原因は自分にある。が、7月5日に新曲「P-P-P-PERO」を配信リリースした。
「P-P-P-PERO」は、声優の江口拓也が原案を務めるテレビアニメ「エグミレガシー」の主題歌として書き下ろされた楽曲。“ソフトクリーム”をモチーフにした軽やかでキュートな曲調ながら、アニメで描かれるどこかアブノーマルな世界観、柔らかな狂気を反映させたげんじぶ流のポップチューンで、楽曲には“ペロペロポッピンクリーミーKAWAIIソング”なるキャッチフレーズが付けられている。
げんじぶが5月に配信リリースした「Mania」もまた、「悪気がないが行き過ぎた愛情や冷静な狂気」をテーマにした楽曲だ。音楽ナタリーではメンバーにインタビューし、まったく異なる角度から“狂気”を描く2つの楽曲にどのように向き合ったのか、話を聞いた。さらに、特集後半には間もなく結成5周年を迎えるげんじぶの7人が、日々感じるメンバーの“かわいい”について大いに語り合うコーナーも。かつてないほど「かわいい!」が飛び交う、狂気の?カワイイインタビューをお見逃しなく。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / YURIE PEPE
誰だ? この綺麗な女優さんは
──まずは5月にリリースされた「Mania」のお話を。この楽曲は、凌大さんが出演されていたドラマ「シークレット同盟」のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲です。
長野凌大 ドラマと同様に「狂気的な愛」がテーマの1つとしてある楽曲で、げんじぶらしい世界観がありつつ、ドラマのストーリーにも寄り添っていると思います。歌詞は僕が演じた律子からの視点のようにも感じます。
──律子は好意を寄せる相手に近付くために女性になりすます“狂気のストーカー”という強烈なキャラクターで、凌大さんの律子としての美しいビジュアルや熱演はかなり話題を呼びました(参照:げんじぶ長野凌大が“狂気のストーカー美女”演じるドラマ「シークレット同盟」場面写真公開)。
大倉空人 潤と雅哉はドラマに出たけど、実際に律子を見てどうだった?
武藤潤 遠くから見たら、ホントに誰かわからなかったです。近付いて見たらやっと「ああ、長野凌大だ」って。僕らは普段の凌大を知っているから男性だとわかるけど、きっとあまり知らない人から見たら「誰だ? この綺麗な女優さんは」となると思う。
杢代和人 おおー。
長野 確かに、人通りの多い屋外で撮影をしたときに「誰? この女優さん」みたいな声が聞こえてきたことがありました。そのときはしゃべらないように、女優さんとして振る舞って(笑)。
小泉光咲 そうなんだ(笑)。
大倉 雅哉はどうだったの?
桜木雅哉 僕は現場で律子とセッションしたんですけど……。
一同 「セッション」!?(笑)
長野 雅哉、ハリウッド俳優?
武藤 雅哉は共演のことセッションって言うの!
桜木 すみません(笑)。で、いざ演技に入ったら女性みたいな仕草をし始めて……。
長野 「し始めて」って(笑)。
桜木 「あ、凌大じゃないんだな」って。やっぱり演じているときは。すごく律子でした。
笑ってはいけないMV撮影
大倉 そんな感じで「Mania」はドラマに沿った楽曲なんですが、好きなものに対する気持ちが過度になっていく中で、その愛情表現が周囲の人から見たら狂気的に感じる、ということを歌っているんです。ミュージックビデオでは、“愛情の対象”として蝶というモチーフが使われていて。
──メンバーの皆さんがさまざまな形で蝶への愛情を表現するMVはミステリアスなストーリー仕立てで、コメント欄にはMVを観た人の考察が多数書き込まれていますね。
吉澤要人 皆さんの考察、僕らも楽しんで読んでいます。
小泉 僕の中ではどれも「こういう見方もあるんだ!」という発見ばかりで。皆さんの視点をライブでの表現に生かせるなと思ったりもしました。
長野 逆にね。確かになあ。
大倉 「そこまで深く考えてくれるんだ!」と思うくらい、めちゃくちゃ掘り下げている方もいらっしゃってすごいよね。
──MV撮影はいかがでしたか?
杢代 洋館で撮影をしたんですけど、そこが少し不気味さのあるレトロな作りだったから、それだけで世界観に入り込める感覚でした。印象に残っているのは7人でテーブルを囲んでボードゲームをするシーンなんですけど、笑っちゃいけないのにみんな笑っちゃったりしてて……。
大倉 ダメじゃん(笑)。
杢代 2カ月ぶりくらい? 全員での撮影がすごくひさびさだったんです。だから和気あいあいとしていたというか。「Mania」自体はシリアスな曲だけど、撮影自体はにぎやかな、明るい雰囲気だったなと思います。
大倉 チェス、熱かったよね。要人対和人の。
杢代 要人が笑わせてくるんですよ……。
吉澤 すみません。本当によくないんですけど、どうしても笑わせたくなっちゃって、動きを大げさにして(笑)。
小泉 本当は怒ってる雰囲気を出さないといけないシーンなんです。
吉澤 スタッフさんから「笑わない!」って、子供みたいに怒られるという。初めての経験でした。
小泉 その要人の動きのあとに、僕とトランプをしていた空人がカードをチェス盤に向かってバーン!と投げるんですけど……。
武藤 それもテイクを重ねるごとにどんどん強くなっていくから、また笑っちゃう(笑)。
大倉 僕は怒りを表現するためにそうしてただけなんですけどね? てか、一番悪いのは凌大だよ。
杢代 そう、凌大が一番いけない!
大倉 MV撮影でお芝居するときって、基本声は出さず顔で演技するんです。みんな無音で怒りの表現をしていたんですけど、凌大だけ「チッ」とか、いちいち言葉に出すんですよ(笑)。僕がトランプを投げたときも、1人だけ「おい、何するんだよ」ってつぶやいたり。
武藤 言ってた(笑)。
小泉 それで笑っちゃう。
長野 みんな声出しづらいのかな?と思ったのよ。みんな役者やってるし。
小泉 それにしては小声だったから。(囁き声で)「ふざけんなよ……」みたいな。
一同 あはははは!
──映像からはまったく想像できない舞台裏ですね。
一同 そうですよね!
小泉 ただ、潤くんが笑いそうになった瞬間はMVでもちょっとわかるかも。「なんで潤くんはニヤっとしたんだろう?」という考察が生まれるかもしれないけど、普通に間違いです。
桜木 間違い(笑)。
大倉 そんな感じで、総じて楽しかったです。
──7人全員での撮影がひさびさだったから、はっちゃけてしまったと。
杢代 はっちゃけちゃいました……(笑)。
小泉 今までのMV撮影で一番面白かったね。
どういう愛情を抱えているからこの行動をしているのだろう?
──気になるシーンはたくさんあるのですが、その中で1つ、作中ペアとして描かれる凌大さんと要人さんの関係性が気になりました。
長野 それで言うと、メンバーそれぞれに「蝶が好きだから◯◯をしている」という背景を持っているので、この人はどういう愛情を抱えてこの行動をしているのだろう?という視点で観ると、わかってくるものがあるのかなと思います。
吉澤 僕らの掛け合いのシーンに関しては、僕が凌大に何かを吹き込んでいると思ってくれたら、さらに解釈が深まるんじゃないかなと。
大倉 “男性”と“女性”の関係性なんだっけ? 要人が吹き込んで、凌大がしゃべって……という。
吉澤 そう。2番のAメロの歌割りがそういう作りになっていて、それがMVにも反映されている感じ。
──なるほど。そして、MVのラストカットで見せる要人さんの微笑がすごく意味深で。
吉澤 あの表情は、“悪い顔選手権”を意識して作りました。
大倉 チョコプラさんのね(笑)。
吉澤 あのシーンが僕ら2人の結末で。凌大のおかげで自分が欲しかったものを手に入れたぜという、してやったりの顔です。
凌大が好きそうな感じだよね、わかる
──続いて新曲の「P-P-P-PERO」について伺えればと思うのですが、こちらは声優の江口拓也さんがキャラクター原案を務めるアニメ「エグミレガシー」の主題歌です。
長野 僕らは1話を先に見させてもらったんですけど、めちゃくちゃ面白かったです。
大倉 凌大が好きそうな感じだよね、わかる。
小泉 難しいことを何も考えずに観れるアニメだよね。
──アニメに空人さんが声優として出演されることも発表になりましたが、空人さんはどんなキャラクターを演じるんですか?
大倉 僕ですか? 「センター分け・チェック」です。
長野 来ました! センター分け・チェック。
小泉 センター分けでチェック柄のパンツを履いてます。
武藤 一瞬「これ空人の声かな?」と思うくらいキャラになじんでたよね。
──空人さんは声優初挑戦ですが、やってみていかがでしたか?
大倉 すごく難しかったです。共演させていただいた声優の皆さんにお話を聞くと、普段のアニメとはまたちょっと違って、セリフをできるだけ早口で言わなきゃいけないからそこがすごく難しいとおっしゃっていて。そんな中「わからないことがあったら言ってね」と声をかけていただけたので、とてもありがたかったです。
──江口さんはじめ、共演者の声優さんはそうそうたる顔ぶれですよね。
大倉 すごい皆さんに囲まれて、失敗できないなって。「棒読みの人が1人いるな」と思われたくないですし、家でもけっこう練習しました。
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「Mania」とはまた違った狂気感