CHAI最大の挑戦「表拍子で作曲」
──曲調は腰が動くようなリズムを残しつつ、「sayonara complex」「ほれちゃった」のようにノスタルジックな雰囲気が漂うものとなっています。これまでに発表した楽曲の作風を意識しつつ制作したのでしょうか?
マナ 今までに発表した曲はどんな作風だったかは全然意識してなくて。今の自分たちが好きな曲、演奏したい曲の雰囲気がこんな感じだったの。
カナ そうそう。
マナ コードは全部カナが付けてくれて、あとは「こういうロマンチックなのが好きなんだ」っていうふうにイメージを伝えて。アレンジもカナがある程度作ってくれるけど、最終的には4人で一緒に考えてる。
──この楽曲を作るうえで、新たに挑戦してみたことはありますか?
カナ 実はいつも楽曲を作るとき、リズムは裏打ちにしようって決めてるんだけど、今回はサビの部分で表拍子に音を当てはめていて。
ユウキ これはCHAIにとって、メチャクチャ大きな挑戦だった!
──今まで、このような曲は作らなかった?
カナ 今回が初めて。
──これまで裏打ちにこだわってきたのはなぜだったんでしょう?
カナ 踊れるビートが大好きで、CHAIの曲も踊れたらいいなって思っていたら、作る楽曲のリズムが表打ちにはならなかったんだよね。4人共「裏拍がカッコいい」っていう認識もあったし。CHAIのことが相当好きな人が「アイム・ミー」を聴いたら、「あれ、なんかリズム違うぞ?」って気付くかも。
スーツ+ジャージの新スタイルを提案
──今回のMVは、監督と話し合いながら制作されたのでしょうか?
一同 そうそう!
ユウキ CHAIはダンスをやってみたいと思ってて、それを提案したら「いいね!」って言ってくれて、面白い映像のアイデアを考えてくれたの。今回書き下ろした楽曲「アイム・ミー」のコンセプトは“わがまま”なんだけど、「好き勝手やる」っていうことじゃなくて、「自分のありのままの姿でいこうよ」っていう意味を込めていて。それを表すには、ダンスが一番いいんじゃないかなって思ったんだよね。
──CHAIの皆さんがこれまで発表してきたMVでは、本格的にダンスを行っているものはありませんでしたね。
マナ 今までのMVでは私たちがその場で考えた、簡単な振り付けでしか踊ったことがなくて。今回はダンサーの人に考えてもらったものを、私たちが踊るっていう挑戦だったもんで。
ユウキ 1曲丸々振り付けを考えてもらってね。
ユナ 練習もたくさんやったよね。
ユウキ 鏡張りの部屋を借りてがんばって練習したよね。
──本格的ですね。
ユウキ とは言っても、練習は2時間ぐらいだったけど。
カナ 振り付けもみんな簡単に踊れるものになってるよね。
──ミュージックビデオではさまざまなスポットでダンスを行い、それをつなげていくという手法が採られています。何カ所で撮影しましたか?
マナ だいたい20カ所ぐらいかな?
ユウキ いろんな場所に行ったよね。
カナ 釣り堀とか、バッティングセンターとか。
ユウキ 車の整備場でも踊った! メイド喫茶も初めて行ったよ。
──映像をつなぎ合わせるアイデアは監督が考えたものですか?
マナ そう。ほかにも細かい演出も考えてくれて、「アイム・ミー」を監督流に表現してくれたよね。
ユウキ 場面がどんどん変わっても、私たちの踊りとか姿は変わらないのは、「変わらずにいることも大事」って伝えたかったのかなって思った。
ユナ 「どんな環境にも適応していくぞ」って感じ。
──ダンス以外にも今回のMVで新しくやってみたことはありましたか?
ユウキ 「真っ赤なスーツを着たい」って話もしたよね。
マナ スーツを着るのは憧れだったから。
ユウキ 大きなサイズのダボっとしたやつね。CHAIのテーマカラーはピンクなんだけど、ピンクの最上級は赤ってイメージだったからこの色にしてもらった。
マナ でもスラックスじゃなく、ジャージを履いてるの。
ユウキ スーツの下はスポーツブラだし。
──スーツは「仕事」を想起させますね。
マナ あっ! 本当だ!
ユナ 今気付いた。
カナ 新しいスーツのスタイルを表せたね。
ユウキ これからはスーツにジャージのスタイルがかわいいよ。
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幸せであることが挑戦の秘訣