渕上舞「予測不能Days / バレンタイン・ハンター」 PR

渕上舞|新しい世界切り開いた両A面シングル

ちょっとかわいくしてみます?

──「バレンタイン・ハンター」は、当然のことながら歌詞の中身もバレンタイン一色ですね。

そうなんです。もう、ここまで「バレンタインデー」を連呼する曲も最近は少なかろうと思って。プラス、これだけ「バレンタイン」と言っていたら、バレンタインシーズンにきっと誰かがラジオでかけてくれるだろうというやましい気持ちもありつつ(笑)。

──とても楽しく作詞されたであろうことが伝わってくる歌詞でもあります。

めちゃめちゃ楽しかったです。これはある意味、ワケがわからなくてもいい曲なので、命を懸けて“バレンタイン”という名の戦場に赴く女戦士を思い描きながら、自由に書きましたね。レコーディングでもみんなものすごく楽しそうでした。

渕上舞

──ボーカルも「予測不能Days」とは対照的ですよね。「予測不能Days」は溌剌とした歌声でしたが、「バレンタイン・ハンター」は挑発的で、色っぽくもあります。

そうですね。ちょっと作った声というか。そういう声色の使い分けやニュアンスの付け方に関しては基本的には任せてもらっているので、自分の中のイメージで歌わせてもらいました。

──2コーラス目、Bメロの「一点突破」の歌い方が素晴らしいです。

ありがとうございます。ここの歌い方は二転三転して、最初は1コーラス目の「撃ち落とせ」と同じように力強く、それこそ壁を突破するようなニュアンスの歌い方をしていたんですが、私が「ちょっとかわいくしてみます?」と提案しまして。そしたら、思いのほか現場でウケて「これでいきましょう」と。

──これはね、撃ち落とされますよ。そして、その歌い分けには声優のスキルが生かされているわけですよね。

確かに、歌い分けが自然とできるというのは、私にとって自信のあることの1つになっていますね。Dメロの「欲しいものはナァニ?」とかもちょっといやらしい感じになったんですけど(笑)、それも自分の引き出しの中から自然と出てきたものなので、そこも楽しんでもらいたいです。

意識した“キレイに響く言葉”

──この「バレンタイン・ハンター」や、あるいは「BLACK CAT」(2019年1月発売のミニアルバム「Journey & My music」収録曲)のような、ちょっとガツガツした女性のラブソングって、とてもいいですね。

うんうん。こういう歌詞を書くの、すごく好きなんですよ。さっき、カフェに行って周りにいる人の話を聞くのが楽しいと言いましたけど、女性グループの会話は本当に「BLACK CAT」の歌詞みたいなんです。中でも大学生ぐらいの子たちの会話が一番面白いですね。「やっぱり彼氏にするには年収1000万はないとダメ」みたいな。

──マジですか……。

衝撃だったんですよ。その子は「だって年収1000万ないとさあ、遊べなくない?」と言うんですけど、私は「え、なんで彼の年収が1000万円だとあなたが遊べるの?」と思って。あとは「もう私、今年で21だよ。マジババア。この先どうする?」と言っているのを隣で聞きながら、心の中で笑ったり。

──ははは(笑)。

大学生の女の子グループの大半は彼氏にまつわる話をしているんですけど、それよりもずっと年上のマダムたちになると、今度は近所の人の悪口ばっかりで、そういうのも作詞の参考にさせてもらっています。

渕上舞

──また作詞の話に戻ってしまいますが、やはりご自分で書かれた歌詞のほうが感情移入もしやすいでしょうね。

うん、そうですね。自分が歌いやすい言葉を使ってもいるし、自分が書いた歌詞だから覚えているし(笑)。

──「歌いやすい言葉を使う」とは、例えば伸ばしやすい母音や音の立ちやすい子音など、そういった細部まで意識しているということですか?

最近……というかこのシングルではかなり意識しました。以前は単純に自分の好きな言葉や口癖を歌詞に入れようとしていたところがあったんですが、「リベラシオン」で松井さんと共作という形で歌詞を書かせていただいたことが1つの転機になりまして。当たり前なんですけど、私が書いた歌詞のほうが、私らしさは出ているんです。でもいざ歌ってみたときに、いい歌として聞こえるのは松井さんの歌詞なんですよ。やっぱり松井さんは、メロディに乗せたときにキレイに響く言葉を使われていて、すごく勉強になりました。以来、歌いやすく、かつキレイに聞こえる言葉というのを考えながら歌詞を書くようになりましたね。

好きなことを嫌いにならない

──アーティストとしての渕上さんはこのシングルで2020年のスタートを切るわけですが、デビュー3年目となる今年はどんな年にしたいですか?

私の今年の目標が「好きなことを嫌いにならない」なんですよ。去年、事務所のマネージャーさんから「年賀状用に漢字を1文字ください」と言われたときも、私は“好”という字を書いていて。結局、好きなことを嫌いにならないために、「好きなことだけして生きていこう」と考えるようになったんです(笑)。

──すごくいいじゃないですか。

ただ、それは好きなことはもちろん積極的にやりながら、嫌いなことも好きになるように変えていく努力をするということでもあるんですよ。そうすれば自分も楽しいし、スキルアップもできるのかなと。あとは、ここ数年は人と会うのを目標にしているので、今年も引き続き。

──僕もフリーランスなので、その目標は少しわかります。人と会わないと、飲み会とかにも誘われなくなって。

そう、行かないから誘われなくなるんですよね。でも、お食事会とか打ち上げとか、行くまでは億劫なんですけど、行ったら行ったで「行かなきゃよかった」と思うことは人生で数えるぐらいしかないなって(笑)。それに、やっぱりいろんな人の話を聞くこともだんだん楽しくなってきたので。そうやって何事も面白がれる自分になりつつあるというのは、自分でも面白いですね。

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