ナタリー PowerPush - Hemenway
新曲は「エウレカセブンAO」OPテーマ“夢に向けての脱出”を描く
ライブならではの見せ方がつかめてきた
──少し話題が変わりますが、ライブのことも聞かせてください。3月に大阪と東京で1stワンマンライブ「Everybody, Listen!」を行いましたが、バンドとしてライブでの見せ方とか、変わってきたなって思うところはありますか?
Toshi やっぱりありますね。ライブを始めたばかりの頃も、自分以外の音を聴いていたつもりだったんですけど、ライブの本数が増えていくにつれて、高い次元で聴き合えるようになってきてると思うんです。ショーとして何かを作り上げるという意味でも、大阪と東京でのワンマンライブは大きな経験でしたし、それによって僕らの意識も大きく変わりました。音作りからMCまで、ひとつのショーを通じて何を伝えたいのかが見えてきた感じでしょうか。
Ogaching ライブを重ねるごとに観に来てくれる人の数も増えてきましたし、ワンマンライブは僕らだけを観に来てくれたわけですからね。そういう人たちのことをより意識するようにもなりました。ステージから1人ひとりの顔が見えるんです。「この人は楽しんでるな」とか「この人はまだノッてないな」とかを敏感に察知して、どう対応すればいいのかを考えたり……。まだまだだなあって思う部分も多いんですけど、ライブならではの見せ方ということについては、少しずつではありますがつかめてきたんじゃないかなって。
──やっぱりワンマンライブは4人にとっても、貴重な経験になったみたいですね。あと、いろんなアーティストのライブを観に行ってるみたいですが、たくさん吸収することもあったのでは。
Isaac すごく勉強になりました。以前は、音楽的な部分でうまくいかなかったときに落ち込んだりしてたんですけど、他のアーティストの方のライブを観させてもらって、ライブはそういうところだけじゃないんだなって気付いたんです。もちろん、音楽的な部分を完璧にやれるのが一番いいんですが、ライブは人間対人間ですから、コミュニケーションが必要だなって。そういうことがわかったので、ワンマンライブでは細かいところだけにこだわるんじゃなくて、ファンの人たちと一緒に盛り上がることを考えてステージに上がりました。
──ファンの人たちと一緒に楽しむという気持ちが一番大切ですからね。ホント、4人ともすごく楽しそうでしたよ。
Charm はい、楽しかったです(笑)。僕らが楽しんでないと、観てる人も楽しんでくれないですし、伝わらないと思うんです。どうやったら楽しくやれるかをいろんな方向から研究しました。
──Charmさんはライブで、メインで使っているVOXのギター以外にテレキャスターも使ってましたよね?
Charm あのテレキャスは「Listen」のビデオクリップでも使ってるんですけど、高校生の頃に買ったギターで、すごく安かったんです。レコーディングでも使うことがありますし、長い付き合いですから愛着もすごくありますね。ただ、やっぱり限界があって、チューニングが甘かったりするのでライブではアンコールのときだけ使いました。
──ワンマンライブで見たときに思ったんですが、カスタマイズされてますよね?
Charm そうなんですよ!
Toshi 3日ぐらい家から出てけえへんなあって思ってたら、テレキャスを改造してたみたいで(笑)。
Ogaching 僕らに何も言わずにやってましたからね。
Isaac 東急ハンズでドリルを買ったんだよね?
Charm うん。最初の2日は自力で削ってたんですけど、「ああ、ダメだ」と思って、3日目にドリルを買って、ギターに穴を開けたりして改造しました。
──ライブをやっていくと、機材へのこだわりも出てくると思いますし。
Toshi 僕もワンマンのためにシンバルを全部新しくしました。そういうのを選んでるのも楽しかったです。
初の海外ライブはエネルギッシュにやりたい
──ライブと言えば、7月にパリで開催される「JAPAN EXPO 2012」への出演が決定しましたが、初の海外ライブ、どんなステージにしたいと思っていますか?
Ogaching とにかく緊張せずにエネルギッシュにやれたら、それでいいかなって思ってます。
Toshi 気後れしないことですよね。
Isaac ちょっと英語も喋れるから、MCで英語を交えたりしながら。
Toshi Isaacの英語は「ちょっと」じゃないだろ(笑)。
Charm 「JAPAN EXPO」だから日本語を聴きたいっていう人も多いみたいだよ。
Ogaching なるほどね。でも、フランス語もちょっと勉強していこうかな? メルシーとか、ジュテームとか(笑)。
──それぐらい気持ちに余裕があれば大丈夫だと思いますよ(笑)。
Charm 何か観た人の印象に残るようなステージにしたいですね。
──次会ったときに、どんな結果報告が聞けるのか楽しみにしています。
Charm 良い報告ができるように頑張ってきます!!
Hemenway 『Escape』
Hemenway(へめんうぇい)
アメリカ・バークリー音楽大学を卒業した韓国系アメリカ人のIsaac(Vo, G)、Charm(G)、日本人のOgaching(B)、Toshi(Dr)の4人からなるロックバンド。2010年にIsaacとCharmが来日し、日本に帰国していたOgachingとToshiとともにバンドを結成した。楽曲制作やライブ活動を行いつつレコード会社にデモテープを送り、Ki/oon Musicからのメジャーデビューが決定。2011年11月にメジャーデビューシングル「Listen」を発売した。アメリカで学んだ音楽理論や技術を反映したハイクオリティなサウンド、美しいメロディ、日本語と英語を柔軟に交えた情感豊かな歌詞で注目を集め、2012年1月リリースのシングル「バイマイサイド」はテレビ東京系アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマに起用された。同年5月、TVアニメ「エウレカセブンAO」のオープニングテーマであるニューシングル「Escape」を発売。