花澤香菜⇔やくしまるえつこの往復書簡

──ここからは、やくしまるさんからいただいた花澤さんへの手紙のような質問があるので、往復書簡のような形で1つずつ答えてください。まずは1つ目。

──靴下？

シングル制作でやくしまるさんに会う最後のタイミングで、少し前から風邪を引いていると聞いていたから何かあったかいものをと思って。あったかい靴下にサンタさんの絵が描いてあるメモを付けてお渡ししたら、どうやらサンタさんが好きだったらしくて。知らずにお渡ししたんですけど、やくしまるさんはサンタマニアらしいんですよ。しかもその靴下を履いた写真を送ってくださって。私はやくしまるさんからハロウィンにいただいたカボチャにサンタさんを乗せた写真を撮ってお返事を出しました。

──奇しくも今作の発売日はクリスマスイブですけど、花澤さん自身はクリスマスに特別な思い入れや思い出はありますか？

特別な思い入れはないんですけど、あの街が華やぐ感じは好きですね。でも私、同じ冬なら元旦がすごく好きで。

──年末年始、花澤家のお正月ってどんな過ごし方ですか？

んー、やっぱ栗きんとんですかね。私が栗きんとんの箱を持って、誰にも渡さないぞという絵が浮かびますね（笑）。のんびり過ごして、バーゲンが始まったら外に出るみたいな。あ、「笑ってはいけない」は必ず観ます（笑）。お笑いが好きなので、お正月はお笑いの特番がいっぱいあるのがうれしいです。ずっとテレビを観たり、あとは手を付けずに溜まってた小説を読んだり。のどかに過ごしてますね。お正月好きだなー。

水をひたすらくんでいたら、途中から楽しくなっちゃって（笑）。川で水をくんでるだけでこんなに楽しいんだ！って。昔、内職のバイトをやったことがあるんですけど、自分に向いてるなと思ってたんですね。1つのことを淡々とやるのが。

──ミニマルな繰り返し作業って、だんだん自分なりのコツがつかめてきて楽しくなってきたりするんですよね。

そうなんです。水をくむのに途中からやりがいを見出してしまって（笑）。ロケ弁もあったので、ごはんの心配はなかったです（笑）。

──これは先ほどおっしゃっていた、本当に魔界に引きずり込もうとして歌っていた場面でしょうか。

そうですね。やくしまるさんがブースの中に来てくださって「こうやって、悪魔のささやきっぽく」ってジェスチャー付きで指示してくださったので、かわいい！と思って私もやってみたんですけど。

──前置きとどうつながっているのかわかりませんけど（笑）、質問としては「寒いとき暖房は点けますか」ということですが。

やくしまるさん、こたつ似合うなあー（笑）。ソファで一緒に話してるときに、やくしまるさんがだんだん溶けていったんですね、ソファに。最初はまっすぐだったんですけどだんだんフニャーッてなってきて、最終的に私の隣に寝てるみたいになって。上目遣いにこっちを見てくるんですよ。「やくしまるさん、それはヤバいです！ 気を付けてください」って（笑）。暖房は点けると空気が乾燥してしまうので、最近は加湿器とヒーターが一緒になったものを活用しています。こたつも好きなんですけど、私はめんどくさがりなので、家にこたつなんてあった日にゃあ……ずっとゴロゴロしてるし、散らかっちゃうし、夏まで出しっぱなしになっちゃう（笑）。

かわいい！ 2秒って（笑）。

──やくしまるさんにとっては、花澤さんは「ちゃんとしていて、背筋がピンと伸びてる人」だったんですね。

姿勢は全然よくないんですよ。よくしようとはしてるけど、このときは憧れのやくしまるさんがいたから、ちゃんとしようと思って背筋を伸ばしてたんだと思います。

──そして「いつまでも元気にパンをがじがじしていてください。」という希望と、おすすめのアイスを教えてほしいという質問が。

やくしまるさんに「普段何を食べてるんですか？」って聞いたら「アイス」って言ってました。「噛まなくていいし楽だから」って（笑）。おすすめのアイスかあ。私が好きなのはあずきバーですけど、あれは固いからダメでしょ？ あ、ハーゲンダッツのクリスピーサンドはめちゃめちゃおいしいです。絶対もう食べてると思いますけど、おすすめです。

──リミックスのご説明も同時にいただきました。「こきゅうとす」のリミックスは天国バージョンと。

ウサギが跳ねてたんだー。そのつもりで聴き返してみよう（笑）。

──一方の「アブラカタブラ片思い」は先ほどもお話に出てきましたが「好きな男の子の家に勝手に侵入して勝手に手料理を作っている女の子」を目撃してしまった男の子目線という。なんで逆の視点になったら「最初にひよこの鳴き声」が入るのかはわからないですけど（笑）。

こんなに怖くなるんだーって思いましたね。夜中に聴いていて自分の声なのにすごく怖くなっちゃって。歌は同じものを使ってるのに、こんなに毛色の違うものになるんだな、リミックスって面白いなって思いました。

──そして「花澤さんだったら、やくしまるの家に勝手に侵入して勝手に料理作ってくれてもいいよ」とのことですが、何を作りましょうか。

やくしまるさんのお家に入って勝手に作るなら……パンは焼きたいですね。固くないやつ。ふふふ（笑）。ふわふわのパンと……今の時期ならそうだなあ、シチューがいいですね。

──パン好きの花澤さんは自分でパンも焼くんですか？

いや、自分で焼くことはないですね。パン屋さんに行っておいしそうなパンを選んでいる時間が最高に幸せなんです。

──最後は質問ではなく挨拶でしたけど（笑）。

いやー、うれしいですねー。

──深読みすれば、今回のシングルだけではなく、今後も一緒に音楽を作りましょうというレスポンスでしょうか。

実際、やくしまるさんから全部終わったときに「また遊ぼうね」って言ってもらったんです。その言葉がまたワクワクを誘われるというか。またできたらうれしいなあ。とりあえずこの「こきゅうとす」をいろんな人に聴いてもらって、楽しんでもらえたらうれしいですね。

──前作で幕を開けた“花澤香菜 3rdシーズン”がにぎやかになってきましたし、新しい挑戦はまだまだ終わりではないという予感も感じさせる1枚になっているのではと思います。

そうですね。あと、私自身の要望でもある「ライブをたくさんやりたい」という思いが、どうも実現しそうなんです。期待していてほしいですね。