GLAY「whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)- / シェア」特集|TERUインタビューで迫るJAYとの刺激に満ちた制作 (2/3)

JAY、TERUの細胞を沸き立たせる

──同じボーカリストとして共演してみて、JAYさんのどんなところに個性を感じましたか?

JAYは22歳という若さなのに、落ち着いてるし、声の出し方にも個性があって歌唱力もあるし……世界で活躍している子のレベルは高かったですね。ピッチも声もいいし、ブレスも自分の魅力を自覚しながら入れてる。特にちょっとしゃがれた声を混ぜたハイトーンが心地よくて、声の響きがいいんですよね。デビューして4年目だけど、これからどんどんうまくなって、味のあるボーカリストになっていくんだろうなと。あと本当にギターが好きで、TAKUROが好きなギタリストを聞いたらスティーヴィー・レイ・ヴォーン(アメリカ生まれのブルースギタリスト。1990年没)を挙げてて。TAKUROがびっくりしてましたね。HYBEの中にあるJAYの作業部屋に案内してもらったら、ギターが何本もあるし、マニアックなエフェクターもいくつもあった。「このエフェクターはこんな音がするんですよ!」って弾きながら聴かせてくれて、めちゃくちゃギターキッズでした。

TERU(Vo)

──HISASHIさんとも話が合いそうですね。

そうなんです。「whodunit」のミュージックビデオを韓国で収録したあとに一緒にごはんも食べたんですけど、そのときはギターとアニメの話で盛り上がってました。日本のバンドも好きだと話していて、GLAYの20万人ライブ(1999年開催の「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」)の映像も観たことがあると話してくれて。それで僕らとのコラボも快諾してくれたのかな。

──ちなみにGLAYの皆さんとの年齢差は……。

30歳ですね。ただ、話していてジェネレーションギャップは感じなかったです。でもかわいい顔をしてるし肌は艶々だし、撮影なんかで横に並んだときにDNAが肌をピンとさせてくれるというか、細胞が沸き立ちました(笑)。

──いろんな面で刺激を受けたんですね。GLAYは何年かに一度、ジャンルの異なるアーティストとコラボしています。過去にはEXILE、氷室(京介)さん、JUJUさんと楽曲をリリースされて、2014年頃には複数のドラマーの方との共演もありましたが、TERUさんが感じるほかのアーティストとのコラボの醍醐味は?

コラボを通してほかのアーティストの新しい歌や音が入ってきたときに、GLAYとしてこれまでに持っていなかった力を発揮できるんですよね。その化学反応が楽しい。これからもいろんな方々とコラボをしてみたいけど、そもそも自分たちに実力がないと相手に対抗することもできない。こちらからオファーをしても、認めていただけなければ断られてしまう。だから常に自分たちの力を磨く必要があるんです。

TERU(Vo)
TERU(Vo)

“いつもの感じ”を離れて

──「whodunit」の歌詞はTAKUROさんとJAYさんの共作だそうで。

JAYが歌うパートは本人に書いてもらったんだけど、日本語の歌詞を自分で書いて歌うのは初めてだったみたいで。アーティストとしてのコンセプトの表現を形にすることには慣れているけど、自分独自の表現をするということはあまり経験がないらしいんです。だから初めての挑戦ということですごく楽しんでくれました。「鬼」とかTAKUROが絶対使わないであろう言葉が入っていて新鮮でしたね。TAKUROといろいろ話しながら書いていったらしいんだけど、今の時代において自分たちが感じている思いを曲に詰め込みたいという考えがあったみたいです。

──TAKUROさんのジャーナリスティックな一面もしっかり刻まれているんですね。ところで歌詞の冒頭には「The Time Goes On But Life Is Short」という、TERUさんが常日頃お話しされている「人生の残り時間を意識して生きる」というメッセージとリンクするフレーズも登場します。

22歳のJAYがこの言葉をどう受け止めるのか興味深かったですね。JAYはレコーディングでこのパートをすごく激しく歌っていたので、20代は20代でこの言葉に感じるものがあるんだろうなと思って聴いてました。

──このフレーズは年齢によって解釈や受け止め方が変わるでしょうね。それが面白さでもあると思います。

今後、ライブでは僕がJAYのパートも歌うことになると思うので、JAYが書いた歌詞をどう噛み砕いて表現していけるか楽しみですね。GLAYのメンバーだけで演奏するときは、また違ったニュアンスが出るでしょうし。

TERU(Vo)

──もちろんGLAYバージョンも楽しみですが、このコラボを生で観たいという気持ちも高まります。TERUさんとJAYさんのハーモニーが、エッジが効いていて爽快なんですよね。すごく相性がいい歌声だなと思いました。

実は今回、けっこうJAYに寄せて歌ったんです。僕としては“いつもの感じ”ではない歌を歌ったことで、自分の中でひとつ幅が広がった感覚がありましたね。ボーカルにオートチューンをかけたり、これまでのGLAYではあまりやってなかったことを、JAYとのコラボだったら試してもいいんじゃないかと思って僕から提案しました。エンジニアの工藤(雅史)さんに「こういうエフェクトにしたい」と伝えて、オートチューンをかけて3度上のコーラスを作ったり。工藤さんにとっても初めての試みだったみたいで、チーム全体で新しいチャレンジができたのでいい勉強になりました。

──ちなみに「whodunit」以外でJAYさんとGLAYの曲を歌うとしたらどの曲を選びますか?

TikTokで一緒に歌ってる映像を公開してるんですが「誘惑」かな。JAYがリクエストしてくれて、ギターソロも入れてくれたんだけど、それがGLAYにはないアプローチで面白かったですね。ENHYPENとは違う歌い方をしていて、新鮮で楽しそうでした。

──「whodunit」はもちろん、GLAYとJAYさんの「誘惑」も生で聴ける機会があるといいのですが。

いつかあるのかな? ないのかな?(笑)