ナタリー PowerPush - GOOD4NOTHING
アホでナンボ!? 超濃厚&痛快ショートチューン集
ジャンルは“GOOD4NOTHING”
──パンク、メロディックパンクっていうワードが皆さんの口からはあまり出てこないですよね。これは意識的なんですか。
U-tan なんか、生き方っていうか感情の中にあるものなんですね、俺らにとってのパンクって。もちろんそうやって人から言われるのはうれしいですけど、自分らの中に秘めてるだけでええんかな、と思ってますね。
TANNY パンクロック、メロコアって、やっぱり音楽を知ってる人の言葉じゃないですか。それよりも音楽なんか全然知らん奴の前でやったときに、「こいつらなんかわからんけど、観てたら燃えてくるし元気出てくる」みたいな。そういうほうがうれしいかもしれないですね。どんな人の前でやってもそう思ってもらえるバンドでいいかなって。それって海外に行って思ったことで。前にアメリカにツアー行く機会があったんですけど、たまたまタワーレコード行ったとき、OPERATION IVYっていう、RANCIDのティム(・アームストロング)が昔やっとったバンドの名盤が面出しされてたんですよ。それって別にパンクコーナーとかじゃないんですね。向こうのCD屋さんってジャンルがないんですよ。もうドーンと全部置いてあるだけ。それ見たときに、これが本来音楽があるべき姿なんちゃうかなって。最初にジャンルで分けてしまうのは違うっていうか。だからもう、俺らはGOOD4NOTHINGっていうジャンルやと思ってやってますし、自分らでそう言えるならそれでええやんと。そのへんは気にせずやってますね。
明日の糧を提示するのが俺らの役目
──GOOD4NOTHINGというジャンル、その性格とか傾向を言葉にするなら、どういうものだと思いますか。
U-tan やっぱり明日の糧というか、アホなことやってるけど元気になる、みたいな。汗だくでやってる俺らを見て「ちょっとがんばろうかな」って思ってもらえるもの。それは昔から変わってないですね。っていうのも俺らは思春期の頃、90年代のメロディックパンクにすごい助けられてきたからで。その解答を今やってる、みたいな意識があって。今そういう90年代の音楽を知らん人たちがGOOD4NOTHINGを聴いて、助けられたり勇気をもらったりしてくれると、やってる意味があるかなって思いますね。
──マイナスからプラスに転じるもの、という意識があるんですね。
TANNY うん。僕らも人間なんでマイナスの部分も持ってるし、そういう時間もあったりするし。でもせっかく楽しい場所、楽しい時間があるんやから、もう嫌なこと忘れて全部プラスで考えようぜ、っていう感じですかね。それって自分の人生観から出てきたもので。しんどいときに「しんどお……」って言うんじゃなくて「うわ、しんどー! しんどすぎて笑ってまう!」みたいに言えたほうがいいじゃないですか。ただ楽観的っていうんじゃなくて、シメる部分さえシメておけば、あとはそいつの考え方次第や、っていう。
どん底のときも音楽があったから大丈夫だった
──元々皆さん、プラス思考の4人が集まったバンドなんですか。それとも活動を続けていく中で今みたいな答えが得られるようになった?
MAKKIN 俺は後者ですね。昔はむちゃくちゃマイナス思考。マイナス思考の塊やったんで。
TANNY 俺とMAKKINはな(笑)。
MAKKIN 一緒にすんのやめてくれ(笑)。
TANNY 一緒やん! 僕、一時期ホームレスみたいな時期があったんです。まあ、そういう時代もあったんですが、個人的には音楽があったから今までやってこれたところがあるんですよ。
──明るく言ってますけど(笑)、いつ頃の話ですか?
TANNY 23、24の頃。
U-tan 2ndアルバム出た頃(笑)。
TANNY ちょうど「24」(2003年発売)が出た時期で。あんまり家に帰らんかった時期なんですよ。仕事やりながらツアー回ってたし。で、いざ帰る家がなくなったら友達ん家に転がり込んで。ツアーはめちゃくちゃ楽しいんですよね。でも終わって家に帰るっていう段階になったらドーンと落ち込んで。みんな「やっと帰れるー」って喜んでる中、俺だけ現実に引き戻されるみたいな。でもそんなときでも前向いて歩いてこれたんは、まぁ音楽というかパンクロック、バンドっていうものがあったからで。もちろんそこから目ぇ背けへんかった自分もいますけど、音楽がすくい上げてくれたっていうか、それがなかったらもっと落ちてたと思うんですね。だから、今目の前に壁があってどうしようもなくなってる人に向かって「大丈夫やで」って言ってあげたい。「俺もそんなときあったけど、パンクロックあったら大丈夫やで、ライブあったら大丈夫やで」って。そういうの、今やったら言えるんですよね。なんか言葉じゃなくて、シンプルな行動とか音楽で提示できたらなって。
U-tan やっぱり俺らライブが好きでライブが現場やと思ってるんで、そこでほんまに自分の目で観てもらって感じてもらうのが一番で。「こいつらアホやけどなんかグッとくるなぁ」とか「アホやけどまた観たくなる」とか。そういうので充分って思うようになりましたね。
──さっきからずっと言ってますけど、「アホやけど」っていうのはもう枕詞のように付いてくるものなんですか(笑)。
TANNY 関西人やから! はははは。
U-tan ギャップが好きなんですよね。
MAKKIN 楽しいだけちゃうん?
TANNY やってる本人が一番楽しいっていう。まあこういうことはね、箸休めぐらいに思ってくれたら。
──箸休めにしては毎回やりすぎな気がしますけど(笑)。
CD収録曲
- BLAST OFF!!
- M×S×N
- HELLO 61
- Awesome Fat Guy
- Slack's Song
- I HATE YOU
- WON'T
- Shaken Up
- Home
- Got It Right
- Going On The Road
- Sundays
- JUST LIKE YOU
- Go Away
- Tomorrow
- Searching For My Way
- Alive
- Time To Breathe
- 1,2,3....
- Freedom
- Wait here
DVD収録内容
- 27 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Never Too Late 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- UNIONWAY 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- J.C. 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- So long 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Run Away!! 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- The Answer 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Rock and beer 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- film 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- RULE OF A SELFISH GUYS 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Honest with myself 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- It's My Paradise 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- WE CAN GO EVERYWHERE 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- CAUSE YOU'RE ALIVE 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Flying high 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- ~中国での移動の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~体当たりのMAKKINの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~中国での食事の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~中国のライヴハウスの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~言葉の壁の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~TANNYの誕生日の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~いろいろの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~そして日本へ~ 【CHINA TOUR 2011】
GOOD4NOTHING(ぐっどふぉーなっしんぐ)
TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。1996年に前身バンドを結成し、その後メンバーチェンジを経て現在のバンド名に。CDデビューは2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」。同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は一気に全国区へ。SUM41やNEW FOUND GLORY直系のエッジの効いた爽快なパンクサウンドで国内外のバンドのサポートも多数務め、他のアーティストたちからの評価も高い。