花澤香菜×サウンドプロデューサー北川勝利インタビュー、作家陣10名のコメントで紐解く「追憶と指先」 (3/3)

「追憶と指先」作家陣 コメント

沖井礼二
(「あしたの向こう」作詞・作曲・編曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

知性。ユーモア。優雅さ。透明感。そしてそれらすべてが常にパワーアップし続けているところ。

提供楽曲の制作でこだわった点

10年以上も花澤さんに楽曲提供を続けさせていただいています。うれしく誇らしいことですが、どんどん進化していく彼女に圧倒されます。その進化の力強さと花澤さん持ち前の優雅さを讃えようと努力したつもりです。「花澤さんの為に書いた」というより「この曲アイデアソースは花澤香菜さんにいただいた」というのが今の感想です。

矢野博康
(「It's My Thing」作詞・作曲・編曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

声の透明度が高くて曲によって多種多彩な色をまとえるところ
おいしいパンをくださいます
ラジオっ子なところ(ラジオっ子に悪い人は少ないと思ってます)

提供楽曲の制作でこだわった点

間奏を短く
サビはテンションを盛ってビターに
ちょっとアツい歌詞
一部ひさしぶりにシンセの実機を使いました

KOH
(「駆け引きはポーカーフェイス」作曲・編曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

老若男女問わず愛される人柄と、唯一無二の最強ボイスを持っているところだと思います‼
テレビ出演でお見かけしたのですが、パンが大好きなところもかわいくて魅力的ですね(笑)

提供楽曲の制作でこだわった点

花澤香菜さんの透明感&きらびやかな歌声を生かすメロディラインとアレンジになるように、北川勝利プロデューサーと細かい部分を何度か調整しながら仕上げました!
特にDメロのメロディライン&アレンジはかわいくて少し切ない空気感になるようにこだわりを詰め込みました‼
ライブでも楽しくて踊りたくなるリズムを意識して組み立てました!

Hair Kid
(「タイムマシーンは突然に」作詞・作曲・編曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

8年前、日本に引っ越してきたときの短い記憶で鮮明に覚えていることがある。引っ越し先の近所にあった大きなCDレンタルショップのスピーカーから花澤さんの曲が流れているのを聴いて、“ついにこのような音楽が日常にある場所に来たのか”と思った。
あれから8年、その日常には確実に慣れたが、花澤さんの歌声を聴くと今でもあの不思議な感覚を味わい深く思い出す。

提供楽曲の制作でこだわった点

Q.iちゃんと私は、いつもコントラストや奇妙な並置で遊ぶのが大好きだ。ストーリーはファンタジックで信じられないようなものだが、歌詞は心から素直に歌っている。だから花澤さんのボーカルにふさわしい音楽的、感情的な重みをきちんと与えるために、私はすべての楽器に誤魔化しなく心血を注いだ。私の古いシンセサイザーの1つひとつを花澤さんの声と美しいコントラストを成すまでツマミを合わせることに神経を尖らせながらこの作品を制作した。

Q.i
(「タイムマシーンは突然に」作詞)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

あたしたちの心を撫でるように刺激する声です。花澤さんの表現は全然押し付けがましくないのに、でも確実に中心の柔らかいところを突く危うさと儚さを持っている。今にもこぼれ落ちそうな水面を見ているような感覚で、緊張感とかわいさが交互浴みたいに身体を通り抜けて、いつまでも聴いていたくなる。花澤さんの歌声はそんな魅力にあふれています。

提供楽曲の制作でこだわった点

最初にすぐ「これはタイムマシーンの曲だ」と思った。懐古趣味ではなく、妖しい煙の中を前に進もうと「未来と過去」双方向に駆け抜ける花澤さんがすぐに浮かんだ。パーソナルな愛を歌いながら、「2001年宇宙の旅」とか壮大なSFを想像して詞を書いた。
「甘くて危険」というのは、自分たちのすべての楽曲に共通するヴァイブで、花澤さんの声にも同じくアンビバレンスな感情を持っていたからぴったりだと思った。Hair Kidは本当にアナログの音のヴァイヴをよく理解しているので、最初のフィーリングがより強く心に響く楽曲になりました。

菅原圭
(「Circle」作詞・作曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

やはり、耳当たりがよいだけでなく、すぐに「花澤さんだ!」とわかる個性がある声。
この声を嫌いな方はいないでしょうし、心の棘を落としてくれるような素敵な歌声が一番の魅力だと思います。

提供楽曲の制作でこだわった点

花澤さんの歌声の個性に、どう曲の癖をマッチさせようと悩んだんですが、
もともと大好きだった自分だから思う、花澤さんに歌ってもらいたい・言ってほしいワードをところどころにちりばめさせていただきました。
“かわいらしさはありつつも、かわいいだけじゃないんだぞ!”という点にこだわって、
編曲の方が熟考してくださったサウンド感、菅原が考えたメロディ感を楽しんでいただけたら幸いです。

真部脩一
(「VENUS REVOLUTION」作詞・作曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

上品な活力、上品な優しさ、上品な毒、上品なあざとさ、といったふうに、声や表現に独自の気品をまとっている方だと思います

提供楽曲の制作でこだわった点

ポップでポップでポップなポップソングを書きたいと考えました。メロディラインそれのみによっても成立するようにと、てらいのないまっすぐな心構えで作りましたが、花澤さんに歌っていただくことで、さらに純度の高いポップなものになったと思います

藤村鼓乃美
(「ドラマチックじゃなくても」作詞)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

歌声から伝わるいろんな表情
温かさ、柔らかさ、強さ、そして面白さ
が魅力だと思います!

提供楽曲の制作でこだわった点

アニメの主題歌ということで
原作の漫画を読みながら感じた気持ち、温かさをそのまま
こんな素敵な青春がいつまでも続けばいいな……とか
青春時代を思い出して誰もが心に残ってるであろう
ドラマチックじゃなくても退屈だと嘆いちゃったりもしたけど
いつまでも覚えてるあの思い出、景色、気持ちを
優しさあふれるメロディに乗せてみました
書いてるときに、これはとっても素敵な曲になる……!!と確信しました!笑
アルバム発売、おめでとうございます!!

宮川弾
(「ドラマチックじゃなくても」編曲 / 「ないものねだりのGreeDy」作詞・作曲・編曲 / 「インタリオ」作詞)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

魅力っていうか
声そのものでドラマを感じさせるくらい
切なさを含んでいる質感は当然として
今アルバム曲では特にいろんな表情を出したかったんです
なので、いっぱい喜怒哀楽をもらったし
おそらく今まで要求されてこなかったであろう
ワイルドな声も出してもらいました
多少なりとも追い込んでしまったと反省しています
ごめんなさい

でも、ほんとにその咆哮が素敵で、惹きこまれてしまう
清らかな野性、
例えるなら
一緒に罪でも背負ってくれるのかな、と思わせてくれるような
そんな幻想を抱かせてくれる声

錯覚にせよ、それくらい心を揺さぶってくるので
曲を持ち帰った日から
夜中に1人で何度も聴いてしまっているのです

提供楽曲の制作でこだわった点

「駆け引きはポーカーフェイス」
作詞してるときに思い描いていたエストラテジア=作戦って
ほんとに小さな対価のためのものなんです
驚いた顔から、表情が素になって
やがてゆっくり笑顔になっていく
あの感じ、
小さいけど宝物ですよね
歌ってそういう宝物のおすそ分けでもあると思うのです

「ないものねだりのGreeDy」
オトナになった今でも
まだまだ「ないものねだり」は終わらないし
欲張ってもいいんだと思いたい
そんな叫びそのものを歌にしました
僕自身、欲張りが高じて
いろんな楽器をやって音に詰め込んでます
夜中の2時、
ないもの探して
五反田の路地に迷い、立ちつくす香菜ちゃんの姿(妄想です)
エモくないですか?
今何が欲しいんだろう
そのイメージだけでもどうか受け取ってほしい
ささやかなおねだりです

「インタリオ」
夜宵の目を眺めていたら「インタリオ」という言葉を思い出しました
裏側から彫る細工を、
自ら絡めるがゆえに抗えない因果になぞらえて歌詞にしています
改めて読むと謎めいた内容に思われるかもしれませんが
自分の中では意外と理路整然としているのです
こういう側面ってみんなにあるんじゃないかな、と思いながら

Guiano
(「Love Me」作詞・作曲・編曲)

あなたが感じる花澤香菜の魅力

花澤さんはとても芯が強く、自分が決めたことは曲げないし曲げられない強い人だと感じました。
ただそれと同時に、人間らしい部分もたくさん感じられて、とても素敵な方だと思いました。

提供楽曲の制作でこだわった点

この曲を作るにあたり花澤さんのYouTubeチャンネルをめちゃくちゃ観漁り感じたこと、それを曲にしました。
花澤さんと自分のメンタルで共通する点、それを丁寧に探して制作しました。

80'sのような古さと今っぽさみたいなものを両方トラックに入れてみました。人の芯の部分と繊細な部分、両方を歌詞以外で表現してみたかったのです。


左から花澤香菜、北川勝利。

左から花澤香菜、北川勝利。

花澤香菜ライブ情報

HANAZAWA KANA Zepp Tour 2024 "Memoirs and Fingertips"

Memoirs

  • 2024年9月8日(日)神奈川県 KT Zepp Yokohama
  • 2024年9月22日(日・祝) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2024年9月29日(日)愛知県 Zepp Nagoya

Fingertips

  • 2024年10月5日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2024年10月13日(日)北海道 Zepp Sapporo
  • 2024年10月19日(土)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)

プロフィール

花澤香菜(ハナザワカナ)

1989年2月25日生まれ、東京都出身の声優。2006年放送の「ゼーガペイン」で初のヒロインとなるカミナギ・リョーコ役を演じ、2007年には「月面兎兵器ミーナ」「スケッチブック ~full color's~」「ぽてまよ」といった作品で次々と主要キャラクター役に抜擢された。その後も「こばと。」「化物語」「海月姫」などの人気アニメでヒロインを演じるかたわら、多数の作品でキャラクターソングを歌い、2011年放送の「ロウきゅーぶ!」では声優ユニット「RO-KYU-BU!」のメンバーとしても活躍。2012年4月にはシングル「星空☆ディスティネーション」でソロデビューを果たした。2013年2月には1stフルアルバム「claire」を発表し、同年3月には大阪・NHK大阪ホール、東京・渋谷公会堂にて初のワンマンライブを行い、いずれも大成功に収めた。2021年7月にポニーキャニオンへの移籍を発表し、2022年2月には約3年ぶりとなるアルバム「blossom」を発表。2024年4月には7thアルバム「追憶と指先」をリリースした。9月からはZeppツアーの開催が予定されている。

北川勝利(キタガワカツトシ)

1971年10月18日生まれ、北海道出身。作曲家 / 作詞家 / プロデューサー / ギタリスト / ベーシスト / シンガー。1993年に大学のジャズ研究会で出会った伊藤利恵子とともにROUND TABLEとしての活動を始め、1997年に高橋幸宏主宰のレーベル、コンシピオレコードからミニアルバム「World’s End」を発表する。1998年にはミニアルバム「Feelin’ Groovy」でマーキュリーレコードよりメジャーデビュー。2002年にはNinoをボーカルに迎えたROUND TABLE featuring Nino名義での活動も並行してスタートさせる。洗練されたポップな作風が高い評価を集め、さまざまなアーティストへの楽曲提供やサウンドプロデュースでも活躍。坂本真綾、花澤香菜、中島愛、やなぎなぎ、ワルキューレほか多数のアーティストや、「ちょびっツ」「ARIA」シリーズ、「謎の彼女X」「マクロスΔ」「スロウスタート」など多数のアニメ作品に楽曲提供を行う。