KREVAが考える“いい音”の音楽5選

The Love Movement(アルバム)/ A Tribe Called Quest

“いい音”の音楽5選……超難しかったですけど、こういうとき必ず挙げるのは、このアルバムですね。これはもう好きすぎて。リリースされたときはアナログで買って、それがよかったからCDでも買って、そのあともリマスター盤が出るたびに買ってる。このドラムサウンドにとにかくやられて。黙って音を聴いちゃう、そういうヒップホップだと思います。みんなでハイエースみたいな車に乗ってどこか地方に行くとき、車内で流すとみんな黙って聴いちゃうみたいな。サウンド的に一番影響を受けたのはこの作品かもしれない。

2001(アルバム)/ ドクター・ドレー

「The Love Movement」のように何度も聴いているわけじゃないけど、リリースされた当時の「音、すげえ!」という衝撃のデカさで言えばこのアルバム。「1つの時代が死んだ」と感じました。なんて言ったらいいんだろうな……とにかく音がデカいのにクリアだし、ヒップホップとしての鳴りを持っていながら、ほかのバッキバキな音楽に負けない。ドレーもMPCを使っていて、やっぱり俺にとってのヒップホップは、MPCを通したサウンドなんですよね。

Eclectic(アルバム)/ 小沢健二

喰らいましたね。「なんだこれ!?」って。俺もソロになったぐらいから、サウンドの重要性をより考えるようになって、海外の作品で音がいいものを片っ端からチェックしているうちに、ハーブ・パワーズという人に行き当たったんです。それで1stアルバム(2004年11月発売の「新人クレバ」)と2ndアルバム(2006年2月発売の「愛・自分博」)はマスタリングをハーブにやってもらったんですけど、「Eclectic」も「すげえ!」と思ってクレジットを見たらハーブだった。俺の耳が間違ってないこともうれしかったし(笑)、あのなんとも言えないドラムの存在感とコーラスの配置。よく「無人島にレコードを持っていくなら?」という質問がありますけど……今ならiPhoneを1台持っていくだろうけど、「Eclectic」を持っていってずっと研究するのも悪くないかなと思います。

Wedding Bells EP(シングル)/ カシミア・キャット

最近だとこの人ですね。ダウンロードして聴いてみたらあまりにカッコよかったから、ひさしぶりにレコードも買ってみたんです。長らくアナログは買ってなかったんだけど。そしたらアナログ盤が超絶音がよくて、びっくりしましたね。俺は当たり前にレコードで育ったので、特に「レコードは音がいい」とか思わなかったんですよ。でも、ずっとデータで聴いていたカシミア・キャットをアナログで聴いてみたら「これが正解の音だったんだ」って。「こんな音入ってたんだ」「こういうふうに鳴らしたかったんだ」という発見があって、そのあとほかの作品も何枚かレコードで買い直してみたんだけど、そこまで大きく違いを感じるものはなかった。あとね、“いい音”でもまず曲がよくないといけないから(笑)。カシミア・キャットはそこ間違いないので、ぜひ聴いてみてほしいです。

Pictures on Silence(アルバム)/ Atu

Soulectionというレーベルから出してる若いビートメイカーで、Bandcampでしか出してないアルバムなんですけど、最高なんですよ。生楽器を多用したインストゥルメンタルのヒップホップで、アルバムのサイトには1曲ずつモノクロのしゃれた写真が付いてるんです。ずっと新作が出ないかと待っていたんだけど、この間SoundCloudにフリーダウンロードの曲が上がっていて。さっそくダウンロードしてみたら、もんのすごい時間がかかって。なんだろうと思いながら開いてみたら、32bit / 96kHzのWAVファイルだった(笑)。これで聴けと。よく知らない奴だけど、音に対して意識は高いはずです(笑)。まずは「Pictures on Silence」を聴いてほしい。俺の音楽が好きな人だったら、絶対好きだと思います。

KREVA

KREVA

プロフィール

KREVA(クレバ)

1976年、東京都江戸川区育ち。KICK THE CAN CREWでの活動を経て2004年にソロデビュー。2006年2月リリースの2ndアルバム「愛・自分博」はヒップホップソロアーティストとしては初のオリコンアルバム週間ランキング初登場1位を記録。同アルバムのリリースツアー最終日では初の東京・日本武道館公演も開催した。2012年には9月8日の“クレバの日”に主催イベント「908 FESTIVAL」を埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催。以降「908 FESTIVAL」は毎年の恒例イベントとなっており、2013年には日本記念日協会に「9月08日は『クレバの日』」と正式認定された。2014年6月には10周年記念ベストアルバム「KX」をリリース。その確かな実力でアンダーグラウンドシーンからのリスペクトを集める一方、久保田利伸、草野マサムネ(スピッツ)、布袋寅泰、古内東子、三浦大知、MIYAVI、鈴木雅之らメジャーアーティストとのコラボも多数。ラッパーとしてのみならずビートメーカー、リミキサー、プロデューサーとしても内外から高い評価を受けている。2017年2月にはSPEEDSTAR RECORDS移籍第1弾となるニューアルバム「嘘と煩悩」を発表し、全国ツアー「KREVA CONCERT TOUR 2017『TOTAL 908』」を行う。

公演情報
COUNTDOWN JAPAN 16/17
2016年12月28日(水)~12月31日(土)
千葉県 幕張メッセ国際展示場1~11ホール / イベントホール
※KREVAは12月28日(水)EARTH STAGEに出演。
908 FESTIVAL SPECIAL!!「カウントダウン大阪 2016/2017」
2016年12月31日(土)大阪府 インテックス大阪5号館
<出演者>
KREVA / KICK THE KAN CREW / SONOMI / 小西真奈美 / SHINGO★西成&DJ FUKU / tofubeats
KREVA CONCERT TOUR 2017「TOTAL 908」
2017年2月3日(金)埼玉県 戸田市文化会館
2017年2月11日(土・祝)大阪府 オリックス劇場
2017年2月12日(日)大阪府 オリックス劇場
2017年2月23日(木)石川県 金沢EIGHT HALL
2017年2月24日(金)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
2017年3月3日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2017年3月4日(土)宮城県 仙台電力ホール
2017年3月10日(金)茨城県 ひたちなか市文化会館 大ホール
2017年3月20日(月・祝)福岡県 福岡市民会館 大ホール
2017年3月31日(金)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
2017年4月2日(日)青森県 青森Quarter
2017年4月9日(日)愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2017年4月16日(日)神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
2017年4月22日(土)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール
2017年5月11日(木)群馬県 高崎club FLEEZ
2017年5月20日(土)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
2017年6月10日(土)兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
KREVA「嘘と煩悩」煩悩盤(完全生産限定盤)
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2017年2月1日発売
[2CD+DVD] 8540円
SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-1908
Amazon.co.jpで購入
KREVA「嘘と煩悩」嘘盤(初回限定盤)
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2017年2月1日発売
[CD+DVD] 4220円
SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-1909
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KREVA「嘘と煩悩」(通常盤)
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2017年2月1日発売
[CD] 3140円
SPEEDSTAR RECORDS
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2016年12月21日更新