GWFは心の拠り所だし発散する場所なんだ

──チバさんの場合、GWFはThe Birthdayに比べて気軽にできるというのはあるんですか？

チバ　気軽ってわけにもいかないけどねえ。ただねえ、違う疲れ方はするね。こないだのツアーもそうだったけど、自分が歌わない曲とかあるから楽器に専念してる。で、歌わないとさ、けっこう踊っちゃうのよ。そうすると次の日ふくらはぎがめちゃめちゃ痛いんだよね（笑）。

中村　わはははは！（笑）

──GWFは皆さんにとってどういう存在なんでしょうか？

チバ　うーん……わからん。でもたぶん……このツアーが終わっても、またすぐ3人でスタジオに入るんだろうなって思うけどね。

──それだけ楽しいもの？

チバ　うん。オレにとっては……まあThe Birthdayもそうだけど、ライフワークになるんじゃないかなって気はする。

──ほお。

イマイ　オレはね、今はほかのバンドはやってないんですよ。バンド形式でやったりはするけど、バンドでは歌ってないというかね。でも、GWFは別。映画がきっかけで始まったバンドでさ、まさかツアーまでやるとは思ってなかったけど、でも続けたいなと思ってて。やっぱりね、心の拠り所だし発散する場所なんだ。

中村　だろうね。だってイマイからめちゃくちゃメール来るもん（笑）。いつ寝てんだよって（笑）。

イマイ　GWFがないと相当寂しい。

チバ　イマイくんからのメール、未読49件とかあるし（笑）。

中村　もう読まなくてもいいかもしんない。チバくんからも来るけど。

チバ　確かにオレもしょっちゅうメールしてるよな（笑）。

イマイ　チバくんからはとんでもない時間にメール来るよ。

有機的な反応をすごく感じる

──イマイさんにこういうことを聞いていいものかわかりませんが、The Birthdayは辞めてるのに、このバンドは続けるのはどうしてですか？

イマイ　うーん、そりゃあ、やりたいものがあるから。有機的な反応をすごく感じるのよ、今やってて。バンドってずっと続けてるといろいろあったりするじゃない？ The Birthayは長くやってたっていうのもあったかな。

──どっちもチバさんとやってるけど、The BirthdayとGWFは違う？

イマイ　違う！ 何やったって違うと思うよ。The BirthdayはThe Birthdayのメンバーでしかできないしね。今のGWFにはワクワクするものがたくさんあるし、これをやらない手はない。そういう機会を逃す手はないと思って。やれるうちはね。

──ああ、いいですね。

イマイ　うん。

──達也さんはほかにいっぱいやってますけど。

中村　うん。なんかね……スタジオ入った帰り道とか、いろいろ考えることがあって。このバンドでは自分の今までのロックンロールやパンクに対する思いとか、自分が思い込んでることや、「こうあるべきだ」みたいなのが剥がれていって。このバンドでやってることでいろんな発見があるし、一方で「でもこれをやっちまうっていうのは相当な冒険だよな」とか思ったりして。しかもリスクをしょってるし。

──どういうリスク？

中村　だってパンクでもなんでもないような音楽……ほんとにエネルギーの塊みたいなものを、剥き出しのまま音にしてるからさ。

──達也さんは今までそういうことやってきたんじゃないんですか？

中村　あれそうだっけ？（笑）

チバ　ははははは！（笑）

中村　いや、だから、今までは型にはめていってたというのはあるんだわ、これでも。でもGWFは新しいロックンロールってのを生み出してると思ってる。まだこれだ！という形にはなってないのかもしれないけど。でもそれをやり始めた感じはする。

GWFは血湧き肉躍る

──GWFは自分にとって新しい挑戦であり、新しいロックンロールの創造である。それは形式じゃなく、演奏してる3人のエネルギーが塊になって聴き手にぶっ飛んでくるようなものということ？

中村　うん。そうなんですよ。なーんか叩きたくなるような衝動というか、血湧き肉躍るみたいな感じになるから、余計叩きたくなるしね。

──最初からそういう手応えはあった？

チバ　あったねえ。初めてスタジオに入ったとき、すぐにセッションで何曲か作ったし。

中村　うん。

──まったくの初対面ってわけではなく、よく見知っていた3人なわけですが、それでも集まったら自分たちを突き動かす新しいエネルギーが生まれた？

チバ　生まれたねえ。すごくあった。

──何がそうさせたんでしょう？

チバ　……さあ？（笑）

中村　謎は深まるばかり……。

イマイ　ははははは！（笑）

──でもこの3人だからこそ、こういう音楽ができると思う？

チバ　そりゃ絶対そうだと思う。ノーやん（The Birthday所属事務所の社長・能野哲彦。映画「赤い季節」の監督を務めた）のおかげだよねえ。

──能野さんが、メンバーはこの3人って決めたんですか？

チバ　うん。「この3人でやってほしいんだけど」って言われて。「ふーん」って（笑）。ま、やってみようかって、やってみたら……すごかったっていう。

イマイ　べースがいないのが面白いところなんだよね。Whammy（ピッチシフターエフェクター）を使ってベースに近い音でギターを弾くんだけど、ギターじゃできない音が出るから面白いし、自分たちもそれにワクワクするっていうかね。そのワクワクが周りにも伝わって、それをみんなで感じてやれるから新鮮でね。ずーっと、やってたらどうなるかわかんないけど。GWFのサウンドを作ってる個性として、そのフィーリングはデカイと思う。もちろんベーシストが別にいたほうが音の情報量が何倍も増えるけど、あえて今の編成でやるのが面白い。十分個性的だし面白いし、バンドとして成り立ってると思う。

──楽しそうですからね。ステージに立ってる3人が一番楽しんでる感じが伝わってきます。ツアーはどうなりそうですか？ 23カ所24本とかなり長いツアーですが。

チバ　この前リハーサルやってみたけどよかったね。レコーディングのときからまたちょっと一歩進んだような。まだ客の前ではやってないけど、前と何かが違うんだよ。なのでライブになるとまた変わってくるだろうし。ほんと、楽しみだね。