音楽ナタリー Power Push - Galileo Galilei
メンバー&関係者の言葉で紐解く ベスト盤「車輪の軸」
- CONTENTS INDEX
- メンバーメールインタビュー
- アーティスト&関係者コメント
お楽しみはこれからだ
──小林祐介(THE NOVEMBERS、Pale im Pelz)
My Favorite Galileo Galilei's Song
青い血歌詞でいうなら「夢見る少女たちと無垢な少年たち」の世界が急激に拡がっていく、変動していくその前夜に、彼らの「ある部分は」その時点での定着を余儀なくされる。寄せたコメントに繋がるけれど、彼らの葛藤や諦観、希望、自我の在り処が切なく美しく描かれていて、好きだ。M-13「鳥と鳥」との流れで聴くと、よりハッキリと浮かび上がる。
「どうしてもっと早く 追いかけられなかったんだ 僕は 君を」
「どうしてもっと早く 大人になれないんだ 僕ら 君も」
シンプルで、普遍的な詞だからこそ、雄貴くんが歌うと、リアルに感じられる。
僕も、君も、僕。
小林祐介
THE NOVEMBERSのフロントマン兼コンポーザー。2005年にケンゴマツモト(G)、高松浩史(B)、吉木諒祐(Dr)とともにTHE NOVEMBERSとしての活動を開始し、2007年11月にミニアルバム「THE NOVEMBERS」でデビューする。バンド活動と並行してacid android、DECAYS、ROMEO's bloodの作品やライブにも参加している。
たくさんの刺激を受けて自分が豊かにもなれました
──相楽樹
My Favorite Galileo Galilei's Song
サニーデイハッピーエンド聴いてるとこっちまで火照ってしまいそうなサビの疾走感が大好きです。
Message for Galileo Galilei
私はGalileoの音楽に出会ったとき、とてもきれいな物を見つけたような、ワクワクした気分になりました。たくさんの刺激を受けて自分が豊かにもなれました。素敵な音楽をありがとうございます。どんな形になろうと、これからも応援しています!
音楽人生で最も大きな影響を受けました
──志水美日(LILI LIMIT)
My Favorite Galileo Galilei's Song
鳥と鳥新しめの曲ですが歌詞にも曲にもどこか懐かしいGGを感じるのでとても気に入っています。
Message for Galileo Galilei
彼らは勉強熱心で興味のあることをどんどんやっていくのか新作を出すと必ず変化があって、そのヒントはメディアで発信される彼らの言葉や好きな音楽の中に散りばめられています。私はそれを感じたり探したりするすべての行程が好きです。Galileo Galileiを知った15才から今も私は、彼らのようになりたくて、そして超えたいと思っているほどに音楽人生で最も大きな影響を受けました。素敵な作品と期待を残してくれて、ありがとうGG。
志水美日
LILI LIMITのキーボーディスト。2015年4月にタワーレコード限定シングル「Girls like Chagall / RIP」を、同年7月に1stミニアルバム「Etudes」をリリースする。ポップかつ洗練されたサウンドで注目を集め、2016年7月にKi/oon Musicより4曲入りCD「LIVING ROOM EP」でメジャーデビュー。
新しい車のエンジンをかけてからもずっと、胸騒ぎさせてください
──瀧川ありさ
My Favorite Galileo Galilei's Song
Sea and The Darkness II再生した瞬間から、物心つく前の景色が走馬灯のように思い出されました。
一人遊びをしながら音だけが自分を癒していたあの夜の感覚。
Message for Galileo Galilei
同世代の中で誰よりも早くその存在を認められ、私たちの遠く先を走り続けながらも、それ故の苦悩や葛藤を包み隠さず自分たちが自分たちであるための音を鳴らし続けてくれる姿は、希望でした。同じ時代を生きてきた、乾いた風の中にある体温を感じさせてくれる唯一無二の存在でした。新譜が出るたび、ポータブルCDプレイヤーをひっぱり出してそれだけ持って自転車で知らない街へ行きたくなります。大切なものはどんなに手垢がついてもたいせつであるように、新しい車のエンジンをかけてからもずっと、胸騒ぎさせてください。
瀧川ありさ
1991年生まれ、東京出身のシンガーソングライター。幼少期より音楽に親しみ、中学2年生のときにバンド活動を開始する。高校卒業と同時期にバンドが解散すると1年のブランクののち、ソロアーティストとして活動を再開する。2015年3月にシングル「Season」でメジャーデビュー。2016年4月に4枚目のシングル「Again」をリリースし、6月に初の東名阪ワンマンライブツアーを行う。
「あの花」は本当に幸せ者でした
──長井龍雪
My Favorite Galileo Galilei's Song
青い栞 / サークルゲームMessage for Galileo Galilei
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の秩父での最初のイベントで初めてお会いして、生で演奏を聴かせていただいて、とても感動したのを覚えています。制作当初、原作のないオリジナルストーリーということで、まさに五里霧中、手探りの中で、スタッフ一同ああでもないこうでもないと迷いまくっていたころ、いただいた主題歌である「青い栞」のストーリーに寄り添ってくれるような歌詞とその優しい歌声に、とても励まされました。今でも「青い栞」を聴くと、制作当時のさまざまな感情がよみがえってきます。主題歌は作品の顔といいますが、「青い栞」「サークルゲーム」という2つの素敵な顔をいただいた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」という作品は、本当に幸せ者でした。
長井龍雪
1976年生まれのアニメーション作家。2011年放送のオリジナルアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のヒットおよび、芸術選奨新人賞メディア芸術部門の受賞を機に広く名前を知られるようになる。2013年に「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、2015年に「心が叫びたがってるんだ。」という2作のアニメ映画で監督を務めた。
ただまっすぐ音楽に向き合う姿勢には敬意を感じます
──波多野裕文(People In The Box)
My Favorite Galileo Galilei's Song
Sea and The Darkness IIMessage for Galileo Galilei
存在は以前から知っていましたが、初めて演奏を観たのはたしか数年前、札幌のライブハウスで行われたイベントで共演したときでした。浮ついたところのない腰の座った演奏に驚き、丁寧に形作られた楽曲にとても感銘を受けたのを鮮明に覚えています。余計な雑音にはわき目も振らず、ただまっすぐ音楽に向き合う姿勢には敬意を感じます。
波多野裕文
People In The Boxのボーカル兼ギター。2007年に残響レコードから1stミニアルバム「Rabbit Hole」でインディーズデビューし、2009年10月にミニアルバム「Ghost Apple」でメジャー進出を果たす。幻想的なサウンドや詞世界が高い評価を得ている。2016年6月にソロアルバム「僕が毎日を過ごした場所」を発表する。
またどこかで会いましょう
──ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)
My Favorite Galileo Galilei's Song
潮の扉佐孝くんが好きだと聞いたので、聴いてみたら僕も好きになりました。
Message for Galileo Galilei
彼らと出会ったのはもう随分前ですが、会うたびに顔つきと音楽が変わっていき、見ていて気持ちよかった。
変な楽器もたくさん使うし、僕らもそういうの大好きなので。
3人ともチャーミングで僕は大好きです。
むかーし、お兄ちゃんが「僕らヘタだから、OKAMOTO'Sは僕らのこと嫌いなんだと思ってました」と言ってきて、4人で落ち込んだことを今でも覚えています。
んなことないよ!(笑)
きっと「Galileo Galilei」という名前でやる音楽はやりきったのかな?
またどこかで会いましょう。
ハマ・オカモト
1991年生まれ、東京都出身のベーシスト。2006年にオカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、オカモトレイジ(Dr)と共にOKAMOTO'Sを結成。2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビューする。バンド活動と並行して星野源、MIYAVI、ももいろクローバーZらのレコーディングに参加するなど、卓越したプレイが高く評価されている。
未熟さや脆さに甘えていない、屈強な音楽
──三木孝浩
My Favorite Galileo Galilei's Song
管制塔映画「管制塔」を作るきっかけであり、モチーフにもなった曲なので選びました。
Message for Galileo Galilei
最初に「管制塔」を聴いたときの驚きを今でもはっきりと覚えています。後にその曲が、バンドを結成して最初に作った曲だと知って再度衝撃を受けました。10代の青さ、瑞々しさを持ちながら、未熟さや脆さに甘えていない、屈強な音楽。この曲の物語を作りたい。ただただその初期衝動で映画「管制塔」を生み出せたこと、Galileo Galileiという素晴らしいバンドに出会えたことに、心から感謝します。
三木孝浩
1974年生まれの映像作家。1998年にソニー・ミュージックエンタテインメントに入社し、所属アーティストのミュージックビデオを手がける。2010年に「ソラニン」で長編映画監督デビューして以降、「僕等がいた」「ホットロード」の監督を務める。2016年8月に最新作「青空エール」の公開を控えている。
- ベストアルバム「車輪の軸」 / 2016年6月15日発売 / SME Records
- 初回限定盤 [CD2枚組+DVD] / 5300円 / SECL-1917~9
- 通常盤 [CD2枚組] / 3400円 / SECL-1920~1
DISC 1 収録曲
- 管制塔
- ハマナスの花
- 夏空
- 四ツ葉さがしの旅人
- 僕から君へ
- 青い栞
- さよならフロンティア
- 明日へ
- サークルゲーム
- 恋の寿命
- 嵐のあとで
- クライマー
- 車輪の軸
<Bonus Track>※初回生産限定盤のみ
- FLAT / livetune adding Yuuki Ozaki(from Galileo Galilei)
- Trigger / Yuuki Ozaki(from Galileo Galilei)
- 同級生 / 押尾コータロー with Yuuki Ozaki(from Galileo Galilei)
DISC 2 収録曲
- ハローグッバイ
- 稚内
- SIREN
- Imaginary Friends
- 老人と海
- 夢に唄えば
- 潮の扉
- Birthday
- サニーデイハッピーエンド
- バナナフィッシュの浜辺と黒い虹(Yuuki Ozaki ver.)
- 親愛なるきみへ
- ゴースト
- 鳥と鳥
- 青い血
- Sea and The Darkness II
初回生産限定盤 DVD収録内容
- ハマナスの花
- 夏空
- 四ツ葉さがしの旅人
- 僕から君へ
- 管制塔(acoustic)
- 青い栞
- さよならフロンティア
- 明日へ
- リジー
- サークルゲーム
- Hellogoodbye
- Mrs. Summer
- バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 with Aimer
- 恋の寿命
- 嵐のあとで
- クライマー
- ウェンズデイ
- Studio Session(Sea and The Darkness / 青い血)
- Galileo Galilei Last Live~車輪の軸~ at 日本武道館
- 2016年10月11日(火)東京都 日本武道館
Galileo Galilei(ガリレオガリレイ)
尾崎雄貴(Vo, G)、佐孝仁司(B)、尾崎和樹(Dr)を中心に2007年に北海道・稚内にて結成。2010年2月にミニアルバム「ハマナスの花」でメジャーデビューを果たす。その後「青い栞」「サークルゲーム」などでヒットを記録し、2013年10月にはPop Etcのクリストファー・チュウをプロデューサーに迎えて制作されたアルバム「ALARMS」を発表。邦楽ファンのみならず洋楽ファンからも支持を集める。2014年2月には東京・渋谷公会堂での初ホールワンマンを行い成功を収めた。2016年1月に4thアルバム「Sea and The Darkness」を発表し、リリースと同時期にGalileo Galilei名義での活動を“終了”することを告知した。6月にバンドにとって初のベスト盤「車輪の軸」をリリース。10月に東京・日本武道館でラストライブを開催する。
Message for Galileo Galilei
彼らの「明日」に寄せて
以前、雄貴くんは僕に対して「あんまり年上って感じがしない、なんでだろう」と言っていた。僕はそのとき「なんでだろうね」とはぐらかしていたけれど、本当はその理由に勘付いていた。多分、雄貴くんの心は物凄く速いスピードで大人になる必要があり、僕は大人になるのがあまりに遅かったのだと思う。ガリレオは「子供 / 若者という仕事や役割」を(自覚の有無に関わらず)与えられたからこそ、誰よりも早く大人にならざるを得なかった。一夜にして不完全な大人になり、その後何度太陽が昇っても「明日」にならないような諦観や、焦燥感、それでも「明日」を信じようとする希望とその美しさが、彼らの歴史には一貫して存在し続けてきた。そして今、「大人」も「子供」も「仕事」も「役割」も追い越す速さ / エネルギーを彼らは少しだけ窮屈そうに抱えている。いよいよ「明日」が来る。お楽しみはこれからだ、僕もそう思っています。