ナタリー PowerPush - GOOD4NOTHING
紆余曲折の13年を振り返る
今さら「音楽性の違いで解散」言うても、嘘やもんな(U-tan)
──ベスト盤のリリースは、改めて自分たちの歩みを振り返るキッカケにもなりましたか?
U-tan そうですね。歌い方も変化してたし。
MAKKIN ヘタクソやった(笑)。
TANNY いい言い方すれば、フレッシュだったんや!(笑)
MAKKIN ただ、SUNEは一切関係ない曲が多いっていう。
SUNE(Dr) メンバー皆に言われましたからね、「俺らの軌跡やぞ!」って(笑)。今回、自分が参加した曲は2曲なんですが、爪痕は残せているんでバッチリです!
──バンドを結成したときは、目標ってあったんですか?
TANNY いや。遊びでやり始めたのが、ほんまにちょっとずつ、できることが増えて今みたいになったんで。最近、レコーディングのときに「52枚目のアルバムのとき」って、U-tanが30年後のメンバーの似顔絵をよう書くんですけど、全員頭がツルツルで(笑)。
U-tan でも、昔50歳くらいになってもやっときたいなとは言ってたよなあ。状況は全然考えてなかったですけど。ま、今さら「音楽性の違いで解散」言うても、嘘やもんな。
全員 ははははは!(笑)
U-tan 「最近、(音楽性の違いに)気付いてきて……」って。
TANNY 気付くの遅すぎやろ(笑)。
──紆余曲折あったバンドだと思いますけど、そういうことも今は笑える感じ?
TANNY そうですね。もちろん、嫌なこと、辛いこともあったけど、それも全部ひっくるめて今の楽しさになっているから、振り返ってみると楽しいことばっかりですね。
MAKKIN 僕なんか、24~25歳のとき、毎日辞めたいと思ってましたからね。
TANNY まあ、遊びでやっていたことがどんどん仕事っぽくなっていっていけば、それで状況が変わっていくことにも対応していかなきゃあかんじゃないですか。そういうところで紆余曲折あったりとか。
──目標もその都度、どんどん変化していったんですか?
U-tan そうやな、最初は小さいハコからはじまって、大阪やったらベイサイドジェニーで絶対やろうとか。それが叶って、次はCLUB QUATTROでやろうとか。そういうのはあったけど、根本は昔と変わっていないですね。
TANNY うん、曲作って、レコード出して、ツアーして。単純に、そういうバンドの流れが好きなんですよ。バンドって、ほかのバンドの奴らとかも現場におって、ワイワイ楽しくしてるじゃないですか。それでお互いいいライブしたら、また熱くなって。そういう人間の泥臭いやり取りが、実は水面下ですげえあって、居心地がいいんですよね。元々現場の出身なんで。
バンドを辞める理由がない(U-tan)
──ベスト盤と同日に発売されるシングルのタイトル曲「RIGHT NOW」の長さは、GOOD4NOTHINGとしては異例ですね(笑)。
MAKKIN 3分後半やからね。前作(ショートチューンのみを収録したアルバム「It's shoooort time!!」)が、短い曲ばっかだったから今回はその反動ですね。
TANNY いままで短い曲ばっかやりすぎて、もうちょい長いのやろうって。そうしたら大作になってもうたんですけど。前は、2番のサビ端折ったりしてた。
──シングルっていうことは意識しましたか?
TANNY この曲はシングルのために作ったというより、既にできてた曲だったんですよ。
U-tan 最初はめちゃくちゃ短くして「ショートチューンにしようか?」っていう話もあったんやけど。
MAKKIN メロディだけ残して、アレンジはかなり変えました。
──この曲は、歌詞の頭で「I never / Forever / No time to give up, right now(俺は曲げない / 自分の夢 / 今こそ立ち上がるときだ)」と言い切っていて、先程話されたバンドのポジティブなメンタリティが表れてるように思います。
U-tan バンドを辞める理由がないっていうか。そういう気持ちの表れなんかなあ。KAWAJIN(前任Dr)が抜けたりいろいろあったけど、今は辞める理由がないって思えているのは幸せやなって。逆に言ったら、中途半端な理由じゃ辞められないなっていうのがあるし、(音楽を)やりたくてもできへん仲間も見てきたんで、そんなんもあるのかもしれないですね。
──この曲はPVも撮影するとか? 先程見せていただいた台本には奇想天外なことがいろいろと書いてありますが……。(インタビューはPV撮影の前日に実施)
TANNY 大体俺らが絵空事で話してたことやんな(笑)。
──めっちゃ面白そうですね、台本を見ていると。MAKKINさんは、熊と闘うそうですよ。
MAKKIN マジで!?
TANNY おいしいなー、ええなあ(笑)。
──そういうTANNYさんは「レースクイーンに別れを告げられ、シリアスな展開のTANNY」ってありますよ。
TANNY お!? ヤバい!
MAKKIN なんで俺、熊やねん!
U-tan アイデアは俺らで出すんですけど、それをかいつまんで構成してくれているんで、実際の映像がどうなるかは撮ってみなきゃわからないですけどね(笑)。
昔の曲の弾き方をほんまに忘れてるんです(MAKKIN)
──さらに、カップリングが2トラックともインパクトがありますね。まずはQUEENの「DON'T STOP ME NOW」のカバー。
MAKKIN インパクトありますよね(笑)。みんな知ってるだろうし。
U-tan シングルやから、俺らも聴いていて、かつ今の子が知ってる曲がええよなって。アルバムだったら、「この曲、GOOD4NOTHINGの曲?」っていうくらいマイナーな曲で、実はカバーだったとか面白いと思うんですけど。
MAKKIN 何をカバーするか、むちゃくちゃ調べたよな。候補がいっぱいあって。
SUNE LADY GAGAとか出ましたね(笑)。
──そして3トラック目は、「BACK 4 GOOD TOUR」のファイナルだった新木場STUDIO COAST公演の音源が、6曲も収録されてるという。
U-tan ショートチューンのアルバムでは20曲以上も入ってて20分くらいしかないのに、シングルは3曲で20分以上もあるっていう(笑)。
MAKKIN やりすぎちゃおうかな、みたいな。DVD「8 balls struggle ~BACK 4 GOOD TOUR~CHINA TOUR 2011~」には大阪のライブがメインで入っていて、こっちには東京が入ってます。
──両方揃えればばっちりですね。今作のリリースツアーも楽しみです。
MAKKIN でも、昔の曲の弾き方をほんまに忘れてるんです(笑)。
TANNY 素振りしないと錆びてまいますね(笑)。
GOOD4NOTHING - RIGHT NOW(short ver.)
CD収録曲
- RIGHT NOW
- DON'T STOP ME NOW(Queenカバー)
- Live at Studio Coast〈BACK 4 GOOD TOUR〉Final
27
Never Too Late
Ride
LET'S GO
Drive or scrap?
It's My Paradise
CD収録曲
- Let's Make The Future
- DECIDE
- KEEP YOUR FACE UP
- LET'S GO
- PASSAGE OF TIME
- I'm Free!
- PUNK ROCK IS MY LIFE
- LET'S DRIVING THE SEA SIDE
- LET'S MEET TOGETHER AGAIN
- LIFE IS SUCH ONE
- WE CAN GO EVERYWHERE
- RULE OF A SELFISH GUYS
- CALLING MY NAME
- It's My Paradise
- Opportunity All Around
- Turning
- In The Mosh Pit
- Cause You're Alive
- Stick With Yourself
- Life Will Be Fun
- Maximize
- J.C.
- SOUL ALIVE
- Perfect Future
- Flying high
GOOD4NOTHING(ぐっどふぉーなっしんぐ)
TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。1996年に前身バンドを結成し、その後メンバーチェンジを経て現在のバンド名に。CDデビューは2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」。同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は一気に全国区へ。2007年にリリースしたアルバム「Kiss The World」では、「SUMMER SONIC 07」や「FUJI ROCK FESTIVAL'07」といった大型フェスの出演に加え、MADINA LAKEとのシカゴツアーに参加。2010年には自身のレーベル「L.M.N.O.P.」を立ち上げ、アルバム「BACK 4 GOOD」を発表した。2012年1月18日にはキャリアを総括したベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」をリリースする。