原因は自分にある。インタビュー｜無限の終わりの先にあった“挑戦の始まり” 加速する進化スピードの中で (2/3)

悟空とベジータのような連携プレー

──ここからは3月に配信リリースされた「Mr. Android（feat. izki）」の話を。これまでに3曲の楽曲提供を行ってきた同世代クリエイターのizkiさんが、初めてフィーチャリングという形で歌唱にも参加されている楽曲です。

潤　izkiさんが書いてくれる曲はいつもizkiさん自身がデモを歌ってくれているんですけど、毎回思っていたんです、「izkiさんめっちゃ歌うまい！」って。だから、今回観測者にもizkiさんの声を聴いてもらえることになって、僕的にはすごくうれしかったんです。

凌大　曲の半分をizkiくんが歌ってるんですけど、そういう見せ方もげんじぶにしかできないことなんじゃないかなと僕は思っていて。

空人　ダンスボーカルグループで、メンバー以外の人が歌で参加している曲ってきっと少ないよね。

凌大　そうそう。僕たちならではの形でしっかり音楽に向き合って曲を作れたことが自信につながるし、そういう挑戦をした曲をizkiくんと一緒に歌えることのうれしさと……あとは「負けたくないな」っていうライバル心みたいなものもありますし。

空人　げんじぶのネクストフェーズを示した3rdアルバム「無限の終わり」（1月リリース）以降に初めて出す曲で、さっそく新しい挑戦をしているのがすごく僕たちらしいなと思っています。

原因は自分にある。

──実は、今日皆さんにお話を聞くにあたって、izkiさんからコメントをもらったんです。

一同　ええー！

凌大　そんなことができるんですか（笑）。

──ちょっとここで紹介させてもらいますね。

「Mr. Android」は、壊れかけのアンドロイドと人間の持ち主とのお話で、主に「自分は何者なのか」という問いかけの曲です。

曲中段々と自分の在処に気づいて行く様子や、感情をより強く出して行く感じを歌や伴奏で表現したいと思い、
Aメロ、Bメロの機械のようなフレーズは光咲くん、要人くん、空人くん、
サビ前の問いかけのフレーズは和人くん、
叙情的なサビは潤くん、雅哉くん、凌大くんが似合うような気がしてお願いしました。

そして今回feat.ということで、自分もAメロとサビを一緒に歌わせて頂きました。
サビで2人で歌っている感じが欲しくて、実は音源の最終チェック時にスタッフさんと何回もバランス調整しました！（笑）

レコーディング前の仮歌はいつも通り自分が歌ったものを聞いて頂いたのですが、
げんじぶメンバー1人ひとりのニュアンスや感情がプラスされ、歌が入り、本当に曲に色味が出て、完成したという感じがしました。

ご一緒出来て大変光栄に思います、ありがとうございました!!!

空人　19歳とは思えない、素晴らしすぎるコメント！歌い分けの話とか、初めて聞いたね。

──実際、自分のパートはどんなふうに表現しましたか？

光咲　僕は1番のAメロを歌ったんですけど、それこそizkiさんが言ってくれたようにAメロ、Bメロは機械的な表現をする部分かなと思っていたので、実際に感情を表に出さないような歌い方をしたんです。なので、izkiくんの歌割りの解釈を聞いて、今ちょっとうれしさを感じました。

要人　自分は光咲パートのあとのラップを担当したんですが、ここの歌詞は人間に憧れてしまっている切なさをすごく感じるなと思って。自分は人間じゃないけど生物でありたいという思いが表れているから、それをどう表現するか、izkiさんのデモを聴きながら悩んだんですけど……izkiさん的な要素も取り入れつつ、自分なりの表現をしようと。速いテンポのラップではあるけれど、その中で僕なりに切なさや儚さをいいバランスで詰め込めたような気がしています。izkiさんが、このラップパートを僕に当ててくれたのもうれしかったですね。

潤　僕が歌った1番のサビはizkiさんと僕の声が交互に出てくる構成だから、まるで歌でキャッチボールをしているような聴かせ方ができたらいいなと思って。なので、レコーディングではizkiさんの声をしっかりと感じながら、自分の歌を入れていきました。完成した曲を聴いてみると、僕の声で始まり、izkiさんの声がバーンと出てきて、だんだんと2つの声が混ざっていって。最終的にユニゾンで終わるんですけど、悟空とベジータのような連携プレーが取れてうれしいなって思いました！

原因は自分にある。

──フュージョンしたんですね（笑）。では、2Aパートを歌った空人さんはどうですか？

空人　izkiさんに曲を提供してもらうのはこれが4作目になるんですけど、今回僕はizkiさんのデモのニュアンスに寄せた表現で歌ってみたんです。izkiさんならではのニュアンス……息混じりな歌い方とか独特な声質とか、完全に倣うことはできないけど、意識して歌ったらきっと素敵なパートになるんじゃないかなと思って。「貴方に溺れて、僕は潤んで。」のときもそうだったんですけど、それ以上に歌い方を研究して臨んだのが今回の曲でした。

雅哉　僕が担当した2番のサビは、だんだん人間味が出てくるパートというか。最後のサビの1つ手前の段階なので、絶妙な塩梅が必要でなかなか難しかったです。

空人　確かにねえ。

雅哉　izkiさんの仮歌のニュアンスが素敵だったから、なるべくその雰囲気を崩さないように歌うことを意識しましたね。

凌大　僕のパートはラストのサビなんですけど、最後まで自分のパートが出てこないことが初めてだったから、けっこう緊張感があって（笑）。ラスト1回のチャンスでインパクトを残さなきゃいけないから、どれだけ感情的に歌えるかの勝負という感じでした。あとは僕、いちファンとしても友達としてもizkiくんの作る音楽が好きで、ずっと一緒に歌いたいと思っていたので、こうしてコラボできて、ラストサビを一緒に歌えたことがすごくうれしかったし、勉強にもなりました。izkiくんから得たものと自分のよさとを掛け合わせて、今後自分の表現に反映できそうな成果を得られたし、「Mr. Android」での経験は自分の中ですごく財産になりました。

「わかるー！」っていう気持ちになる学校生活のあれこれ

──そして、4月3日には「放課後ギュッと」が配信リリースされました。同じくizkiさんの提供曲ですが、こちらはテレビ東京系アニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」のエンディングテーマとしてオンエアされている、げんじぶ初のアニメソングです。「デュエル・マスターズ」は、やはり皆さん“通ってきた道”なのでしょうか？

空人・光咲　はい！

雅哉　僕は小学生のときに観てた。

光咲　ばっちり通ってきたよね。だからテーマ曲を歌えることがめちゃくちゃうれしいですし、毎週「デュエマ」の放送を楽しみにしている世代の子たちに僕らの曲を届けられるうれしさもあります。いつか成長したときに、「あ、あのときデュエマの曲を歌っていた人たちだ！」と思ってくれたらうれしいなあ。

潤　僕、この曲のアウトロがすごく好きで。この曲のいい感じのテンポのアウトロを聴くと「次回も観たいな」という気持ちにさせられるというか、アニメのエンディングテーマとしての力がすごく感じられるんですよ。げんじぶ初のアニソンとして、めっちゃいい曲だなと思えるんですよね。

要人　2サビ終わりの三三七拍子もいいよね。キャッチーですごく好きです。僕的には、小学校の運動会とかで使ってほしい気持ちがあって……。

一同　あはははは。

要人　青春の1ページに、めっちゃ合うと思うんですよね。

──「Mr. Android」と同じ作者が書いたとは思えないほど、歌詞にはさわやかな青春の情景が描かれていますね。

空人　僕は、2番の「『全校諸君～』述べる校長先生ちょっと話長すぎてもうしんどいわ」ってとこが好き。

光咲　「わかるー！」っていう気持ちになる学校生活のあれこれが出てくるのが2番なんだよね。ここはぜひ注目してほしいです。

要人　「デュエマ」で放送されない部分にそういう共感ポイントがあるので！（笑）

空人　歌っていると「懐かしいな、学校ってこんな感じだったな」という気持ちになります。ホントにizkiさんが作ってくださったとは思えないような曲だから、今回のレコーディングでは僕、izkiさんの歌い方を意識しすぎず、自分なりに歌ってみようと思ったんです。自分のパートは特にアニソンっぽい雰囲気が強かったから「俺はアニソン歌手だ」と思いながらやってみたり。“自分全開”で、げんじぶの7人が同じクラスにいるような感覚で歌えたのが楽しかったですね。