=LOVEの13thシングル「この空がトリガー」がリリースされた。
1月13日に開催された神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール公演をもって齊藤なぎさが卒業し、新体制となった=LOVE。彼女たちが新たなスタートを切るべく発表した新曲「この空がトリガー」は、佐々木舞香がセンターを務める王道の青春アイドルソングだ。しかし、そのさわやかなサウンドに合わせて歌われているのは叶わぬ恋に伴う切ない心情で、メンバーの演技が見どころのミュージックビデオも話題になっている。音楽ナタリーではメンバーを2組に分けてインタビューし、パシフィコ横浜公演を経た現在の心境や、「この空がトリガー」をはじめとする新曲の印象を語ってもらった。
また特集の後半には、カップリング曲の1つ「スイートシックスティーン」を歌唱する指原莉乃プロデュース第3のグループ≒JOYより、逢田珠里依、天野香乃愛、江角怜音、村山結香、山野愛月のインタビューも掲載する。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / 斎藤大嗣
齋藤樹愛羅・佐々木舞香・髙松瞳・瀧脇笙古・山本杏奈
インタビュー
新体制の=LOVEも変わらず好きでいてもらえるように
──1月にパシフィコ横浜 国立大ホールで齊藤なぎささんの卒業コンサートが盛大に行われました(参照:=LOVE齊藤なぎさ現役アイドル最後のステージで届けた「大好きだよ」、ツインテールをほどいて卒業)。=LOVEは新体制での活動をスタートさせたわけですが、喪失感のようなものはありますか?
佐々木舞香 卒業コンサートの次の日から全国ツアー(現在開催中の「=LOVE全国ツアー2023『Today is your Trigger』」)に向けての映像撮影やレッスンがほぼ毎日あって。もちろん寂しい気持ちはありつつも、寂しさを感じてばかりじゃいられないっていうのが現状です。今回のツアーが新体制になってから初めてのライブなので、それを成功させなきゃいけないという気持ちが大きいですね。なぎさが卒業してからまだ少ししか日が経ってないんですけど、毎日が忙しかったのもあって感覚的に卒業コンサートがけっこう前のことのように感じられます。今振り返ると、この短期間でグループが一気に変わったんだなと実感します。
山本杏奈 フォーメーションや立ち位置を新体制用に変更していく中で「ここでなぎさと目が合ってたな」と、レッスン中に寂しさを感じてしまう瞬間はありますね。なぎさが歌っていたパートも振り分けているんですけど、そういうときも「なぎさって難しいパートを歌っていたんだな、たくさんがんばってくれていたんだな」と感じます。そういうなぎさだからこそ歌えるパートもありますが、今はみんなでカバーして、ファンの方を安心させられるようにがんばっています。なぎさを笑顔で送り出しましたし、前を向いて進んでいかなきゃって。
齋藤樹愛羅 なーたん(齊藤なぎさ)はアイドルになるべくしてなった人だったんだなと、卒業コンサートを終えて改めて感じました。アイドルとしてすごい人が卒業してしまったんだなって。イコラブの中でなーたんは大きな存在だったのでファンの方も寂しい思いをしていると思うんですけど、新体制になったイコラブも変わらず好きでいてもらえるように、もっと上のステージに上がっていけるように1人ひとりがさらに意識を高めていかなきゃと思っています。
瀧脇笙古 新体制になってパフォーマンスに穴が開いたと思われないような、イコラブを応援しててよかったと感じられるようなライブをしていきたいです。
──卒業コンサートの中では髙松さんとのユニット曲「流星群」の途中に、なぎささんが手紙を読み上げるという感動的なシーンもありました。髙松さんとしてはなぎささん卒業後の今、どんな心情を抱いてますか?
髙松瞳 「流星群」の手紙の存在は、本当に本番のあの瞬間まで知らなかったんです。すごくうれしくて、コンサートが終わってすぐ「あの手紙をください」ってスタッフさんに言って、もう1回読みました。今はおうちに飾ってあります。卒業は寂しいけど、なぎさも女優として活躍するためにがんばってるので、私たちも負けてられないです。
こういう王道の曲を待っていた
──新たな=LOVEを印象付けることになるニューシングル「この空がトリガー」では、佐々木さんが表題曲のセンターを務めています。11thシングル「あの子コンプレックス」以来2度目となる単独での表題曲センターですが、心構えはいかがでしょう? 「あの子コンプレックス」のときは、「特に普段とは変わりなく」と言ってましたが……(参照:=LOVE「あの子コンプレックス」発売記念インタビュー)。
佐々木 はい、今回も特に変わらずです。ファンの人からのプレッシャーというのも変に感じないですし。私がそういうのを感じ取らないタイプっていうのもあるんですけど、メンバーからのプレッシャーも全然ないので、楽しくセンターを務めています。
──そのひょうひょうとした感じが佐々木さんらしいですね。新曲「この空がトリガー」は片思いを描いた王道青春ソングで、歌詞やミュージックビデオで描かれる切ないストーリーが特徴ですが、メンバーの皆さんはどんな印象を持ちました?
山本 表題曲で王道アイドルソングを歌うのは、なんだかひさしぶりな気がします。イコラブのシングルは本当にいろんな系統の曲があるので、私たちメンバーも次にどんな曲か来るのか毎回予想ができなくて、いつもワクワクしてるんです。今回は最初に音源を聴いたときに「青春”サブリミナル”」(2020年11月発表の8thシングル)みたいな雰囲気の曲だなと思ったんですけど、それとはまた違っていて、実らない恋を描いた歌詞がすごく切ないです。でも笑顔で踊るところもあるし、曲の中にいろんな表情が含まれています。
佐々木 ファンの皆さんと同じく、私たちもこういう王道の曲を待っていたので、最初に曲を聴いたときは「ひさしぶりにきた!」と思ったんですけど、歌詞を読み解いていくと「おやおや?」となりました。ちょっと複雑な気持ちにもなる歌詞ではありつつも、いろいろと考察するのが楽しかったです。
瀧脇 私は歌詞を読めば読むほど、わからなくなってきちゃって。こういう意味なんだろうなと自分で思っても、メンバー同士で話してると「あ、そっちに捉えられるんだ」という発見があるんです。指原さんがどういう気持ちで歌詞を書かれたのかを聞きたくなります。でも、歌うときは自分が腑に落ちた解釈の通りに感情を込めるようにしています。
佐々木 まだMVを観てない人は、まず曲を聴いてからMVを観てほしいです。何回も衝撃があって楽しめると思います。
──MVには、佐々木さん演じる主人公、野口衣織さん演じる親友とその彼氏がメインの登場人物として登場しますが、確かに曲を聴いただけでは読み取れない関係性が映像では描かれています。メンバーの皆さんはMVの台本を読んだときどう感じましたか?
佐々木 驚きましたね。「そういうことなんだ……!」って。想像が及ばないような内容だったというか。MVは何が現実で何が妄想なのかわからない構成になっているんですよね。私もどのシーンが現実で、どのシーンが主人公の妄想なのかわからないまま撮影していました。あと撮影の話だと、袴のシーンが朝早い撮影で大変だったのを覚えています。ちょっと覚悟を決めた目線で相手を見たりと、細かい表情や仕草に気を付けながら演技しなきゃいけなくて難しかったです。
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髙松瞳×ロック