Galileo Galileiの曲はストリングスが合う
──「アマデウス」は全編にストリングスが取り入れられていますね。Galileo Galileiの楽曲でここまでガッツリ弦を入れたのは初めてでは?
そうですね。シーズン1のオープニング曲(Novelbright「Cantabile」)にストリングスが入っていて、アニメサイドからは「できればストリングスとは違う方向性で」というお話があったんですけど、僕としては「『青のオーケストラ』のテーマ曲はやっぱりストリングスでしょう!」という気持ちが強くて、映画「アマデウス」の映像を観ながら作っていきました。美しく流れるようなフレーズというより、混乱や混沌を表現したストリングスにしたくて。もちろんクラシックの知識があるわけではないし、弦の譜面を書いたこともないので、MIDIで打ち込んで構成していきました。
──バイオリン、ビオラ、チェロの編成ですが、演奏家の皆さんに「楽譜がないと弾けないです」と言われなかったですか?
言われなかったんですよ、それが。以前、弦楽器奏者の方から「楽譜をください」と言われたことが何度かあって、そのたびに「耳コピしてよ」って思ってたんですけど(笑)、「アマデウス」のレコーディングに参加してくれた方々は「音源を送ってもらえたら大丈夫です」と言ってくれて。レコーディングの現場でも「こういうフレーズでお願いします」と口頭で説明したら「わかりました」とすぐに対応してくれて、めちゃくちゃすごかったですね。ストリングスの録音に立ち会うのは初めてだったんですけど、やっぱり生は全然違って。今は音源ソフトが進歩してますが、厚みや奥行き、手触りを含めて、ストリングスの生音には敵わないなって改めて実感しました。
──ミュージシャンとしても大きな経験ですね。
もっとやってみたいと思いましたね。僕たちが作ったバンドサウンドとストリングスが合わさっていく経過を経験したことで、「Galileo Galileiの曲はストリングスが合う」と思って。バンドとオーケストラのライブもやってみたいです。というか、自分の中ではすでにやる予定ですね(笑)。「青のオーケストラ」のオープニングのお話をいただいて、「アマデウス」を作ったことで、新たな道が広がりました。……今思い出したんですけど、去年の9月に北海道エスコンフィールドで(北海道日本ハムファイターズ対オリックス・バファローズ戦の試合後に)ミニライブをやって、Coldplayの「Viva La Vida」をカバーしたんですよ。「こういう弦が入った曲を作ってみたいな」と思っていたら、そのすぐあとに「青のオーケストラ」から依頼が来た。そこからつながってたんですよね、今思うと。
──そういう経験の積み重ねが、最初におっしゃっていた「なぜ表現のツールとして音楽を選んだのか?」の答えにつながっているのかも。
そこに関しては、答えを出したくないんです。「なんで音楽なんだろう?」と悩んだり考えたりするのもイヤじゃないですし。僕は自分が好きなバンドが“答え”を出すと、興味が衰退しちゃうんですよ。バンドを始めたときのテーマはずっと持ち続けて、「悩み続けてくれ」と思ってしまう。僕自身もそういうタイプだし、仮に自分の中で答えが見つかったとしても、人には言わないと思いますね。




