ナタリー PowerPush - hy4_4yh

アイドル界のふなっしー!? 第2章がスタート

ついにhy4_4yhが鈴木みのるさんに届いた

──この1年間の活動を経て、皆さんの中で今「hy4_4yhらしさってこういうものなんだ」というのがつかめた状態なのかなって、今回のアルバムを聴いて感じました。

チャンユミ まさに!

ユカリン 完全にそのとおりでございます!

チャンユミ やっぱファンコットを通過してからだと、昔の曲を歌っても、もうファンコットを通る前とは別物になってるなって思う。たぶんファンコットを乗りこなしてスキルが付いちゃったんだと思います(笑)。

ユカリン レベル上がっちゃった(笑)。

チャンユミ 肺活量もちょっと増えたし、体力も付きましたよ(笑)。ファンコットいいことばっかりでした。

ユカリン いいことばっか! でもあれって、長く続けてきたからこそできたことで、たぶんデビュー1年目みたいな人だったら歌えなかったと思うんですよ。俺らも昔だったらきっと曲に付いていくので精一杯で、みんなを楽しませるってところまでいけないと思う。

チャンユミ

チャンユミ うん、下積みは無駄じゃないってことがわかりました。ちょうどこの間、ららぽーと横浜でライブをしたときにたまたま鈴木みのるさん(プロレスラー)がいらっしゃってたみたいで。俺らいつもライブのSEで「UWFのテーマ」を流してるんですけど、鈴木みのるさんがそれに反応して、Twitterに「横浜でヒップホップやってる女の子3人組がUWFのテーマ使ってて、ウレシハズカシとはこのコトだ」って書いてくださって。それを読んだ鈴木みのるさんの友人の方が「たぶん俺の知り合いだ」って書いてるので、見たら昔バンド演奏でお世話になったキーボードの方だったりして。一気に人脈がつながり始めて、「この8年間で培ったことは全部無駄じゃねえ!」って思ったとこです(笑)。

ユカリン そのテーマ曲を使ってるのも別にここ最近の話じゃないからね。それがついに本人に届いた(笑)。

──その「今までの積み重ねをもとに、これから新しいスタートを切る」みたいな話って、まさに今回の表題曲「star☆ting~スターと誕生」で歌っていることですよね。

チャンユミ この歌詞はヤバイ。

──ファンにとっては感慨深い内容なんじゃないかと思います。

ユカリン 涙袋がパンパンになりますよ。はちきれんばかりですよ。

チャンユミ Pちゃん(プロデューサーの江崎マサル)は、俺らの気持ちそのまんまじゃねえかっていう歌詞を書いてくれるんです!

ユカリン しかもタイミングがいっつもドンピシャなんですよ! だから今までの曲を聴いていただくと「あっ、この時期はこういうこと思ってたんだな」っていうのが全部わかると思います。

チャンユミ 自分で曲を作ってないとはいえ、やっぱ日頃考えてることを作品でぶちまけたいって気持ちあるじゃないですか。だからすごいうれしいです。例えば「カムカムソング」はかわいい曲なんですけど、よく聴くと実はアイドルブームを風刺した歌詞だったりするんですよ。

RHYMESTERになりたい、ばいきんまんになりたい

──そういえばアイドルブームについてはどう思ってるんですか? hy4_4yhは結成が2005年で、今のようなブームになる前からアイドルをやっているわけで。

チャンユミ そうですね。そう思うと感慨深いですね。

ユカリン もっと早く、俺らが若いうちにブームになっとけよって思いましたけどね(笑)。長く続けてるからどうしても歳を取りますよ。その間に若い新しい子がどんどん入ってきますよ。

チャンユミ 「アイドルにとって成熟は呪いだ」って、RHYMESTERの宇多丸さんが言ってたんですけど、それで言うと俺らはもうけっこう呪われてる感じです(笑)。でもその呪縛をぶち破っていきたいと思ってるんすよ!

写真奥DJサダチ、写真手前左からユカリン、チャンユミ。

ユカリン 俺らRHYMESTERみたいになりたいんですよ! 宇多丸チルドレンなんで! 俺ら、宇多丸から生まれたんです!

──リスペクトしてるわりに呼び捨てなんですね(笑)。

チャンユミ RHYMESTERが夢なんですよ。こないだ同じイベントに出させていただいて、初めて近くでライブを観たんですけど、ホントに弾丸でこめかみをぶち抜かれた。それで「俺らが目指すものはコレだー!」って、カチっときました。

──RHYMESTERも不遇な時代が長く続いて、時間をかけて日本武道館にたどり着いたグループなので、今のhy4_4yhが彼らを目指すのはいいかもしれませんね。

チャンユミ 同じ道を歩んでますかー?

ユカリン 武道館まで18年かかったって言ってましたよ。

チャンユミ 俺らもながーく生きていたい。死ぬまでこういうことをやっていたいんです。ばいきんまんのようになりたいな。どんなに打ち負かされても、懲りずに手を変え品を変えやってくるような。バイキンだからどんどん繁殖し続けるんですよ。そういう人に俺らはなりたい(笑)。

新メンバーを入れることも考えたんだよね

──長く続けたいってことですけど、今まで辞めたいと思ったことはないんですか?

ユカリン 実際何人か辞めていきましたからね(笑)。

チャンユミ サダチさんも首を負傷しちゃったし(笑)。でも、あたいちゃん(ユカリン)がいなくなったらたぶんhy4_4yhは終わっちゃいますね。

ユカリン いやいや、俺が一番ヤバイと思うのはチャン(チャンユミ)だから。チャンがいなくなったらなくなっちゃいます(笑)。

チャンユミ なんかこの2人じゃないとたぶんダメだと思います。だからホントもう死ぬまで一緒にいなきゃと思ってて。

ユカリン そうなんですよ。「どっちの葬式が早いかな?」「一緒がいいな」とか言ってます。

──バランスができあがっちゃってるから、ここに新たにメンバーを加えるのも難しそうですよね。

ユカリン たぶんないですね。そいつ、すぐ辞めてっちゃうと思います(笑)。

チャンユミ 新メンバーを入れることも考えたんだよね(笑)。もっと若くてフレッシュな子を入れたらイケんじゃないかと思ったんだけど、たぶん辞めんだろうなーって(笑)。

──この2人の間に入れる人って、たぶんサダチさんくらいしかいないんじゃないかと思います。

チャンユミ そうなんですよ! サダチさんはすごいですよ。なかなかいないですよ、あんな人。とにかく大金持ちだから、hy4_4yhなんて暇つぶしの娯楽でしかないんですよ。腰掛け程度にアイドルやってたら、意図せずここまで来ちゃったんだと思います。そこがいいところだと思います!

ユカリン こんなに長く続いて、かわいそうなことさせちゃいましたね。首まで悪くさせて、申し訳ないね。

チャンユミ でも困ってないからね、人生に。食いっぱぐれないんで、いつでも辞められるし。

──サダチさんはいつもこういういじられ方をして、どう思ってるんですかね(笑)。

ユカリン いやいや、あの人、鉄なんすよ(笑)。叩いてもなんも響かないし、全部跳ね返される。

チャンユミ 「庶民がなんかささやいてるわ」っつって(笑)。

ユカリン そうそうそう。ものすごい力を持った強い人なんです。

ミニアルバム「STAR☆TING」 / 2014年1月29日発売 / 1800円 / HILLS RECORDS / XQIB-1006
ミニアルバム「STAR☆TING」
収録曲
  1. hi-Tunes~YAVAY PARTY ANTHEM(ALBUM ver.)
  2. star☆ting~スターと誕生
  3. カムカムソング
  4. ハイパーヨーヨのスピード狂時代 2014
  5. 24-31-01
  6. YAVAY!(輸出ver.)
  7. hi-Tunes~ YAVAY PARTY ANTHEM(FUNKOT ver.)
hy4_4yh(はいぱーよーよ)

女性だけのミュージカルチーム・東京メッツが解散した2005年に、その所属メンバーを中心に5人組ユニットYO_OY(ヨーヨ)として結成。メンバー脱退で4人になったことを機にhy4_4yhと改名する。現在はユカリン、チャンユミ、サポートメンバー・DJサダチの3人で活動。吉田豪が監修した2011年発売のコンピレーションアルバム「ライブアイドル入門」に収録されたことから注目を集め、HMVから強いバックアップを受けるようになる。2012年にはTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の公認ソング「TAMA FREE!」を発表。翌2013年にはDJ JET BARONこと高野政所(レオパルドン)が編曲を手がけたシングル「ティッケー大作戦!~YAVAY / HYPER TICKEEE QUEENの歌」をリリースし、インドネシアで独自進化した高速レイブミュージック、ファンコットを導入したハイテンションなサウンドが一躍話題になった。その後、彼女たちは「世界にYAVAYを発信するティッケーアイドル」として快進撃。2014年1月にはガバ、グリッチホップ、チップチューンなどさまざまなダンスミュージックを取り入れたミニアルバム「STAR☆TING」をリリースした。