤーってどんな感じだったんですか?
小林 プレーヤーの機能自体はそれほど昔と変わっていませんね。強いて言えば、USBケーブルでパソコンにつないで、レコードの音をそのままデータ化できるとか、そういう機能は付いてきていますけど。
脇田 アナログレコードもデータ化できるんですねえ。
脇田もなり
プロフィール
脇田もなり(ワキタモナリ)
1995年生まれのソロシンガー。2012年にEspeciaのメンバーとしてアーティストデビューを果たし、4年間の活動を経て2016年2月にグループを卒業。その後9月にソロでの活動再開を発表して話題を集めた。11月にソロでの1stシングル「IN THE CITY」をリリース。
- 脇田もなり「IN THE CITY」
- 2016年11月16日発売
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2016年12月21日更新