音楽ナタリー Power Push - FAKY

生まれ変わった“世界基準ガールズグループ”の野望

「見た目のカラフル」とは違うカラフルさ

──今回リリースする「Candy」を最初に聴いたときの印象は?

Anna 好きな曲だと思ったし、すごくキャッチーなので、この曲だったらみんなも一緒に歌ったり踊ったりしてくれるだろうなと思いました。

Akina あと、けっこうエナジーを上げないと歌えない曲で。レコーディングはいつもよりテンション高めで取り組みましたね。

──これまでのレパートリーの中で、一番ポップでかわいらしい曲ですが、もともとそういうものを目指して作ったんですか?

Lil' Fang そうです。これまでの私たちの曲って、ポップにしようっていうふうに作っていなくて。自分たちの好きなものをチョイスしてやってるので伝わりにくいところがあったかもしれないんですけど、「Candy」は「みんなで盛り上がれる曲が欲しいね」って話して生まれた曲なんです。

──歌詞にはコケティッシュな魅力をふりまく女性が描かれていますね。

Mikako この曲の主人公は、恋愛だけじゃなく何に対しても、主導権を握ってる女の子っていうイメージ。「戦略は立てておいたから あとはただ身を任せて」とか、歌詞がけっこう攻めてるんです。だからパフォーマンスするときは、ちょっと強気な感じでやってますね。

──「赤いアメが食べてみたい? それとも青いアメ食べたい?」という歌詞は何かを暗喩してるんですか?

Anna そこは「こういう私もあるけど、どっちがいい?」みたいな。人間っていろんな面があるし、赤と青というのは対称的な色ということで使っているんです。

──今回のミニアルバム「CANDY」は、全体的にどんな仕上がりになったと思いますか?

Lil' Fang 私たちが本当に好きな曲とかカッコいいと思える曲を詰め込んでいて、「これがFAKYです」って言える1枚になったと思います。1曲目の「Pretty」はバッツバツに踊る曲だし、次の「Afterglow」は包み込むような優しさを表現していて。3曲目の「Are You OK?」は、孤独や寂しさを和らげてあげたいっていう思いを込めて歌ってる曲。「You」はミュージックビデオも含めて、東京感を表現しているんです。

──「You」は、都会に渦巻く刺激や興奮、冷ややかに見えて高まっている好奇心などをテーマにしているんじゃないかと思いました。

Lil' Fang そういう東京感を意識した曲です。東京っていろんなところからいろんな人が集まってきていて、いろんな文化が混ざっていい意味でゴチャゴチャしてる。で、関心はあるけど介入はしてこないっていうのが東京感だと思うんです。歌詞に出てくる「You」は人だったり、モノだったり、聴く人によって変わってくると思うので、想像を膨らませて聴いてほしいです。

Anna 私たちもいろんな場所から東京に集まってきた4人で、見た目も性格も違うけど、こうしてFAKYとして1つになってる。この作品も全曲ジャンルが違っていて、1曲1曲、個性的な色がある。そういう共通点があるという意味でもFAKYらしい1枚になったと思っています。

──自分たちの中でFAKYというグループに対してカラフルというイメージはありますか?

Anna カラフルっていうイメージはすごく持ってますね。今回のアーティスト写真はめっちゃモノクロですけど(笑)。

──だから聞いてみたんです。「Candy」のような曲調だけだったらカラフルという言葉がマッチするけど、「Afterglow」のようなダークな質感の曲調も歌ってますよね。だからカラフルというよりは、ダイバーシティ(多様性)という言葉の方がマッチするんじゃないかと思っていて。

Anna そうですそうです。「見た目がカラフル」っていう感じじゃなくて、いろんなバリエーションがあるっていう意味で「カラフル」なんです。

──なのに、なぜアーティスト写真がモノクロなんですか?

Lil' Fang それは「あえて」なんです。実際の私たちはカラフルに見えると思うんですよ。私だけを見ても髪の毛は金色だし、「Candy」のビデオだと全身青いトーンの洋服を着ていて。そうすると「あの青い服を着ていた子」って言われがちじゃないですか。それをなくしたかったところがあるんです。

──個性はあるけど、1つのカラーに縛られるのも違うと。

Lil' Fang そうです。私たちは1人ひとりがいろんなカラーを持ってるから。「Candy」だったら私はポップな青。でも「Afterglow」は暗めの赤とか。そういうふうに4人とも変わるんです。だから、このモノクロ写真を見て「私たち、何色に見えますか?」みたいな。そういうふうに投げかけたいところがあるんです。

3年後には絶対ドームのステージに

──4月にはFEMM、Yup'inと組んだFAMM'INというユニットで配信限定ミニアルバム「Circle」をリリースしましたが、FAMM'INでのFAKYと、4人のFAKYにはどんな違いがあるんですか?

Anna 4人のFAKYはイマドキの女の子っていう感じ。楽しんでる、悲しんでる、怒ってる、そういう普段の自分たちらしさが出てると思います。FAMM'INのFAKYは「女の子」っていう言葉が合うのかどうかすらわからないくらい。もっとアートな面が出てると思います。

Lil' Fang 女の子っていうより、人って感じです。「人間」みたいな。

Anna っていうか、生物って感じ(笑)。

Lil' Fang そう、なんか魂っていうか。

──スピリチュアルな感じってこと?

Lil' Fang そうかもしれないです。「circle」のレコーディングのとき、私、ちょっとトリップしましたもん。

Mikako わかる、それ。ちょっと違うところにいる感じでレコーディングをしてる感じがあったかも。

Lil' Fang なんか「大気中の何かと交信~」みたいな。だから、FAMM'INのほうは「こうなる」みたいな感じなんですよ。4人のFAKYは「こうしよう」と思ってしてる。自我があるんです。

──今後、音楽シーンの中でFAKYはどんな存在になっていきたいですか?

Mikako 自分たちと同世代の女の子に「こうなりたい!」って思ってもらえるような存在になりたいです。自分もステージの上では「自信? ありますけど?」みたいな感じで堂々とやってるけど、実際はシュンとするときもあったり、自信を失うときもあるんです。だからこそ、聴いてる人にも「それでいいんだよ」って。ありのままの自分で輝いてるよとか、輝けるんだよっていうことを発信していけたらなって思ってます。

──最後に、FAKYの目標や夢を教えてください。

Anna 近い目標としてはワンマンライブ。今回の「CANDY」のリリースでいろんな人に知っていただいてワンマンを実現させたいです。そして、ほかにも目標があるんだよね?

Mikako そう、ドームツアーです!

Lil' Fang 何年後ですか?

Mikako 3ですね。3年後には絶対ドームのステージに立っていたいなって思います!

FAKY 配信ミニアルバム「CANDY」/ 2016年5月24日発売 / 900円 / rhythm zone
「CANDY」
収録曲
  1. Pretty
  2. Afterglow
  3. Are You OK?
  4. You
  5. Candy
  6. Better Without You -Retake Version-(※iTunes Storeアルバム購入者限定特典およびApple Music限定配信)
FAMM'IN 配信ミニアルバム「FAMM'IN」/ 2016年4月27日発売 / rhythm zone
「FAMM'IN」
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mu-moへ
収録曲
  1. circle / FAMM'IN
  2. Pretty / FAKY
  3. Countdown / FEMM
  4. Lemonade / Yup'in
  5. circle (Radical Hardcore Remix) / FAMM'IN

FAMM'IN TYO #0

2016年5月28日(土)
東京都 CIRCUS TOKYO
出演者FAKY / FEMM / Yup'in / and more
FAKY(フェイキー)

2013年7月に結成され、「海外に通用するガールズグループ」というコンセプトで音楽活動を開始。同年9月1日に東京・味の素スタジアムにて行われたイベント「a-nation stadium fes. 2013」にオープニングアクトとして出演し、初のパフォーマンスを披露した。2014年6月にメンバーチェンジを伴うグループのリニューアルを発表して活動休止。2015年10月にオリジナルメンバーであるAnna、Lil’ Fang、Mikakoと、アメリカより来日した新メンバーAkinaの4人で再始動した。2016年4月にはFEMM、Yup'inとともに合体ユニット・FAMM'INを結成し、ミニアルバム「FAMM'IN」を配信限定で発表。5月にはFAKYとして、再始動後初のミニアルバム「CANDY」を配信リリースした。