ナタリー PowerPush - ゴスペラーズ
新体制で作り上げた真夏の爽快ラブソング
下の世代から意見をもらうのは貴重
──竹本さんのように下の世代のアーティストとのコラボレーションは、ゴスペラーズにとってもいい経験になったのではないですか?
村上 ほんとにいい時間だったと思いますよ。実際、僕らが下の世代からそうやっていろんな意見をもらうっていうことは、なかなかないもんね。
安岡 下の世代にプロデュースしてもらうこと自体、今回が初めてですから。
北山 竹本くん以外にも、僕らが「永遠に」(2000年8月発売)とか「ひとり」(2001年3月発売)を出した頃、小学生だった子たちがトラックメーカーとして活躍してる時代ですからね。これからもそういう世代の子たちにいろいろ教えてもらいながら、新しい風を取り入れていきたいので、この曲がそのきっかけになればいいかなって思います。まあ、黒沢さんは立ち直るのに時間がかかったみたいですけど。
黒沢 いやいや、そのネタはもういいだろ!(笑) 念のため言っておきますけど、ものすごく気持ち良く歌ってますから! 大丈夫ですから!
──アハハハ(笑)。で、今回のシングルにはもう1曲、THE 5TH DIMENSIONの「Up, Up And Away」のカバーも収録されています。
黒沢 この曲って聴いてるとすごく気持ちいいんですけど、歌ってみると実はメロディがいきなり飛ぶところがあったりして、「あれ、歌えねえ」みたいな感じになるんですよ。歌ってみて初めて難しさに気付くっていう。
酒井 今回カバーするにあたって、ハーモニーをかなり増やしました。原曲はハモりがほとんどないんですけど。
──え、そうでしたっけ? ちょっと意外な感じ。
安岡 そう。男女混声だから同じ音で歌ってるんだけど、ハモってるような彩りがあるんですよ。でも実際はそんなにハモってないっていう。それだけメロディ自体に力があるっていうことだとも思うんですけど。それを今回は要所要所でコーラスの響きを出したりしながら調整していった感じで。
黒沢 あとはやっぱり女性ボーカルが入ったことでの華やかさがポイントですよね。
May J.は一番華やかに歌ってくれそうだった
──フィーチャリングボーカルとして招いたMay J.さんとのデュエットが最高に気持ち良い曲ですよね。
村上 タイアップのお話をいただいたときに「女性シンガーとデュエット」というオーダーだけあったんですよ。そこで、今まで何かしら一緒に仕事をしたことがある人でって考えたら、一番華やかに歌ってくれそうだなって思えたのがMay J.で。その後に「Up, Up~」をカバーすることを決めたんですけど、結果としてピッタリはまったと思いますね。
安岡 ビデオクリップもいい仕上がりになったしね。普段は男5人だから、ゲストが1人入るだけで現場の雰囲気が変わりましたね。めっちゃ新鮮で楽しんでできました。
黒沢 コンセプト的な楽しさもあって、プレビューチェックも盛り上がってたもんね。
安岡 観れちゃうんだよ、最後までね。「いいなあ、これ。いいなあ」って。今回のビデオクリップはコメディというか、ちょっとストーリータッチの内容になっているので、そのあたりを楽しみにしていただきたいですね。
酒井 見どころは……LADY GAGAか黒柳徹子さんよろしく、May J.が髪の毛の中から驚きのものを取りだすシーンですね。
──アメちゃんが出てくる的な。
酒井 アメちゃんじゃないんですけど、何かが出てきます。「May J.が髪の中から取りだす驚きのものとは!?」「このあと、とんでもない出来事が!?」というあおり文でお願いします!(笑)
ニューシングル「It's Alright ~君といるだけで~」/ 2012年7月11日発売 / Ki/oon Music
CD収録曲
- It's Alright ~君といるだけで~
- Up, Up And Away (feat. May J.)
初回限定盤DVD 収録内容
- Up, Up And Away (feat. May J.)Music Video
ゴスペラーズ(ごすぺらーず)
北山陽一、黒沢薫、酒井雄二、村上てつや、安岡優の5人からなるボーカルグループ。1991年、早稲田大学のアカペラサークル「Street Corner Symphony」内で結成され、メンバーチェンジを経て、1994年にシングル「Promise」でメジャーデビュー。シングル「永遠に」「ひとり」が立て続けに大ヒットを記録し、トップアーティストの仲間入りを果たす。毎年精力的に全国ツアーを行う一方、他アーティストへの楽曲提供・プロデュースやソロ活動なども活発に行っている。2011年6月には約2年3カ月ぶりのオリジナルアルバム「ハモリズム」をリリース。同年9月には、東日本大震災の被災地支援のチャリティシングル「BRIDGE」を発売した。2012年7月、ニューシングル「It's Alright ~君といるだけで~」をリリース。11月からは、全国ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2012~2013“FOR FIVE”」がスタートする。