ナタリー PowerPush - GOOD4NOTHING
紆余曲折の13年を振り返る
GOOD4NOTHINGが、ベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」を1月18日に同時リリースする。海外でも活躍する彼らの名刺的作品となるベストアルバムと、結成13年目を迎えたバンドのポジティブなムードを捉えた新曲について、メンバーに話を訊いた。
取材・文 / 高橋美穂
「これに大体入ってるから!」って、人に渡せる(TANNY)
──まず、結成13年というタイミングで、ベスト盤「GREATEST HITS!?」をリリースすることになった経緯から伺えますか?
U-tan(Vo, G) ライブで海外に行くことが多くなってきたんですけど、向こうで「この曲はどのアルバムに入ってるんですか?」ってよく訊かれるんですよ。でも、今まで出したアルバムを全部海外に持っていくことができへんから、名刺的な作品を作っておこうと。
TANNY(Vo, G) 「これに大体入ってるから!」って、人に渡せるっていう(笑)。
U-tan あと日本でも、最近の曲しか知らない人も多いと思うんで。
──入門編みたいな意味合いがあるんですね。
MAKKIN(B) そうですね。(入門編としては)中途半端なタイミングですけど(笑)。
──どのような基準で選曲されたんですか?
U-tan ライブで普段やってるスタメンの曲で、かつ俺らの速いメロコアの側面とスタンダードな8ビートの側面を出すという趣旨で選曲しました。俺らの歴史を一番わかりやすく感じてもらえる1枚だと思う。
──それにしても、25曲というのはすごいボリュームですね!
TANNY 結局、あれも入れたい、これも入れたいってなってきて。
U-tan 最初20曲くらいで組んでたんやけど、多くなりすぎてどの曲を外すかで苦労しましたね。
最初の海外公演はホームパーティみたいな場所だった(MAKKIN)
──選曲で海外を意識することはありましたか?
U-tan 海外に行って実感したんですけど、向こうって速い曲に対する免疫がないんですよ。ライブはすごく楽しんでくれるんですけど、速い曲が始まったら「どう動いたらええかわからへん」みたいな反応をしている人が多くて。
TANNY 多分、速すぎると思うんですよ。日本のメロコアって。
U-tan 皆飲みながら観ているから、8ビートの曲とかはすんなり盛り上がるんやけど……。日本みたいに、ライブだけを楽しみに来るっていう文化があまりないから、8ビートとかのほうがノリやすいんでしょうね。ライブ中に急遽8ビートの曲をセットリストに入れたこともあったし。だから今作には、8ビートの曲も速い曲も入れたっていう。
──ちなみに海外に行き始めたのっていつ頃からですか?
MAKKIN 5~6年前やな。最初に演奏したのは、アメリカのホームパーティみたいな場所だったんですよ。
U-tan 近所の人が勝手に入ってきて、立食して、みたいな場所で。最初がそれやったから、どこで何が来ても平気になったんですよね(笑)。日本が整いすぎているんですよ。ライブハウスの環境もいいし、リハもあるし。台湾でフェスに出たときなんて、ビーチやったんですけど、屋根がちょっとしかないのに、俺らが出る5分くらい前から雨がブワー降ってきて。「どうします?」って言われたんだけど「いや、もちろんやります」って。で、機材を全部サランラップみたいなのに包んで(笑)。
TANNY まあ、日本でもタフな環境に耐えてるんで。機材も「このギターじゃないと」とか「このアンプじゃないと」っていうところでやっていないから。もちろんそういうこだわりはあるんですけど、それが邪魔になったりするときもあるんで、どんな機材でも自分らの演奏ができるように心がけていますね。結局、試されるのは自分の実力だけだったりするから。そういうのって日本じゃ経験できない。
──海外では、実力もメンタルも試されますよね。
TANNY そうそう。日本やったらほかのバンドの友達とかいるけど、海外だと僕らしかいないから、メンバー同士の結束力も固くなるし。
U-tan 言葉も通じへんし。弾き方ひとつ、歌い方ひとつ、表情ひとつで、ワンフレーズを自分が思っているように観客に伝えられるかを考えなきゃいけない。最近はやっと慣れてきて、沖縄に行く感じでやれていますね。海外でライブをするのって、結成した当初に地元の小さいところでやっていたときや、大阪から初めて東京に出て行ったときに似た、不安と緊張と何糞根性みたいなものがあって。
──そういうアウェイに飛び込むと燃えるものですか?
TANNY ああ、それは確実にありますね。アウェイでやった後って、テンション高い(笑)。そういう自分らを叩きあげてくれる現場に飛び込むのは好きですね。自分らが試されるし。
CD収録曲
- RIGHT NOW
- DON'T STOP ME NOW(Queenカバー)
- Live at Studio Coast〈BACK 4 GOOD TOUR〉Final
27
Never Too Late
Ride
LET'S GO
Drive or scrap?
It's My Paradise
CD収録曲
- Let's Make The Future
- DECIDE
- KEEP YOUR FACE UP
- LET'S GO
- PASSAGE OF TIME
- I'm Free!
- PUNK ROCK IS MY LIFE
- LET'S DRIVING THE SEA SIDE
- LET'S MEET TOGETHER AGAIN
- LIFE IS SUCH ONE
- WE CAN GO EVERYWHERE
- RULE OF A SELFISH GUYS
- CALLING MY NAME
- It's My Paradise
- Opportunity All Around
- Turning
- In The Mosh Pit
- Cause You're Alive
- Stick With Yourself
- Life Will Be Fun
- Maximize
- J.C.
- SOUL ALIVE
- Perfect Future
- Flying high
GOOD4NOTHING(ぐっどふぉーなっしんぐ)
TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。1996年に前身バンドを結成し、その後メンバーチェンジを経て現在のバンド名に。CDデビューは2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」。同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は一気に全国区へ。2007年にリリースしたアルバム「Kiss The World」では、「SUMMER SONIC 07」や「FUJI ROCK FESTIVAL'07」といった大型フェスの出演に加え、MADINA LAKEとのシカゴツアーに参加。2010年には自身のレーベル「L.M.N.O.P.」を立ち上げ、アルバム「BACK 4 GOOD」を発表した。2012年1月18日にはキャリアを総括したベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」をリリースする。