音楽ナタリー Power Push - FAKY

生まれ変わった“世界基準ガールズグループ”の野望

2013年7月に「Better Without You」のミュージックビデオをYouTubeで公開し、世界基準のエッジーなEDMサウンドで注目されるも、翌年6月にメンバーのリニューアルを発表。約1年半の活動休止期間を経て、結成当時の5人編成から4人組のダンス&ボーカルグループに生まれ変わったFAKY。今回、配信限定リリースされた再始動後初のミニアルバム「CANDY」は、中毒性の高いリード曲「Candy」を筆頭に、彼女たちのどこかミステリアスでエキセントリックな魅力が詰まった1枚だ。活動再開に際し、彼女たちは何を思うのか。4人それぞれの音楽的嗜好や新作に収められた楽曲たちに込めた思い、さらにはモノクロのアーティスト写真に隠された秘密まで、新生FAKYの正体に迫る。

取材・文 / 猪又孝

本当に信じてるものから出るカッコよさを大事に

──再始動にあたり、今どんな気持ちですか?

Anna

Anna やっと始められるっていうのがうれしいし、活動の再開を待っていてくれたファンの方に「ありがとう」って伝えたいですね。「これが待っててくれたFAKYだよ」って言いたいです。

Mikako 活動休止することで「忘れられちゃうんじゃないかな?」っていう不安も正直あったんです。でも、再始動のティザー映像を公開したら思った以上にSNSで反応があって。「よかった、忘れられてない」と思ってうれしかったですね。

Lil' Fang これからはもう楽しみで仕方ないです。休止してる間は不安もあったし、なんだかんだ言っても沈みがちだったんですよ。まだFAKYのスタイルができあがっていない時点での休止だったので、ここからどうしていったらいいんだろうとか、どういうFAKYを皆さんは見たいんだろうってモヤモヤしてて。でも、リスタートする前にAkinaに会った瞬間、エネルギーをもらったというか、「うん、大丈夫」っていう気持ちにさせられたんですね。この先はもう何があっても楽しいだろうなって思ってます。

──新しく加入されたAkinaさんは3人に初めて会ったとき、どんな印象を受けましたか?

Akina アメリカから引っ越してきて、最初にみんなに会ったときは緊張してました。そのあとみんなでディナーを食べに行ったんですけど、そのときに「本当にこの人たちは優しいな、これなら大丈夫だな」と思いましたね。

Anna Akinaは当時15歳で、私たちと年が離れてるから、最初はすごく不安だったんじゃないかなって思うんです。

──最大で7歳、離れてますからね。

Anna 普通7年も離れてたら怖いだろうなって。

──怖かったですか、お姉さんたちは?

Akina ちょっと(笑)。

Lil' Fang (少し脅す調子で)やっぱり怖かったのっ?

Akina いやいや。最初に会ったとき、3人のことを子供っぽいなって思ったくらいだから(笑)。最初からなじめそうだなって思ったし、私もこれからが楽しみです。

──リニューアルに伴い、グループのコンセプトも変わり始めてるんですか?

Anna 前はカッコ付けてる感じで、「媚びません!」みたいなところがあったんですけど、今はもっとリラックスしてる感じですね。少し余裕が持てるようになったし、素の自分が出てるカッコよさなのかなって思います。

Mikako ナチュラルなカッコよさ、自然と出てくるカッコよさという感じ。

Lil' Fang 前は、曲が攻め攻めだから私たちも攻め攻めな感じで表現しようとか、洋服が攻めてるからそういう感じでいこうとか、何かが先にあったうえでカッコいいと思ってもらおうとしてたんです。でも、今は、自分たちの好きなもの、本当に信じてるものから出るカッコよさを大事にしようというふうに変わりましたね。

幼稚園のときに「ブリトニー・スピアーズみたいになりたい」

──ここからは4人それぞれのパーソナリティや音楽的嗜好を探っていきたいんですが、まずMikakoさんは、ざっくり言うと、どんな音楽が好みなんですか?

Mikako ずっとJ-POPを聴いてました。その中でもR&Bテイストがあるものが好みですね。

──最初にガツンとヤラれたアーティストは?

Mikako 小学校6年生のときに聴いた清水翔太さんです。友達がたまたま流していた「HOME」を聴いたときに、もう「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」って。初めてこんな歌を聴いたと思ってガツンと来ました。

──Akinaさんはお父さんがアメリカ人、お母さんが日本人で、カリフォルニアで生まれ育ったそうですね。

Akina

Akina はい。でも、父の仕事の都合で沖縄に7年くらいいたこともあるんです。2歳から9歳のときですね。でも英語コミュニティに住んでいたので日本語はあまり話してなかったから、今も日本語を勉強中なんです。

──Akinaさんが好きなアーティストは?

Akina クリスティーナ・アギレラです。オーディションを受けるときはいつも彼女の曲を歌ってました。一番好きな曲は「Bound To You」。あと「The Voice Within」も好きです。ベルト(発声法)ができる曲が好きなんです。

──Annaさんはアジアンビューティーという言葉がふさわしいルックスですが、ハーフじゃないんですよね。

Anna 両親は日本人です。でも父の仕事の関係でニュージーランドで生まれて、一度日本にちょっと帰ってから、香港に2年、フィリピンに5年いたんです。10歳のときに日本に帰ってきて以来、ずっと日本です。

──Annaさんが初めて好きになった歌手は?

Anna 姉が持ってたSpice Girlsを聴いたときに「すごくいいな」と思って。そのあとブリトニー・スピアーズを聴いて「彼女みたいになりたい」と思ったんです。それが幼稚園くらいのときですね。

FAKY 配信ミニアルバム「CANDY」/ 2016年5月24日発売 / 900円 / rhythm zone
「CANDY」
収録曲
  1. Pretty
  2. Afterglow
  3. Are You OK?
  4. You
  5. Candy
  6. Better Without You -Retake Version-(※iTunes Storeアルバム購入者限定特典およびApple Music限定配信)
FAMM'IN 配信ミニアルバム「FAMM'IN」/ 2016年4月27日発売 / rhythm zone
「FAMM'IN」
レコチョクへ
moraへ
mu-moへ
収録曲
  1. circle / FAMM'IN
  2. Pretty / FAKY
  3. Countdown / FEMM
  4. Lemonade / Yup'in
  5. circle (Radical Hardcore Remix) / FAMM'IN

FAMM'IN TYO #0

2016年5月28日(土)
東京都 CIRCUS TOKYO
出演者FAKY / FEMM / Yup'in / and more
FAKY(フェイキー)

2013年7月に結成され、「海外に通用するガールズグループ」というコンセプトで音楽活動を開始。同年9月1日に東京・味の素スタジアムにて行われたイベント「a-nation stadium fes. 2013」にオープニングアクトとして出演し、初のパフォーマンスを披露した。2014年6月にメンバーチェンジを伴うグループのリニューアルを発表して活動休止。2015年10月にオリジナルメンバーであるAnna、Lil’ Fang、Mikakoと、アメリカより来日した新メンバーAkinaの4人で再始動した。2016年4月にはFEMM、Yup'inとともに合体ユニット・FAMM'INを結成し、ミニアルバム「FAMM'IN」を配信限定で発表。5月にはFAKYとして、再始動後初のミニアルバム「CANDY」を配信リリースした。