音楽ナタリー Power Push - FAKY

生まれ変わった“世界基準ガールズグループ”の野望

「自分の道が見つかってるなら高校に行かなくてもいい」って両親が

──Lil' Fangさんは金髪で、風貌はメンバーの中で一番外国人寄りですけど、日本人なんですよね(笑)。

Lil' Fang そうです(笑)。私は東京生まれの東京育ち。両親とも日本人です。

──Lil' Fangさんはどんなキッカケで歌手を目指そうと?

Lil' Fang 私は小さいときは大工さんになりたかったんです(笑)。なぜか「自分で家作りたいなー」と思っていて。

──それがどうして音楽の道に進むことに?

Lil' Fang

Lil' Fang 私、じっと座って授業を聞いてるのが苦手で。興味があることは突き詰められるんですけど、それ以外はまったく無理で、中学の頃はちゃらんぽらんに生きてたんです。で、高校に行くかどうかも迷っていたときに両親が「何でもいいから、1つだけ自分の道を見つけなさい」と。「そのために高校の3年間がかかってもいいし、今見つかってるんだったら高校に行かなくてもいい」と言ってくれて。それでひとまずは高校に進学することにしたんですけど、そのときに唯一、ちょっとだけ人より秀でてたものがカラオケだったんです。

──友達に「うまいね」って言われたりして?

Lil' Fang そう。それで調子に乗って(笑)、歌を習ってみようと。そんなある日、先輩に誘われてライブに出ることになって、あまり練習せずに会場に向かったんです。歌う曲はビヨンセの「If I Were Boy」で、わりとカラオケでも歌えるし、「いけるでしょ」みたいな感じでステージに立ったら、歌詞を飛ばしちゃうっていう大失態を犯して。「すいません、歌えません。止めてください」って。もう恥ずかしくて恥ずかしくて、そこで私のちょっと伸びかけていた鼻をへし折られたんです。そのときに「私、歌えなくなったら何もないな」って気付いて。そこから本格的に歌をがんばろうと思ったんです。

──じゃあ、Lil' Fangさんが影響を受けたシンガーはビヨンセ?

Lil' Fang 違うんです。高校生くらいまで歌ものをあまり聴いていなくて。私はヒップホップが好きで、特にジャパニーズラップが好きなんです。

──中でも好きなアーティストは?

Lil' Fang キングギドラさんとTHA BLUE HERBさん。BOSS(ILL-BOSSTINO)さんが大好きなんです。

──ハーコーですね。

Lil' Fang あとは般若さんも好き。そのへんのドープなところが大好きなんです。

FAKYメンバーを四大元素に例えると?

──続いては、それぞれの右隣に座っているメンバーの、歌とダンスの魅力をアピールしてみてください。

Mikako

Mikako Akinaのダンスは本当にキレキレ。がっつり踊ってないときでも、キレがあるんです。だけど、歌声にはそういうダンスのキレや激しさとは違った優しさがあるんですよ。そこが魅力だと思います。

Akina Annaはブレッシー(息が多い)な声で、だけどちょっとラスピー(しゃがれた)なところもあって。いろんな感じが混ざってる本当に特徴のある声だと思います。ダンスは、ずっとバレエをやってたから動きがセクシーできれいですね。

Anna リル(Lil' Fang)は高音がすごいです。もう雄叫びというか(笑)。「Candy」だとDメロの最後のフェイクとか、どっから出してるの?っていうくらいパワフル。本当に力強い声ですね。ダンスは見せ方がうまい。ラッパーの方をたくさん観てるせいか、ステージでお客さんを盛り上げるような動作がうまいんです。

Lil' Fang Mikakoはご覧の通り、見た目が抜群にかわいいです。

──すいません、歌とダンスの魅力をお願いします(笑)。

Lil' Fang あはは(笑)。この見た目だと動きがキャピキャピしてるんじゃないかと思われそうですけど、Mikakoのダンスは「はい、私を見てください!」みたいな自信に満ちあふれていて。だから歩いてるだけで絵になるんです。もう立ってるだけで存在感があるっていうか。

Mikako 立ってるだけじゃダメじゃん(笑)。

Lil' Fang けど本当、立ってるだけでサマになる。オーラがあるというか、華があるんです。声もそうで、スッと耳に入ってくる。彼女が歌うと歌詞が聴き取りやすいし、どの世代が聴いても「うんうん」って聴いていられる声質を持っていると思います。

──古くからヨーロッパでは「地・水・火・風」が万物を構成する四大元素と言われますが、4人のイメージをこれに当てはめると?

Lil' Fang 地は確実にAnnaだと思います。FAKYの地盤を確実に作ってくれてるんで。あと、Annaはおおらかだし。

Mikako なんかリルは火だと思う。

──熱いってことですか? 情熱家タイプとか。

Mikako そう、熱い女。

Lil' Fang 水はAkinaですね。Akinaは器用だし、環境や状況に合わせて形を自由に変えて、私たちを全部混ぜてくれる感じ。で、Mikakoが風ですね。包み込んでくれるイメージ。さっき言ったスッと入ってくる声もそうだけど、彼女が口ずさむ歌をさわやかな風が吹いてる草原で聴きたいな、みたいなイメージもあるし。

──でも、たまに嵐を起こしたりもするんですか?

Lil' Fang しますね(笑)。基本、そよ風ですけど、たまに突風が吹きます。

Mikako 本当に? 優しいよ、いつも(笑)。

Lil' Fang 彼女は芯が強くて内に秘めているタイプなので。それがたまにスッと出てくるんです。そういう強い風がバッと吹いて、私たちがハッと気付かされることも多いんですよ。

FAKY 配信ミニアルバム「CANDY」/ 2016年5月24日発売 / 900円 / rhythm zone
「CANDY」
収録曲
  1. Pretty
  2. Afterglow
  3. Are You OK?
  4. You
  5. Candy
  6. Better Without You -Retake Version-(※iTunes Storeアルバム購入者限定特典およびApple Music限定配信)
FAMM'IN 配信ミニアルバム「FAMM'IN」/ 2016年4月27日発売 / rhythm zone
「FAMM'IN」
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moraへ
mu-moへ
収録曲
  1. circle / FAMM'IN
  2. Pretty / FAKY
  3. Countdown / FEMM
  4. Lemonade / Yup'in
  5. circle (Radical Hardcore Remix) / FAMM'IN

FAMM'IN TYO #0

2016年5月28日(土)
東京都 CIRCUS TOKYO
出演者FAKY / FEMM / Yup'in / and more
FAKY(フェイキー)

2013年7月に結成され、「海外に通用するガールズグループ」というコンセプトで音楽活動を開始。同年9月1日に東京・味の素スタジアムにて行われたイベント「a-nation stadium fes. 2013」にオープニングアクトとして出演し、初のパフォーマンスを披露した。2014年6月にメンバーチェンジを伴うグループのリニューアルを発表して活動休止。2015年10月にオリジナルメンバーであるAnna、Lil’ Fang、Mikakoと、アメリカより来日した新メンバーAkinaの4人で再始動した。2016年4月にはFEMM、Yup'inとともに合体ユニット・FAMM'INを結成し、ミニアルバム「FAMM'IN」を配信限定で発表。5月にはFAKYとして、再始動後初のミニアルバム「CANDY」を配信リリースした。