ナタリー PowerPush - Goodbye holiday

ここが4人の新たな「はじまり」

Goodbye holidayが2ndミニアルバム「はじまりの唄」を完成させた。初の全国流通盤となった「ソラリス」から約9カ月を経て彼らから届けられたのは、さまざまな「はじまり」の物語を描いた全7曲。前作よりアレンジの幅が広がり、歌詞の情景描写はいっそう鮮明になっている。ナタリー2度目の登場となる今回はこの変化の理由や影響について質問し、バンドの現在地を探った。さらに彼らは自分たちの個性、目指すべきバンド像についても語ってくれた。

取材・文 / 伊藤実菜子 インタビュー撮影 / 佐藤類

Goodbye holidayの「はじまり」が詰まってる

──今回のミニアルバムを制作するにあたって、どういう作品にしようと考えていましたか?

左から大森皓(G)、児玉一真(Vo, G)、山崎晃平(Dr)、福山匠(B)。

山崎晃平(Dr) 自分たちが納得いくまで何回でもやり直して、とことんこだわったものにしようっていうのは前作をリリースしたあとに決めてました。今回それは達成できたと思います。

──でもリリースのペースはわりと早めですよね。それだけ皆さんが集中して制作に取り組んだということでしょうか。

山崎 そうですね。早く次を作りたいっていう意欲がデカすぎたから、集中して作れたんじゃないかなと思います。

──その意欲はなぜ湧いてきたんだと思います?

山崎 「ソラリス」は自主制作盤で発表した曲が大半を占めてたんで、まったく新しい作品っていうよりかは僕らの中ではもう1回作り直したような感覚だったんです。自主制作盤を作ってからもう2年くらい経ってたから、早く新しい作品を作りたくて仕方なかったんですよ。

──「はじまりの唄」というタイトルにしたのはなぜですか?

児玉一真(Vo, G)

児玉一真(Vo, G) 今回の7曲は全部東京に出てきてからできた、今のメンバー4人でイチから作った曲なので。そういう意味でGoodbye holidayの「はじまり」がしっかり詰まった作品になってるし、全曲共通して「はじまり」をテーマにしているので、このタイトルがいいんじゃないかということで決めました。

福山匠(B) もともと7曲目の「遠い街まで」が「はじまりの唄」っていう名前だったんですけど、「はじまりの唄」っていうのをどうしてもアルバムタイトルに持っていきたいっていうことで変えたんですよ。そしたら全部まとまったようにしっくりきましたね。

「楽曲がいい」ことがバンドの個性

──前回のインタビュー(参照:Goodbye holiday「ソラリス」インタビュー)ではメンバー同士意見を出し合い、ぶつかり合いながら制作しているとお聞きしましたが、今回はどうでしたか?

山崎晃平(Dr)

山崎 今回はそんなにぶつからなかったですね。

福山 前回は僕たちだけでやってたんですけど、今回はアレンジャーやプロデューサーがついてくれたんですよ。僕たちにない視点で意見を出してくれるから、こっちもメンバー同士でケンカのしようがないというか(笑)。

──アレンジャーやプロデューサーがつくことは初めて?

山崎 アルバム通して最初から最後まで、曲作りの段階からいてくれたのは今回が初めてでしたね。

──制作の進め方が変わってくると思うのですが、戸惑いはなかったですか?

山崎 最初は録ったあとのイメージが湧かなくて、「このアレンジってどうなんだろう、大丈夫かな」「これで本来のGoodbye holidayの雰囲気から逸れたりしないかな」っていう不安はちょっとありました。でもいざ歌入れまで終わって聴いてみたら完璧だったので、結果的に大正解だったと思います。

──児玉さんは自分が作った曲を、メンバー以外の人へ委ねることに抵抗はありませんでしたか?

児玉一真(Vo, G)

児玉 特にないですね。自分たちでやってたときも、「こういうふうに弾いて」とか「こう叩いて」とはあんまり言ったことがなくて。各々がどういうアレンジでくるのかっていうのが楽しみなくらい、そこに対するこだわりはもともとそこまでなかったので。いいものができるんだったらどんどん意見を取り入れてやっていきたいっていう気持ちでしたね。

──では今後もプロデューサーと一緒にやっていきたいですか?

山崎 それはもちろん。4人だけじゃしんどいっす、ケンカするんで(笑)。

──この4人で楽曲を完成させることよりも、とにかくいいものにするということに重点を置いているんですね。

児玉 そうですね。

山崎 曲があってのバンドだと思うんで。特にGoodbye holidayは「楽曲がいい」っていうことが個性になると思ってます。だから曲がよくなるためならなんでも挑戦していきたいです。

ミニアルバム「はじまりの唄」/ 2013年10月16日発売 / No Big Deal Records / NBDL-0007
[CD] 1890円 / NBDL-0007
収録曲
  1. 少年シンドローム
  2. e.a.e
  3. feel
  4. 似たものどうし
  5. モノクロ
  6. 茶色いうさぎ
  7. 遠い街まで
Goodbye holiday(ぐっばいほりでい)

児玉一真(Vo, G)、大森皓(G)、福山匠(B)、山崎晃平(Dr)からなるロックバンド。2008年に広島で結成。2011年より東京に拠点を移し現在のメンバーとなる。ポップで耳触りのいいメロディ、存在感のある歌声で着実にファンを増やし、2013年1月に初の全国流通盤となるミニアルバム「ソラリス」をリリースした。10月16日には2ndミニアルバム「はじまりの唄」を発表。本作のリード曲「少年シンドローム」はテレビ東京系「解禁!暴露ナイト」およびテレビ東京「オードリーの神アプリ@新世紀-UP DATE-」の10月度エンディングテーマに採用されている。