HYDE|飽くなき挑戦者

ここで休んでる場合じゃない

──ソロになってからも引き続き、海外を視野に入れて音楽制作やライブ活動をされているかと思いますが、HYDEさんが思い描いている理想の海外での活動の形や目標はありますか?

うーん……たいしたことない。たいしたことないからあんまり具体的に言いたくない(笑)。ホントだったらあと2年くらいで、海外での活動はやめようと思ってたんだけど、VAMPSが休止になったのでスタンスが少し戻るので、2、3年追加してがんばらなきゃなって思ってるところ。もちろん自分なりに夢はあるし、実現可能であろうと思われるラインはあるよ。そこまでいけなかったら、海外での活動を撤退してもいいかなって。

──そこまで思い描いている形があるんですね。

でも詳しくは秘密(笑)。まあ、ONE OK ROCKみたいに世界を横断するようなツアーはできない。僕には無理だと思う。となったときに、自分が海外でやれることはなんだろうって考えてね。

──そうなることで自分のビジョンが明確になった?

HYDE

そうそう。だから今年やるべきことは今年やっておかないと、どんどん時間がなくなっちゃう。

──そういう思いがあって怒涛の勢いで動いていると。

そうなんです。

──VAMPSの活動休止発表後に「黑ミサ」があり、年が明けたらアジアツアーがあり、さらにソロシングルもリリースしてツアーも開催されて……と活動のペースを落としていないですよね。

僕、本当はVAMPSを休止したときに、1年くらい休もうと思ったの。英語の勉強しようかなって。でも、「あれ、待てよ? ここで1年休んでる場合じゃないな」と。実はVAMPSで予定していたツアーがあったんだけど、休止にしたときに1回スケジュールを全て白紙にしたんです。でも、ソロでやることにしたときに、スケジュールを90%くらい取り戻して。ソロでしっかりやってやろうと。

──まだやるべきこともやりたいこともあると。

うん。

リミットは自分を突き動かす核の1つ

──「WHO'S GONNA SAVE US」以外にも新しい曲も作られていると伺いましたが、同じように激しい路線なんでしょうか?

いや、バラバラです。アルバムになったときには全体の統一感が出るかもしれないけど。シングルの曲は、今の自分の核にある突飛な部分を紹介しようとしてるから。これから始まるツアーに来てくれたら、全体の雰囲気がわかるかなって。

──ツアーでは今回のシングル以外の新曲も披露する予定なんでしょうか?

セットリストの半分くらいは新曲にしようと思ってる。だからツアーの最初のうち、ファンの子はノリ方わからないんじゃないかな? でもアマチュアバンドをやり始めた頃ってそうだったからね。まだリリースしてない曲をみんなライブでやるじゃない? それと同じ。

──ツアーで披露してからレコーディングする曲もあるんでしょうか?

あるある。お客さんの反応によって、曲が変わる可能性もあるし。「やっぱこうしたいな」とかいっぱい出てくると思う。いつもはレコーディングしてからツアーやってたから、すごく新鮮。

──新曲を披露すること以外のライブの構想はできているんですか?

HYDE

まあ、だいたい。VAMPSで培ってきたものの最新版をやろうと思っていて。でも、おそらく演出はみんなが想像してるのとは違うと思う。僕にとってはずっと前から決めてた演出なんだけど、誰にも言ってないから、最初はびっくりするだろうね。

──ソロになったことで、また新しいことに挑戦すると。以前、HYDEさんにとっての「いいライブの基準」をお聞きしたときに、「お客さんの感動する様子が伝わること」とお話されていたんですよね。

はい。

──では、HYDEさんにとっての「いい歌」の基準はなんでしょうか?

「いい歌」かあ……。

──と言うのも、ソロになったことで、レコーディングにおけるジャッジをご自身だけでくだす必要が出てきたと思うんです。そういうときにHYDEさんの「歌」における判断基準ってなんなのかなと。

総合的に判断してるけど、僕の武器は歌の表情だと思ってるんで。表情が出ている歌がいい歌だし、いかに表情を出すかを一番意識してるところかな。ピッチの不安定さによっていい表情が出るときもあるしなあ。ピッチがいいとか悪いとか単純な問題じゃなくて、いろいろ複雑に絡み合ってますね。とにかく無表情な歌になるのが一番怖くて。英語の歌は発音を意識しすぎて、無表情になりがちなんですよ。レコーディングでは「発音はよかったけど、表情がよくないからもう1回歌わせて」とはよく言いますね。

──そのバランスは難しそうですね。

歌が“超感情”的に聴いている人に伝わることが大事なんです。例えば「この歌は泣きながら書いたんです」「泣きながら歌ったんです」って説明しなくても、悲しい気持ちや切ない思いが聴いている人に伝わるような。

──表情のよし悪しは、ご自身のリスナーとしての耳で判断するんですか?

そうですね。アーティストって誰でもそうやって判断する耳を持ってると思うよ。でも、判断基準はそれだけじゃなくて、自分にとって価値があるものかどうかというのもある。自分が欲しいものを作ってるつもり。そこは守るべきところ。

──話が戻ってしまうのですが、ご自身のリミットというのはどれくらい意識しますか?

僕を突き動かす核の1つではあるよ。まあ、いずれは民芸品と言うか木彫りの熊を彫るように曲を作っていけばいいと思ってる。

──木彫りの熊ですか?(笑)

うん。そうすればみんな喜んでくれると思うし。で、「黑ミサ」みたいなのを1年に1回やっていくような(笑)。

──「黑ミサ」のような形のライブも活動の一環に入るんですね。

バランスを考えるとね。僕には二面性があって良いと思う。そのうち「黑ミサ」がメインになっていくかもしれないけど。まあそれはまだ先の話だね。

HYDE
HYDE「WHO'S GONNA SAVE US」
2018年6月27日発売 / Virgin Music
HYDE「WHO'S GONNA SAVE US」初回限定盤

初回限定盤
[CD+ブックレット]
3024円 / UICV-9286

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HYDE「WHO'S GONNA SAVE US」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / UICV-5073

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収録曲
  1. WHO'S GONNA SAVE US
  2. MIDNIGHT CELEBRATION II
HYDE LIVE 2018
  • 2018年6月29日(金)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年6月30日(土)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年7月2日(月)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年7月3日(火)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年7月7日(土)北海道 Zepp Sapporo
  • 2018年7月8日(日)北海道 Zepp Sapporo
  • 2018年7月11日(水)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年7月12日(木)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年7月14日(土)愛知県 Zepp Nagoya ※BEAUTY & THE BEAST
  • 2018年7月15日(日)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年7月19日(木)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
  • 2018年7月20日(金)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
  • 2018年7月25日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年7月26日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年7月28日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside ※BEAUTY & THE BEAST
  • 2018年7月29日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年7月31日(火)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年8月1日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
HYDE(ハイド)
HYDE
1994年7月にL'Arc-en-Cielのメンバーとしてメジャーデビューを果たし、数々のヒット曲を生み出す。2001年に初のソロ活動をスタート。L'Arc-en-Cielとは異なる静謐で独特の世界観を提示した。2008年には、K.A.Z(G)とのロックユニットVAMPSを始動。日本のみならず、ワールドワイドにライブ活動を展開している。2017年12月にVAMPSの活動休止を発表。2018年6月にソロとしては12半ぶりのシングル「WHO'S GONNA SAVE US」をリリースし、同月よりライブツアーを行う。