「Mania」とはまた違った狂気感
──「P-P-P-PERO」には曲を説明するキャッチコピーが付いていますが、それが“ペロペロポッピンクリーミーKAWAIIソング”ということで……。
小泉 はい、合ってます。
大倉 サーティワンの新商品ですね!ってそれは冗談ですけど(笑)、「P-P-P-PERO」はげんじぶ流のポップチューンに、「エグミレガシー」のキャラクターたちが持つちょっとした狂気をミックスした曲というか。「Mania」とはまた違った狂気感が含まれているんですよ。
武藤 何も知らずに聴いたら「かわいいな」と感じてもらえると思うんですけど、アニメと合わさることによって、少しの不気味さに気付くという。より深いところまで掘り下げられて、見え方が変わってくるんじゃないかなと思います。
杢代 確かにね。アニメやMVを観ていただけたら曲のことがもっとわかると思う。
大倉 歌詞にアニメの中のキーワード的なものがちりばめられているので「ここはこのキャラのことを言ってるんだ」って、のちのちわかると思います。あと、この曲の特徴と言ったら「くるみ割り人形」のサンプリングです。
──「金平糖の精の踊り」のワンフレーズが象徴的に使われていますね。
大倉 ここ、バレエをやってた要人さん的にはどう?
吉澤 バレエ音楽なので聴き馴染みがあるし、最初に音源を聴いたときはうれしかったです。振付もバレエ系になるのかな?と少し期待したんですけど……それに関しては期待をぶった切るくらい激しい振りでした(笑)。ただ、「くるみ割り人形」に関連させたダンスもあるので、注目してもらえたらなと思います。
僕の中の“かわいい”のMAX
──展開が激しい楽曲ですし、レコーディングの際にはいろいろ工夫があったのではと思います。歌に関して意識したことはありますか?
小泉 僕の担当したパートは、場所によって雰囲気が全然違うんです。例えば1番のBメロは、さっき話題に上がった「金平糖の精の踊り」のパートなので少し不気味さを感じられるように歌いましたし、一方で2番のサビはヘンテコさを出す意識で歌いました。1つの曲だけど、その場その場の音によって歌い方を変えた感じです。
武藤 光咲と同じく僕もサビのパートを担当しているんですけど、「Dream Dream Dreamで味見する」のリズム感と、「くるみ割り人形」の行進曲のリズムが似てるなって思ったんです。作詞作曲の久下(真音)さんは、このリズムを意識したんじゃないかな?って。なので、僕はそんなイメージを持ちつつ、リズムを感じながら歌っていました。
長野 確かに似てるね。行進曲を自分の中のリファレンスにしたってことか。
武藤 そうそう。テンポは「P-P-P-PERO」のほうがだいぶ速いけどね。
長野 あと、この曲はガヤをたくさん録りました。普段は潤くんがコーラスパートも歌ってくれるんですけど、「P-P-P-PERO」は全員でガヤを入れているから声の種類と厚みがいつもと違うように感じられると思います。「PEPEPEPE-RO!」というフレーズをふざけて歌ったりクールに歌ったり、いろんなバージョンで歌っているから、何度も何度も聴いて、誰がどんな感じで歌っているんだろう?と探ってもらえると楽しいかもしれないです。
──凌大さんが歌っているパートで言うと「二口あげたら なくなっちゃうから ちょっとにする…でも!」の「ちょっとにする…でも!」の歌い方がいつになくかわらしいニュアンスで耳に残りました。
長野 そこは、久下さんに「もっとかわいく、もっと!」とアドバイスいただいて「(照れながら)はい……」みたいな感じでした(笑)。今回のレコーディングは、ほかの曲に比べて「もっとオーバーに」とディレクションしていただくことが多かったです。ピッチや声質を気にするよりも、ニュアンスを大事にしていたなって。だから僕も、普段だったらこんなにニュアンス入れないでしょ!ってくらいにニュアンスを入れて歌いました。終わったあとは大丈夫かな?と思ってしまうくらいでしたけど、実際聴いてみたらハマっていたというか、アニメに合う雰囲気になっていたのでよかったです。確かに、このパートはめちゃくちゃ“かわいい”を意識しました。レコーディング時点での、僕の中の“かわいい”のMAXです(笑)。
表情管理は肝
──続いて、この曲の振付についても聞かせてもらえたら。
桜木 「エグミレガシー」にはエンドオブザワールドというキャラがいるんですけど、この子を舐めるとすごくいい気分になるんです。そういった特徴を振りで表現したり……。
杢代 ソフトクリームを食べているようなね。アニメと関連した動きがあるんですよ。
桜木 あと「Mania」の振りに小指を噛む仕草があるじゃないですか。それを、「P-P-P-PERO」では指を変えて。
杢代 人差し指を顔に当てて、ペコちゃんみたいに舌を出す表情をするんです。そういう対比があったり、遊び心あふれる振付になっています。
──そうなんですね。
杢代 「P-P-P-PERO」には楽しげな曲調のパートとちょっと暗めな曲調のパートがあるので、それに合わせて表情を変えるのもポイントかなと思います。表情管理が肝です。「くるみ割り人形」を意識して人形っぽい動きをするところは笑顔を消して真顔で踊り、逆に楽しげなパートはもう超ハッピー。舌を出すポーズのところは、観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)に楽しみにしていてほしいです。
小泉 お! いい自信ですねえ。
みんなの普通が普通じゃなくなってる
──「P-P-P-PERO」は複雑な展開の曲ですし、歌詞も不可思議な世界観で客観的に見たらすごく独特な曲だと思うんですが、皆さんがすんなりとこれを受け止めて表現されている現状が興味深いです。それこそデビューからの5年間の歩みの中で、原因は自分にある。がさまざまに個性的な楽曲たちを噛み砕いて前に進んできたことの賜物なんじゃないかなと、この曲を聴いて改めて思いました。
長野 確かにそうかもしれないです。この楽曲をもらったときは、まだ「エグミレガシー」の主題歌になることは知りませんでした。だから普通に「今回はこういう曲なんだな」って。普段とちょっとテイストが違うなと思ったくらいで(笑)。
大倉 むしろ、このくらい世界観が強い曲のほうが表現しやすいです。
長野 逆に歌いやすいかもしれないね。曲に“余白”がありすぎると、逆にどうすりゃいいんだろう?ってなる。
大倉 僕ら的には「時速3km」とか「Run away」みたいなシンプルなバラード系の曲のほうが難しいんですよ。
杢代 それわかる。
長野 みんなの普通が普通じゃなくなってる、僕らは。
──すごく独特な状況ですよね。
吉澤 それで言うと、曲をもらうたびに「この曲はどんな振付になるんだろう?」と考える楽しみもあります。普通だったらダンスを付けないような複雑な楽曲が僕らには多いから、ここまで5年間やってきているけど、毎回予想外の振付だなって思うんです。そんなワクワク感も未だにあります。
僕もあのときと同じ気持ちで笑ってる
──7月7日に、原因は自分にある。は結成5周年を迎えます。メンバー同士、この5年間でそれぞれのいいところをたくさん発見してきたのでは?と思うので、ここからは「P-P-P-PERO」の“KAWAII”と“狂気”というテーマにちなんで、メンバーそれぞれの“狂おしいほどかわいい”ところを言い合って、お互いをメッタメタにしてほしいなと思うのですが、いかがでしょうか?
大倉 お互いのかわいいところですね? じゃあ1人に対して6人が思い付いたことを言っていく、集中砲火スタイルで行こうよ。まずは最年長・潤くんのかわいいところ!
武藤 僕の狂おしいほどかわいいところだよお!
杢代 (手を挙げて)はい! 歳を重ねても、しっかり5年前と同じクオリティのボケをしてくれる。
大倉 あはははは! でも確かに“変わらない”って大事だよね。僕らメンバーからしたらさ。
杢代 だから僕も、あのときと同じ気持ちで笑ってる。
長野 えっ、何今の言葉? 2人が河川敷にいるみたいな青春感。
武藤 あはははは。
長野 あ、僕これ。この笑顔です。潤くんって、笑うと目がなくなるんですよ。昔からずっと変わらず。それがかわいいです。
小泉 わかる。
吉澤 僕もありました。潤くん最近、それこそ5年前じゃ考えられないような大人っぽいバッグを持っているんですよ。そのカバンの中からポケモンカードが出てきたとき、「少年心はずっと変わらないんだな」と思って、かわいかったです。むしろ彼の少年心は、年齢と反比例してどんどん大きくなってるんじゃないかなと思えるくらいで……。
長野 潤くん、この間その件で悩んでたよ。「僕の趣味ってさ、小学生と一緒だよね……」って、独り言言ってた(笑)。
大倉 最年少からは何かないの?
桜木 7人で真剣に話し合いをしてるとき、難しい雰囲気になることがたまにあるんですけど、そのムードを察してがんばる潤がかわいいなと思う。
大倉 わかるわかる。ちょっと場を和まそうとするときの潤くんね。
武藤 ん? 話し合いのときは僕も真剣だから、和ませようなんてしてないよ?
大倉 そんなわけないでしょうよ。例えば誰か2人が言い合いっぽくなったとき、潤くんがしっちゃかめっちゃかなことを言うんです。そうすると、言い合いしていた2人が息を合わせて潤くんにツッコむっていう(笑)。
杢代 それが……?
武藤以外全員 かわいい!
次のページ »
和人はね、ずっとかわいいよ!